第105話俺と三条さんの編入
105話です。
「という訳で、今日から合同学園祭までの間、雄一さんに、慣れる為、祭政学園から、来ました! 三条祭ですわ! 三上さん、よろしくお願いします!」
「………」
三上さんは、三条さんを睨んでいた。
劇の練習の翌日、三条さんは、俺が放課後、いる保健室に、来ていた。
「雄一さんも、改めて、よろしくお願いしますわ!」
「はい、よろしくお願いします」
俺と三条さんは、握手をする。
「………」
「あの? 三上さん?」
「………です」
「すいません。聞こえなかったので、もう一度お願いします」
俺は、三上さんに、近づく。
「三条先輩が、羨ましいんです!」
「はい?」
どういう事だ?
「なるほど、雄一さんと、一緒に、劇をするにが、羨ましいって事ですか?」
「そうです! しかも、聞いた話じゃあ、ヒロインですよね、貴女は!?」
「そうですわ!」
「………雄一さん。こんな女の考えた劇に、出るんですか?」
三上さんが、そう聞いてきた。
「そうだね、出るよ」
「………そうですか、じゃあ私、今日は、帰るので」
三上さんは、鞄を持ち、肩を落とした状態で、帰っていった。
三上さん、どうしたんだろう?
「雄一さん。乙女心は、複雑なのです」
いつの間にか、来ていた文美さんに、そう言われた。
「あら、文美学園長、この度は、私の編入を認めて頂き、ありがとうございます!」
「いえいえなのです! 所で、体育館が、使えるなのです! 練習は、どうしますか?」
「もちろん、しますわ!」
「それじゃあ、体育館に、行きますか」
俺達は、体育館に、向かった。
□□□
「きゅう………」
パタリと、三条さんは、倒れた。
「前途多難なのです」
文美さんは、鼻血を出しながら、そう言う。
「文美さん。ティッシュです」
「ありがとなのです!」
文美さんは、俺から、ティッシュを受けとる。
「しかし、昨日と同じ場面で、気絶ですか………」
「でも、鼻血を吹き出していないなのです! 進歩なのです!」
「そうですね」
俺は、気絶した三条さんに、膝枕をする。
「羨ましいなのです」
文美さんが、そう言うが、家で結構やっている。
「はっ!」
三条さんが、起き上がる。
「雄一さん。申し訳ございません!」
「いえいえ、俺の膝枕は、どうでしたか?」
「はい? 膝枕?」
「ええ、床にそのままと、いうのも、気が引けたので」
「もう一度お願いします!」
「却下なのです! 劇の練習を再開するなのです!」
「は、はい!」
三条さんは、急いで、立ち上がる。
「それじゃあ、再開しますか」
俺も立ち上がる。
「では、お手を失礼します」
この後、三条さんは、気絶を繰り返したが、何とか一通り、やり終えた。
合同学園祭まで、残り三週間、それまでには、三條さんは、気絶しないで、やりきれるだろうと、俺は、思った。
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