第174話俺と緊急会議前編
すいません大分遅くなりました。174話です。誤字報告の方、ありがとうございます。
「雄一さん。職員室に、行くなのです! 緊急会議を、するなのです!」
階段を、下りながら、文美さんが、そう言う。
「了解です」
「雄一さん!」
声のした方を見ると、藤森さんが、走って来るのが、見えた。
「良かった無事で」
「無事では、ないなのです! 私が屋上に、行くのが、遅れていたら、雄一さんは、誘拐されていたかも、しれないなのです!」
「そ、そんな………」
藤森さんは、膝から崩れ落ちる。
「えっと………Iさんは、誘拐しないって、言ったから! 後ついて行った、俺が悪いから!」
「それでも、守る対象を、一人にしたら、駄目なのです!」
「………」
止めて文美さん! もうこれ以上、藤森さんを、責めないであげて!
こうなったら………
「藤森さん」
俺は、藤森さんを、優しく抱き締める。
「雄一さん?」
「今日の失敗は、次に活かせば、良いじゃない」
俺は、頭を撫でる。
「でも」
「良いから、ほら立って」
俺は、藤森さんを、立ち上がらせる。
「雄一さん………ありがとうございます」
「何か負けた、気がするなのです」
文美さんが、そう言ったが、俺と藤森さんの耳には、聞こえなかった。
「学園長! ここに………何ですか、この空気?」
川井先生が、この状況を見て、そう言う。
「川井先生どうしましたか?」
「学園長! 緊急会議の、時間ですよ! 雄一さんも、来て下さい!」
「そう言えば、そうだったなのです!」
「それじゃあ、藤森さん。また後で」
「はい!」
俺は、川井先生と、文美さんと、一緒に職員室に、向かった。
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「やっほー、雄一君」
職員室に入ると、如月さんがいた。
「あれ? 如月さん。どうしてここにいるんですか?」
「私が呼んだなのです!」
文美さんが、そう言う。
「なるほど」
しかし、文美さんが、如月を呼ぶのは、意外だ。
「しょうがないから、呼んだなのです!」
「しょうがないって、あん………雄一君。ちょっと失礼」
そう言い、如月さんは、俺の服の袖を掴む。
「如月さん?」
「………雄一君。これ見て」
そう言い、小さい機械を、俺に見せてくる。
「これは、何ですか?」
「盗聴器よ」
「盗聴器ですか………」
初めて見たな。
「おそらく、付けられたのは、肩を掴まれた時かな?」
「文美このくらいの、盗聴器、気づきなさいよ」
「あんたが、気づくかどうか、試しただけなのです!」
二人の間の空気が、悪くなる。
「雄一さん。あの二人は、ほっといて、会議をしましょう」
「そうですね」
文美さんと如月さんは、喧嘩をし始め、それを無視し、会議が始まる。
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