第93話俺とかくれんぼ後編
93話です。
ちゃららららん!
「よし、三分経ったな、探しに行くか」
俺は、そう言い、目を開けて、二人を探し始める。
「まずは、この部屋に、入るか」
俺は、手前の部屋に入る。
「はい?」
部屋に入ると、たくさんの大きな箱があった。
「………中を見てみるか」
俺は、一番近くにある、箱を開ける。
ハズレなのです!
箱には、そう書かれていた。
「………全部開けてみるか」
俺は、箱を開けていく。
□□□
「これで、最後か」
もう何個開けているか、分からないが、最後の箱を開ける。
お疲れ様なのです!
「いや、絶対どこかで、見てるでしょ!? 文美さん何処ですか!」
言っても、しょうがないが、俺は、思わずそう言った。
「次の部屋に行くか」
俺は、部屋を出る。
「さて、次は、隣の部屋………は、辞めといて、二つ先の部屋を、見てみるか」
俺は、二つ先の部屋の前に行き、扉を開ける。
「子供部屋?」
部屋に入ると、おもちゃやお菓子が、たくさんあった。
「全く、踏んだら、壊れますよ」
俺は、しゃがんでから、そう言って、おもちゃとお菓子を、片付け始めようとするが。
「………いかん、今は、かくれんぼ中だ、二人を探さないとな」
俺は、立ち上がり、周りを、見る。
「ん?」
一つだけ、違う色の壁があった。
「怪しい」
俺は、下に注意しながら、壁の前に行く。
「えい!」
俺は、壁を押す。
「進めるな」
真っ暗で、先まで、見えないが、階段がある。
「懐中電灯を持ってくるか」
俺は、そう言い、部屋に懐中電灯を取りに行く。
□□□
「長いな」
俺は、懐中電灯を、手に持ちながら、そう言う。
階段を降りはじめて、もう十分位経つだろうか?
「お! 扉が、あるな」
どうやら、一番下に、ついたようだ。
「開けてみるか」
俺は、扉を開ける。
「完璧なのです!」
「お兄ちゃんへの、お礼完成!」
俺が、扉を開けると、そんな声が、聞こえてくる。
「あ! 雄一さん!」
文美さんが、俺に気付き、近づいてくる。
「二人とも、かくれんぼは?」
「お兄ちゃんに、内緒で、クッキーを作るための、嘘だよ、ごめんね」
彩夏ちゃんが、そう言い、クッキーの、入った袋を、渡してくる。
「えっと、嘘ってどういう事?」
「実は、今日彩夏さんが、来ることは、お姉さんから、連絡があったなのです!」
文美さんが、そう言う。
「私が、お兄ちゃんに、この前のお礼がしたいって、言ったら、クッキーを作ったらどうだって、お姉ちゃんに、言われたの!」
「なるほど」
かくれんぼは、クッキーを作るための、時間稼ぎか。
ということは、俺、結構二人を探してたって、事か。
「ありがとう、二人とも」
「「どういたしまして(なのです)!」」
俺は、文美さんと彩夏ちゃんと一緒に、クッキーを食べた。
味は、フルーツの甘味が、口に広がり、とても美味しかった。
「また来るね、お兄ちゃん! 文美さん!」
彩夏ちゃんは、クッキーを食べ終わると、帰っていった。
「さて、雄一さん」
「何ですか文美さん?」
「お話の続きなのです!」
「え? ちょっ!? 文美さん!?」
彩夏ちゃんが、帰ることを確認した文美さんに、俺は、夜遅くまで、お話させられた。
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