第97話俺と野球部
97話です。
「お願い雄一君! 要を止めて!」
保健室に、来るなり、武田さんに、そう言われた。
「武田さん。由利原さんが、どうかしたんですか?」
俺は、そう聞く。
「雄一君が、毎日来てる事を知って、抱きつかせろって、荒ぶってて」
「はい?」
どういう事だ?
「あの? 武田先輩、雄一さんが、ここに来はじめて、だいぶ経つと思うんですが、由利原先輩は、知らなかったんですか?」
三上さんが、そう聞く。
「えっとね、要が、この事を知ると、雄一君に、直行して、練習に、ならないんだよね、だから皆黙ってたんだけど、要のクラスの子が、喋っちゃってねえ、それで、今荒ぶってるの」
「なるほど」
確かに、由利原なら、俺に何時間も、抱きつき、練習には、ならなくなるだろう。
「では、行きますか、由利原さんは、何処ですか?」
「グラウンドだよ、今部員の皆が、押さえているよ」
俺は、三上さんと武田と一緒に、グラウンドへ向かった。
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「うお~! 皆、離せ~! 私は、雄一君に、抱きつきに行くんだ~!」
「「「キャプテン落ち着け!?」」」
グラウンドに、行ってみると、由利原を部員総出で、押さえていた。
「由利原さん!」
「雄一君、来たーーーーーーーー!」
「「「うおっ!?」」」
由利原さんは、俺を見つけると、押さえている、部員を突飛ばし、俺に突進して来る。
「よっと」
俺は、突進して来る、由利原さんを、受け止める。
「くんか、くんか、はあ~~~~、雄一君の濃厚な匂い~、ぐへへ、こりゃ溜まりませんわ~」
由利原さんの顔が、蕩けきっていた。
「要、ストップ」
「やだ!」
「やだ! じゃ無いです! セクハラですよ!」
「やだやだやだ! もっと雄一君に、抱きつくの! 匂いも嗅ぐの~!」
「「「いい加減にしろ! バカキャプテン!」」」
三上さん、武田さん、部員の皆さん、総出で、由利原さんを、引き剥がす。
「もう! 皆、何するの!」
「「「それは、こっちのセリフだ、セクハラキャプテン!」」」
部員と由利原の言い争いが、始まる。
「雄一君。迷惑かけて、ごめんなさい」
武田さんが、頭を下げる。
「頭を上げてください、大丈夫です。それに、俺が来たせいで、皆さんに、ご迷惑をかけて、すいません」
武田が、頭を上げ、俺が、頭を下げる。
「雄一君………やっぱり君は、他の男の子と違うねえ」
武田さんが、そう言う。
「雄一さん! 武田さん! 大変です!」
三上さんが、慌てた様子で、声をかけてくる。
「どうしましたか?」
「由利原先輩と、野球部の皆さんが、乱闘をし始めてしまいました!」
見ると、殴り合いが、始まっていた。
「止めに行かないと!」
「そうですね!」
俺は、三上さんと、武田と一緒に、乱闘を止めに行った。
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