第37話俺と学園長の嫉妬
37話です。
「………」
「あの? 学園長」
お見合い実習が終わった日家に帰るなり学園長は、俺の部屋に行きベッドの上で正座し顔が膨れっ面になっている。
「ご飯が出来ましたよ一緒に食べましょう」
「………」
バカな!? あの食いしん坊(雄一の料理限定)の学園長が、俺のご飯に反応しないだと!?
「行きますよ」
俺はそう言って学園長にお姫様抱っこをした。
学園長の顔は一瞬緩んだが直ぐに、元の膨れっ面に戻った。
何があったんだ? 夕食を食べ終わってから、学園長は俺の後ろを寝るまでついてきた(流石にトイレや風呂の時は、ついてこなかった)。
□□□
「学園長の様子が変だ」
次の日の昼学食にて私は学園長の様子について、千代とメアリーに相談していた。
「そうだね私が挨拶すると思いっきり睨まれたよ、それと何故か先輩方からも睨まれた」
何でだ?
「千代さんは、睨まれたんですカ? 沢山の人二?」
「心当たり無いんだけどな~」
「あら私は知っているわよ、貴女が睨まれてる理由」
3人で悩んでいると声がしたので、そちらを振り向くとお見合い実習の時会った月下美人先輩がいた。
「えーと? 貴女は?」
「ああ、ごめんね私は月下美人、優ちゃんに会うのは初めてよね?」
「兄から聞いていますよ、確か神宮寺会長の前の会長でしたよね?」
「えっ!? そうなんですか?」
「そうよ~」
千代が驚き月下先輩が頷く。
「私、太刀川メアリーですヨ~」
「あ、私藤森千代です。どうして、私先輩方や学園長に睨まれてるんですか?」
メアリーが自己紹介をし、千代も自己紹介をしつつそう聞く。
「私も最初聞いたとき怒りで机を素手で、砕いちゃったわよそれでも聞く?」
どんな事を聞いたんだよ。
「はい聞きます」
「分かったわ貴女雄一さんに、呼び捨てで名前を呼ばれたわね」
「ぐふふ、そうですね思い出すだけで………ブハッ!?」
千代は鼻血を吹き出した。
私はティッシュを渡す。
千代はありがとうと言ってきた。
「皆それに嫉妬しているのよ」
はい?
「なるほどですネ~思い出したら、ムカムカしてきました。千代さん一発殴って良いですカ?」
「駄目にぎまっでるでじょ!?」
なるほど。
「皆こんな感じになっているという事ですか?」
「そういうことだよ優ちゃん」
名前呼び=結婚だもんな。
「ありがとうございます。月下先輩学園長の方は、何とかなりそうです」
「あら? 学園長も嫉妬してるの? 睨まれたって、話しか聞こえてなかったからてっきり藤森さんが、相談してるのかと思ったわ」
そう言い月下先輩は学食を後にした。
良し夜学園長と話し合おう。
□□□
「学園長お話があります」
夜学園長にそう言い俺の部屋に連れていった。
「………」
学園長は相変わらず膨れっ面であった。
「学園長………いや文美さん」
「!?」
学園長は驚いた顔をしていたが俺は優しく抱き締めた。
「すいません今まで、呼んであげられなくて」
「嫉妬していたなのです。千代さんに」
俺は黙って頭を撫でる。
「雄一さんに最初に会ったのは私なのです。なのに、何で千代さんの方が先に名前で呼ばれているんですか!?」
「何でですか!? 何でですか!? 何でですか!? うわーーーん!?」
文美さんは今までの鬱憤を晴らすように泣いた。
俺は文美さんが泣き止むまで、優しく頭をなで続けた。
余談だが結婚はしないが、学園長の事は文美さんと呼ぶことにした。
文美さんは結婚はしないと俺が言ったら、残念そうにしていたがでもまだチャンスは、あるのです! とすっかり何時も通りに戻っていた。
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