第8話俺男の姿で会います
第8話です。
「これで良し」
学園長を追い出した後俺は急いで着替えた。
「さて行くか」
俺は学園長の部屋を出た。
「………」
優(学園長)が体育座りをしながら、頬っぺたを膨らませていた。
「がく………じゃなかった優行くぞ」
俺は優の手をつかんで立ち上げようとしたが一向に動かない。
「優?」
「今すっごい機嫌が悪いなのです」
「………はい?」
というか俺と似た顔でなのです何て言うな!
「いいじゃない着替えくらい! 減るもんじゃないなのです!」
「いや恥ずかしいだろ!? というか早く行くぞ優!」
「お兄ちゃんが抱きしめて、撫で撫でしてくれるまで動かないなのです!」
「あんた面倒くさいな!?」
仕方がない。
「優おいで」
「わーい!」
優が胸に飛び込んできた。
「良し良し」
「ふふん」
見るからに機嫌が良くなっていた。
「さて二人が待ってるそろそろ行くか」
「………あっ」
撫でるのを止めたらめっちゃ切ない顔をされた。
「またしてあげますから、今は行きましょう」
「! 約束だお兄ちゃん」
俺と優は二人が待つ居間に向かった。
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「すまない二人とも遅くなった」
「「はよ、はよ、はよ!」」
二人とも言葉が残念になっている。
大丈夫かこれ?
「落ち着け二人ともその調子だと兄には会わせんぞ」
「「ごめんなさい」」
男に会わせない=パワーワードかここの世界は?
「それじゃあ兄よ準備はいいか?」
「ああいいぞ」
「「ごくり」」
言葉に出して言うんかい。
ともかく中へ入る。
「「!?」」
二人は口をあんぐり開けていた。
というか藤森さんは写真で見ただろ。
「初めまして坂本雄一だ優がお世話になってるみたいだな」
そう言って俺はお辞儀した。
「「………」」
「あの? 二人とも?」
「「ブーーー!?」」
「「うおっ!?」」
藤森さんと太刀川さんは大量の鼻血を噴き出した。
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「二人とも大丈夫か?」
「ばい」
「だいじょうふでずヨ」
鼻にティッシュを詰めているためか発音が、少しおかしいが大丈夫のようだ。
「良かった鼻血が出たときにはどうなることやらと思ったよ」
「安心しろ兄よ女は鼻血ごときで死ぬような、体の作りにはなっていない」
いや結構鼻血出てたぞふと二人を見ると………泣いてる!?
「どうした二人とも!? 何処か痛いのか!?」
「いえひっく………男の人に優しくされるなんて初めてで………ひっく」
「そうですヨひっく………こんな優しい男の人初めてデ」
よっぽど酷いようだなこの世界の男はなら俺は。
「「ふえっ」」
俺は二人を優しく抱きしめ頭を撫でた。
「辛かったな二人とも」
「「う、う、うわあぁぁぁ~ん!」」
そう言うと二人は泣き出した。
二人が泣き止むまで、俺は頭を撫で続けた。
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