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4. うちのペットとご飯

滞りなく?ペットの命名式が終わり、休憩のティータイムです。

私は、アールグレイに砂糖を少し入れて、大家さんに頂いたクッキーを食べています。

隣では、何種類かの牧草を並べて、味の違いを見極めている様です。


 ※兎の味覚は、人間よりも優れていて、食通らしいです。(8000種類の味覚?)

  気に入った味しか食べなくなったりするらしいので幼少期の教育が大事だとか?


「今日は、これね。 歯応え、味、香りとどれを取っても今日がピークのようね。」


ヤバイです。 兎が食通とは、聞いて今しがた喋る兎の反応がこれほどとは・・・・、食事の度にミシュランガイドに載っているお店のウエイター張りの緊張感が待っているのかと思うと怖くて仕方ありません。


「そんなに見つめてどうしたの? ハッ! これは私の牧草よ! 上げないわよ!!」

「いらないです!」

「そうれはそうと、そのクッキー私にも食べさせてくれないかしら?」

「人間の食べ物は、動物には、塩分とか多すぎて与えたらダメだから。」


 ※動物に人間の食べ物は、与えたらダメというのは、知られていますが兎は、その優れた味覚と甘党な為、中毒的にそれしか食べなくなったりするらしいので絶対に与えてはダメらしいです。

 (下手したら食わず嫌いで餓死する事も?)


「大丈夫よ、私は、喋れるのよ?」

「あ~、あ?」


さらっと言われたから納得しそうになったけれど喋れても兎は、兎でした!


「ダメだよ! 病気になったらどうするの?」

「そんなこと言わずに一枚だけ? ね?」

「飲んだくれのオヤジか!」


この子の健康の為にも心を鬼にして、接しなければなりません。


「これだからケチなオバタリアンは、困ったものね。」


体まで鬼になってしまいそうです。




私が座禅を組んで心を落ち着かせていると慌てた様子のピョニッコがやってきました。


「大変よ! 私とした事が忘れていたわ!!」

「どうしたの!?」

「今日の分のペレットやオヤツを選ぶのを忘れていたわ!!」

「え? ペレットは、高いの1個しか買ってないでしょ?」

「!? 何で1個しか買ってないの!!?」

「買う時、一緒にいたよね!?」


「しかたないわ。 ペレットは、それで良いとして、オヤツを選びましょう。」

「オヤツって言っても何もないよ?」

「大丈夫よ。 冷蔵庫の野菜室のモノを見せて欲しいわ。」


そう言われて、私は、ピョニッコをブラ~ンと抱えて、野菜室を覗き込ませました。

クンクンと鼻を動かせて、野菜室を眺めています。


「ふむふむ、奥のレタスは、もうダメね。 捨てた方が良いわ。 隣のニンジンは、葉が伸び始めてるから今日の晩御飯に使った方が良いわ。 上のピーマンは、もう少し待った方がより美味しくなるわね。」


まさか、こんな特技があったとは・・・。

私には、埋もれていて全く見えない野菜室の奥の状態を匂いだけで判別している様です。


※兎の嗅覚は、人間よりも優れているらしく約10倍ほどあり、匂いで食べ物はもちろんの事、危険性や相手の性格まで判断する事ができるそうです。


「あら、このセロリ凄く個性的に育っているわね。 これに決めたわ。」


セロリ自体が個性的なのにその中でもさらに個性的な個体なのだろうか?

人間の私には、さっぱり理解できない領域でした。




そして、そのセロリを食べる時は、口に近づけたり離したりと繰り返しながら食べていました。


「むっは~、この匂いと苦みがたまらないわね。」


まるで酒のつまみにサザエを食べるオヤジの様なコメントを言うピョニッコ。

この子の中におっさんがいない事を願うばかりでした。

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