第210話俺と集団幻覚前編
すいません遅くなりました。210話です。
「それで、千代よどうして来たんだ?」
藤森さんが、起きると優は、そう聞いた。
「雄一さんの匂いを、補給しに来ました!」
「そうか、では帰れ」
優は、真顔でそう言う。
「酷くない!? 気絶させておいて! ねえ雄一さん、そう思いませんか?」
藤森さんが、俺にそう言ってくる。
「気絶させたのは、優が悪いけど、どうして俺の匂いを、補給しに来たの?」
「雄一さんの幻覚が、見え始めたからです!」
「………はい?」
それってかなり、やばくないか?
「と言うか、皆いないはずの、雄一さんが、見えていますよ」
「優、俺は榎田理事長に、連絡をして、セイレイト女学院を、明日休む事を伝える、東浦学校に行くぞ!」
「兄よ、了解した」
俺は明日、急遽東浦学校に、行く事にした。
□□□
「雄一さん! おはようネ!」
翌日、東浦学校の校門にて、太刀川さんが、俺の名前を呼び、挨拶をしていた。
「これは………」
「重症だな、兄よ」
「私も、幻覚を見ていたんですが、雄一さんを見た瞬間、治りました!」
藤森さんは、そう言う。
「それじゃあ………太刀川さん! おはようございます!」
俺は、大声で太刀川さんに、挨拶をした。
「!?」
太刀川さんは、物凄い勢いで、俺の方を見た。
「ゆういぢさ~ん!」
「うおっ!?」
太刀川さんは、泣きながら、俺に抱きついてきた。
「くんかくんかくんかスーハースーハースーハー」
「またこの展開か!?」
おもいっきり匂いを、また嗅がれた。
「メアリー落ち着け!」
「はうっ!?」
優は、太刀川さんの、脳天にチョップをした。
「何するネ! 優さん!」
「正気に戻って何より」
「私は、最初から、正気ネ!」
「太刀川さん、校門で、俺がいないにも、関わらず俺の名前を言って、挨拶をしていたら、正気じゃ無いと、思われるよ」
「………」
太刀川さんは、膝から崩れ落ちた。
「あれ?」
「兄よ、それは言っては、駄目だ、女の子に、それを言うと、大ダメージだ」
「わ、分かった。太刀川さんごめんね」
「だ、大丈夫………ですよ」
太刀川さんは、何とか立ち上がる。
「千代よ、皆だいたいこんな感じか?」
優が、そう聞く。
「多分」
「そうか………兄よ、全員戻しに行くぞ」
「おう!」
俺達は、校舎の中に入って行った。
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