第173話俺と偽造
すいません遅くなりました。173話です。
「雄一さん。私ちょっと、トイレに、行って来ますね、先に食堂に、行っていてください」
「あ、はい」
お昼の時間になり、食堂に向かう途中に、藤森さんが、そう言い、トイレに入って行く。
「さてと、先に行くか」
俺は、食堂に向かって歩き出す。
ガシッ
急に後ろから、誰かに肩を掴まれる。
「動かないで」
「………Iさん、今日は下見じゃあ、無かったんですか?」
「そうだったけど、獲物が一人になったら、捕まえに来るでしょう?」
「………」
なるほどな。
「とりあえず、屋上に向かって、行ってくれる?」
「………」
俺は、言われた通り、屋上へ向かった。
□□□
「それで? このまま俺を、連れていくつもりですか?」
屋上についた瞬間、俺はIさんに、そう聞く。
「それは、不可能よ、連れ出した瞬間、武神とその娘に、気づかれると、思うわ」
「なるほど、もしかして、俺に聞きたい事が、あって、屋上へ向かうよう、言ったんですか?」
Iさんは、頷く。
「俺に聞きたい事って、何ですか?」
「貴方何者?」
「はい?」
どういう意味だ?
「どういう意味ですか?」
「貴方の個人情報が、書かれた書類を、見たけど、明らかに、偽造された形跡があるの」
「どこの部分ですか?」
「家族の部分と、出身地よ」
なるほど。
「まず優は、家族ですよ」
「あら、私まだ何も、言って無いわよ」
「今の家族は、優だけですから」
「なるほどね」
家族については、納得してくれたようだ。
さてと、問題は出身地の方だな。
「さてと、優ちゃんの事は、納得するけど、出身地は、どういう事?」
「どこになっていましたか?」
「西東浦」
なるほど、確かに、俺の出身地では無いな。
というか、ここの世界出身では、無いからな。
「俺の出身地は、西東浦ですよ」
俺は嘘を言う。
「それは、ありえないわ、だって西東浦では、二十年間、男の子が、生まれてないもの」
なるほど、これは困ったなあ。
「そこまでなのです!」
俺が返答に、困っていると、文美さんが、蹴破って、屋上へ入って来る。
「どうやら、ここまでのようね、雄一君、今度会ったら、今の回答、教えてね」
そう言い、Iさんは、消えていった。
「雄一さん。大丈夫なのですか!」
「ええ、大丈夫ですよ。それより、校舎に入って、話をしましょう」
俺は、そう言い、文美さんと、一緒に校舎へ入って行った。
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