第85話俺とオッドアイの女の子
85話です。
「雄一さん。妹が、貴方に、会いたいと、言っておりまして」
授業が、終わり、放課後である。
三上さんと、今日来る人を保健室で、待っていると、月下さんが来た。
どうやら、本日は、彼女のようだ。
「月下先輩って、妹がいたんですね」
「そうだよ」
「妹さんは、どうして俺の事を、知ってるんですか?」
「私が、話したのさ」
「なるほど」
「では、早速向かいましょう、雄一さん」
「そうだな」
俺と三上さんは、月下さんの案内で、家に向かった。
□□□
「ここが、私の家だよ」
月下さんの家は、一軒家だった。
「それじゃあ、入るよ」
ガチャ
「彩夏帰ったよ」
「おじゃま「ドーン!」ぐはっ!?」
俺が、月下さんに、続いて入ると、誰かが、俺に突撃してきた。
「こら、彩夏! 雄一さんに、突撃しない!」
「えへへ、ごめんなさい。僕、月下彩夏です! よろしくお願いします!」
月下さんと同じ、ピンクの髪で、ショートヘアーの女の子が、俺にそう言ってくる。
「目、綺麗だね」
「え?」
彼女の目は、右が青色、左が赤の、オッドアイだった。
俺は、思ったことを言っただけだが、彼女の目から、涙が出る。
「ご、ごめん!? もしかして、気にしてた?」
「違うんです。嬉しくって」
彼女は、俺の上から退いて、涙を流しながら、教えてくれた。
目の色の違いで、苛められた事を。
「酷いことする、連中がいるんだな」
「まあ、全員私が、ぼこぼこにして、彩夏の前で、土下座させたけど」
月下さんが、ぼこぼこにしたら、二度と、ては出さないだろうなあ。
「ねえ、雄一さん!」
「何………え~と彩夏ちゃんで、良いかな?」
「いきなり名前呼び………だと!?」
「月下って、名字が、二人いるからね、それで、何?」
「お兄ちゃんって、呼んでいいですか?」
「え? お兄ちゃん?」
「駄目ですか?」
「良いよ」
「やったーーーー!」
彩夏ちゃんは、大喜びした。
「「う、羨ましい」」
月下さんと、三上さんさんが、そう言っていたが、羨ましい要素あるかな?
「ねえ、お兄ちゃん!」
「何?」
「僕、お兄ちゃんと、結婚したい!」
「「はい?」」
「彩夏ちゃんは、今、中学生?」
「うん! 僕15才だから、来年結婚出来るんだよ!」
「決めるの早くないかい?」
俺は、そう言う。
「そうですよ! 彩夏ちゃんは、もっといろんな男の子を、見るべきです!」
「え~と、貴女は?」
「あ、自己紹介してなかった! 三上紗綾です。雄一さんの助手です!」
三上さんは、どや顔で、そう言う。
「ふ~ん、そう、みる必要は、無いです! だってお兄ちゃんと、結婚するもん!」
そう言って、彩夏ちゃんは、俺に抱きついてくる。
「こら! 彩夏! 雄一さんに、迷惑かけない!」
「お兄ちゃん。迷惑ですか?」
彩夏ちゃんが、上目遣いで、そう聞いてくる。
「迷惑じゃないよ」
「やったーーーー!」
彩夏ちゃんは、抱きつきを、継続させる。
「「雄一さん。女の子に、めちゃくちゃ甘いです」」
二人がジト目で、俺を見てくる。
「そ、そうかな」
「はあ~、大満足」
彩夏ちゃんは、そう言い、俺から離れた。
「お兄ちゃん。どうでしたか、僕の抱き心地?」
「抱き心地と、言われてもなあ~」
俺は、返答に困ってしまう。
「じゃあもうい「彩夏」何お姉ちゃん?」
「貴女、雄一さんに、恋人になる、対象に見られてないわ」
「え?」
彩夏ちゃんは、俺の方を見る。
「今の所は、妹分としか、言えないかな」
「………恋人の対象に、なれるよう、頑張ります!」
彩夏ちゃんは、そう言った。
□□□
「お兄ちゃん。もう帰っちゃうの?」
彩夏ちゃんは、そう言う。
「うん、俺にも、帰りを待ってて、くれる人がいるからね」
「そっか、じゃあ、また来てね、お兄ちゃん!」
「うん。また来るよ」
そう言って、俺は、三上さんと一緒に、帰って行った。
「お姉ちゃん」
「何? 彩夏」
「落とした方が、勝ちだからね」
「ああ、勿論」
二人が、そんな会話をしていたが、俺と三上さんには、聞こえなかった。
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