第168話俺と優の入れ替わり前編
すいません大分遅くなりました。168話です。
「いや~、朝から雄一君と、一緒に登校出来るなんて、ラッキーだよ」
工場で戦った、次の日、私は由利原さんと、優(文美さん)と一緒に、登校していた。
「優、寒くないか?」
「あ、ああ大丈夫だ、兄よ」
実は今、優と俺は、入れ替わっているのだ。
つまり、優が男装し、雄一の姿になり、逆に雄一が女装し、優になっている。
何故こうなったか、説明すると、昨日神宮寺さんに。
「二人は、顔が似ているので、入れ替わっても、気づかれないのでわ?」
と、言われ実際に、してみる事となった。
まあ、普段女装して、学校に行っているから、余裕だと、思っていたが、実際は、自分の姿をした、優を兄と、呼ぶのは、恥ずかしい。
「じ~」
「ん?」
由利原先輩が、ジト目で、私を見ていた。
「どうしましたか? 由利原先輩」
「今日の優ちゃん、何かいつもと違う」
「そ、そうですか?」
何かいつもの優と、違う所が合ったか?
「由利原さん、どうしましたか? 優はいつも通りだと、思いますが」
兄がそう言う。
「何かねえ、優ちゃんから、何時もの積極性が、感じられないんだよね~」
なるほど………仕方ない。
「………」
私は、無言で兄に、抱きつく。
「やっぱり、優ちゃんは、そうじゃなきゃ!」
そう言い、由利原先輩は、兄に強く抱きつく。
「あの? 二人とも?」
「駄目か兄よ?」
私は、そう言い、兄の顔を見る。
「!?」
顔を見ると、鼻血が垂れていた。
「………由利原先輩、あそこを見てください!」
俺は、適当な所を、指差す。
「えっ! 何々!」
私は、由利原先輩が、見ているうちに、ティッシュを、取り出し、鼻を拭く。
「優ちゃん、なにも無いじゃない」
「すいません。気のせいでした」
何とか間に合った。
「おっはよ~!」
武田先輩が、後ろから、兄に抱きついてきた。
「おはようございます。武田先輩」
「?」
武田先輩は、首を傾げる。
「どうしましたか? 武田先輩?」
「優ちゃん。今日は静かだね」
またまた、仕方ない。
「せい!」
「「「えっ?」」」
私は、正面から、兄へ抱きつく。
「ぐう!」
「「あーーー! 優ちゃんずるい!」」
由利原先輩と、武田先輩が、兄へ抱きつく。
「あなた方、何をしているのですか………」
神宮寺さんが、そうツッコミを、いれるまで、私達は、兄に抱きつき続けた。
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