第162話俺とお昼の生徒会室
すいません遅くなりました。162話です。
「「「………」」」
「あの?」
俺は、お昼休みに、生徒会室へ来ていた。
中に入ると、生徒会長の三人が、睨み合いをしていた。
どうやら、俺に気がついていないようだ。
「何度でも、言いますわよ、祭さん、胡桃さん」
「「何度でも却下します(わ)!」」
何やら、言い争いをしているようだ。
「雄一さんと、お昼ご飯を、食べるのは、私ですわ!」
「「だから、却下です(わ)!」」
「………」
俺は、無言で、生徒会室を出ようとする。
「「「雄一さん。良い所に」」」
三人に、見つかった。
どうやら、出るのは、失敗のようだ。
「雄一さんは、この中だったら、誰と昼食を食べたいですか?」
「私ですわよね? 雄一さん」
「私ですよね?」
三人とも威圧感が、凄い。
トントン
「失礼します。兄は、ここにいますか?」
俺が、困っていると、優が入って来た。
「あら、優さん。どうしましたか?」
「兄と、一緒に昼食を、食べようと、思っていまして、探していたんですよ」
優は、そう言い食べ物が、入った袋を、見せてくる。
どうやら購買で、買って来たようだ。
「残念ですが、雄一さんは、私と昼食を、食べる予定ですわ!」
「そうなのか? 兄よ」
「いや、俺はまだ何も、言ってない」
「そうか、では、教室に行こう」
優は、そう言って、俺の手を掴み、生徒会室を、出ようとする。
「お待ちなさい」
神宮寺さんが、そう言い、反対側の、手を掴む。
「会長、どうしましたか?」
「どうしましたか? じゃあありませんわ! 雄一さんを、しれっと、連れて行かないでください!」
「?」
「いや、優さん! 首を傾がれても駄目ですよ!」
白井さんが、そう言う。
「全く、優さんも、やり手ですわね」
三条さんが、そう言う。
「もう、全員で、食べませんか? お互いを見張る為に?」
俺は、ダメ元で、そう言ってみる。
四人は、顔を見合わせる。
「それしか、無いようですわね」
「今回は、それでいきますわ」
「しょうがないですね」
「うむ」
どうやら四人とも、納得してくれたようだ。
「という事で、食堂へ向かいましょう」
「雄一さん」
神宮寺さんが、話しかけてきた。
「何ですか? 神宮寺さん」
「次は、二人きりで、食べましょう」
神宮寺さんは、俺にしか、聞こえない声で、そう言ってきた。
「分かりました」
「約束ですわね」
「兄よ、どうした?」
「何でもないよ」
俺達は、食堂へ向かった。
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