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可愛い娘にはギャグをさせろ  作者: 雪村宗夫
16/17

勇者タカハシ

目が覚めた、多分朝6時。

俺は毎朝6時に目が覚める。

低血圧だが確実に目覚し時計より先に起きるのだ。

目覚し時計のアラームが鳴る前にアラームを解除する事で目指し時計に勝利し、

延いては時を司る神クロノスに、更には眠りの神ヒュプノスに勝利したと確信した後で2度寝する。

これがこの俺、相良もとい勇者タカハシの朝である。

しかし今朝の俺には違和感があった。

2度寝する為に必要な、柔らかな布団が感じられないのである。

それ以前に首の位置がおかしい、俺はここまで高い枕は好きじゃない。

「うぁ〜?」

あくびしながら両腕を伸ばす。

突然顔面を襲う激痛。

「が!?」

鼻が痛い!顔を押さえて悶絶。何!?何が起きた!?

思い出した!俺昨日異世界魔族と揉めてた!!異世界魔族の逆襲だ!!

慌てて飛び起きる。もちろん右手を床に付けつつ左手で空を牽制するポージングでカッコよく決める。

「来るなら来やがれ!!」

決め台詞、寝起きでイマイチだったか。もっと余裕ある感じでいくべきだったか。

周囲を確認、魔族は居ない。どうやら台所のようだ。

台所?

蘇る記憶。

麦茶おでんを喰わされた挙句、ギャグで吹き飛ばされた俺。

自分の寝ていた場所を見るとタライが転がっている。何処の世界もいつの時代もオチは金タライか。

いやまてーい!春菜さん、いやマリコデス!

自分で吹っ飛ばした俺を放置!?介抱するよね普通!!

マジですかマリコデス!たまんねーなマリコデス!

とりあえず魔族の襲撃じゃない事は確定したので落ち着いて自分の体を再確認。

全身が痛い。

壁に激突した後一晩床で寝てたら体も痛くなるわな!!

マリコデス何処行った!?ベッドまで運べとは言わん!せめて布団位かけろ!

怒りのままキッチンを出る。2階か?2階に居るのか?チクショー!

怒りの勢いで階段を上って行く、中央の階段踊り場で足が止まる。

これって寝起きを襲う事になるのかな??

俺はクールビューティな男子で売ってるのに、女子の寝てる部屋を怒りに任せてノックしまくるって俺のキャラじゃないよな!?

落ち着け俺、俺はクールなキャラだ髪を掻き分けながら「フッ」って笑うキャラなんだ。

怒りに任せて女子の寝室襲うキャラじゃない!

「あー、ヤマダおはよう」

「ヤマダじゃねーよ!?タカハシだよ!?誰よヤマダ!?つか俺名前忘れられるその程度の存在!?

タカハシ本名じゃないのが救いだけど!!」

階段の上にマリコデスが目をこすりながら立っていた。相変わらず見た目だけは可愛らしい。

ど真ん中のストライクな見た目だ。見た目だけはな!!

「あー、そうだった。タカハシごめんごめん」

マリコデスはぶかぶかのパジャマを着ている。俺が昨日ノックアウトされる前に渡しておいた物だ。

可愛い。見た目だけはどストライクだ。見た目だけはな!!

「昨日、俺キッチンで飛ばされた後の記憶が無いんだけど」

どういう事か説明してもらおうかマリコデス。

「あー、タカハシいきなり寝ちゃうからびっくりしたよ。意外にイビキとかかくのね。しょうがないから部屋に運ぼうとしたけど私には無理かなぁーって思って私も寝る事にしたのかな?」

説明になってねー!!しかも疑問形で終わってるし!!俺に聞くな!!

イビキってそれテメーの攻撃で呼吸困難になってたんじゃないのか!?

「そうか、それじゃあ仕方ないね」

チクショー!!パジャマ可愛いから文句言えねーよ!!

つか俺はクールキャラだった筈なのに全然クールじゃねーよ!?

「タカハシ今日の予定は?」

テメーに吹き飛ばされないよう気を付けつつ神さまが面白おかしく感じてくれるイベント待つだけだよ!!

「そうだね、とりあえず街の散策でもしてみようか。朝ご飯も食べたいし」

「おけー!じゃ着替えてくる!あータカハシも制服のまま寝るのは汚いから寝る時位はパジャマ着た方が良いと思うよ?」

部屋へと戻るマリコデスの後ろ姿を見送りつつ思った。

テメーにノックアウトされたから制服のままなんだよ!!

のんびり過ごして油断してました。

まさかレビューされるとは!?

頑張って働きます!

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