幼女の歓喜
「魔法の証明」より21年余り
人類にとって魔法は常識となっていた。
宗教的に受け入れ難かった者も
テストで赤点を取る者も
アフリカの貧しい子供たちさえ、
当然のように魔法を行使した。
様々な問題を抱えつつも魔法は着実に
人類にとって、必要不可欠なものへと変わった。
放射能への耐性も世代を経るごとに
耐性が強くなり大規模な魔法が
行使可能となっていった。
それに比例して年々、
魔法による犯罪が増加し
国が対応に追われていた…。
「と、まぁここまでが
ヒトが魔法を使えるようになった経緯さ。」
「なぁ、新?誰と話してんだ?」
「ん?親愛なる読者の皆様に経緯の説明をだな…」
「ふーん、そんな事よりさぁ!
明日の7/30は俺のカノジョの誕生日なんだわ!
何をプレゼントすればいいかなぁ~エヘヘへ」
「おいおい…キモいぜ?光彦…
公共の場でその顔は止めろとあれほど…」
「いいーじゃねぇーかよ!
俺がデレちゃいかんのか!?」
「だからキモいって!」
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コイツは"芦垣 光彦"同級生の友人だ。
ちなみに俺は"大葉 新"警官を夢見る青年さ!
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「そんなこと言わないでくれよ~
こちとら真面目にプレゼント考えてんだ。
お前も考えろや。」
「はぁ!?俺にそんな義務な…」
そのとき、突然目の前が吹き飛んだ。
何が起こったのか理解が追いつかない
さっきまでだらしない顔を晒していた光彦が
周囲の環境ごと跡形もなく消えていた。
「み…光彦?おい何処だよ!
冗談言ってる場合じゃねぇよ!」
返事は帰ってこない。
「…嘘…だろ?」
膝から崩れながらも、
光彦を探し、辺りを見回していた俺の耳に
場違いな幼女の声が聞こえた
「あぁ、素晴らしきかな我が人生ッ!」
ふと我に帰り、声のする方を見た新は
想像を絶する光景と変わり果てた光彦の姿を
直視できず、直ぐに目をそらした。
「これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ
これは夢だこれは夢だこれは夢だ」
呪文のように何度もそう呟いた
すると、突然目の前が真っ暗になった。
やっぱり読みづらいですか?