沙耶香ルート編第11話俺と沙耶香とクッキング
沙耶香ルート第11話です。
「あら優の料理も美味しいですわ」
沙耶香は優の料理を、一口食べてからそう言う。
「姉よ食事は当番制で、私も一応作っているんだぞ」
優がドヤ顔でそう言う。
「何故ドヤ顔をするのですか?」
「姉は料理が出来ないのであろう」
「………ほう」
沙耶香がにっこりするが、目が笑っていなかった。
「ちょっと待っていてください」
そう言い沙耶香は、立ち上がる。
「ちょっと待った沙耶香」
俺は沙耶香の肩を掴み止める。
「離してください雄一さん!」
「いや、沙耶香は料理が出来ないだろ?」
「確かにそうですが、妹に煽られて黙っているのは駄目ですわ! と言う事で作りに行ってきますわ」
「………分かりました。俺も行きます」
俺は沙耶香と一緒に、台所に向かった。
「ふむ、面白い事になったな」
優はコーヒーを飲みながら、そう言ったが俺と沙耶香の耳には聞こえなかった。
□□□
「さあ料理を作りますわよ!」
沙耶香がそう言い料理を開始しようとする。
「ちょっと待った沙耶香、いったい何を作るつもりだ?」
俺はそう言い沙耶香を止める。
「卵焼きですわ!」
「分かった。じゃあ卵を用意して、俺は砂糖を用意しますね」
「分かりましたわ」
二人で材料を用意する。
「さてと作りますか」
そう言い俺は卵をボールの上で割った。
「余りつよ………」
俺は沙耶香の方を見て固まった。
「………」
沙耶香の手は黄身だらけになっていた。
「何個割りましたか?」
「………」
沙耶香は視線をそらした。
「なるほど俺が割ったやつ以外全滅ですか」
「………ごめんなさいですわ」
「大丈夫ですよ最初から、説明しますのでよく聞いてくださいね」
俺がそう言うと沙耶香は頷く。
□□□
「優出来ましたわよ!」
そう言い沙耶香は、優の目の前に作った卵焼きを置いた。
「ふむ、では頂こう」
優は一口食べる。
「兄に教えてもらったな」
「何故分かったんですか!?」
「いや、これ兄の味だぞ」
まあ俺が教えたから当然だな。
「まあ次は神宮寺家流の味を、食べさせてくれ」
優はそう言い紅茶を飲んだ。
「ええ、そうですわね優、次は楽しみにしていてください!」
「………」
俺はその様子を、麦茶を飲みながら見ていた。
「勝たないとな勝負に」
俺は小さな声で、言った為か優と沙耶香には聞こえなかったようだ。
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