第86話俺とクレーンゲーム
86話です。
「暇だな」
本日は、日曜日で、学校が無い日である。
「本を読むのも、良いが、外出がしたい」
ちなみに、文美さんは、出張である。
「そうだ」
俺は、携帯をポケットから出し、電話をかける。
「はい! 神宮寺沙耶香です! 雄一さん、どうしましたか?」
「こんにちわ、神宮寺さん。頼みたい事が、ありまして」
「何でも言ってください!」
「町に、行きたいので、護衛をお願いします」
「はい! ………え?」
「ありがと「ちょっと待ってください!?」何ですか?」
「それって、デートですか!?」
「そうですね」
女の子と出かけるのは、デートと言って良いだろう。
「分かりました! 五分で、そちらに向かいます! お待ち下さい!」
「無理しなくて………切れちゃったか」
仕方ない。
「居間で、本でも、読みながら、待つか」
俺は、着替えてから、本を持ち、居間で、神宮寺さんを、待つことにした。
□□□
「雄一さん! お待たせしましたわ!」
「本当に五分で来た!?」
俺が、本を読み始めてすぐに、神宮寺さんは、来た。
「雄一さんが、呼んでいましたから、飛んで来ましたわ!」
「はい?」
「そのままの意味で、空を飛びましたわ!」
………神宮寺家の人達なら、出来そうだな。
「では、雄一さん! デートに出発ですわ!」
神宮寺さんは、そう言い、俺の右手を取って、走り出した。
「ちょっ!? 神宮寺さん。物凄く速い!?」
「雄一さん! 時間は、有限ですわ!」
俺は、久しぶりに、風になった。
□□□
「はあはあ」
「だ、大丈夫ですか? 雄一さん」
「だ、大丈夫だです」
久しぶりに、宙に浮いたな。
「えっと、ここは………ゲームセンター?」
「デートの定番と言えば、ゲームセンターですわ!」
「そうなんですね」
「早速、近くにある、ぬいぐるみを取りますわよ!」
神宮寺さんは、俺の手を取って、クレーンゲームの前に向かった。
「これを取りますわ!」
どうやら、熊のぬいぐるみを狙うようだ。
神宮寺さんは、お金を入れ、クレーンを操作する。
「ここですわ!」
そう言い、ボタンを押す。
クレーンは、ぬいぐるみをつかみ、上がっていく。
そして、そのまま移動し、一発でゴールに、運んだ。
「おお! 一発ゲット」
「当然ですわ!」
神宮寺さんは、中からぬいぐるみを取る。
「雄一さんに、プレゼントですわ!」
「ありがとうございます」
俺は、熊のぬいぐるみを受けとる。
「じゃあ、次は、俺がやりますね」
「はい!」
さてと、どれにするか
歩きながら、どんなぬいぐるみがあるか見る。
「これにするか………」
俺が、選んだのは、ウサギのぬいぐるみだ
「さてと、お金をいれ………ん?」
俺は、視線を感じ、そこを見る。
「頑張れ、頑張れ」
そう言いながら、店員さんが、袋を上下に振りながら、こっちを見ていた。
「あの? 雄一さん………」
「気にせずやろう」
俺は、そう言いお金を入れ、クレーンを動かす。
「よっしゃ!」
俺も一発ゲットした。
「おめでとうございます!」
店員さんが、近づいてくる。
「袋をどうぞ!」
「ありがとうございます」
俺は、袋を受けとる。
「では、引き続き、楽しんでいってください!」
そう言って、店員さんは、離れていった。
「あはは………次行きましょうか」
「そうですわね」
「このウサギのぬいぐるみは、神宮寺さんに、プレゼントです」
俺は、神宮寺さんに、ぬいぐるみを渡す。
「あ、ありがとうございます!」
神宮寺さんは、嬉しそうに、ぬいぐるみを受け取った。
□□□
ゲームセンターを出たら、何故か文美さんが車で、来ていた。
「雄一さん。帰るなのです!」
「神宮寺さんは、どうしますか?」
「私も、車を呼んであるので、大丈夫ですわ!」
「そうですか、では、またよろしくお願いします!」
「了解ですわ!」
俺は、車に乗った。
車が発進する。
「さて、雄一さん」
文美さんが、俺の方を向き、ニッコリと笑い。
「帰ったら、お説教なのです!」
と言ってきた。
「ちょっ!? 今回神宮寺さんが、い「問答無用なのです!」理不尽!?」
学園長のお説教は、夜まで続いた。
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