番外2. 今日のハラハラ
とある会社の非常階段で会話をしているのがセクハラ(45才)♂、パワハラ(37才)♂。
いつも仲良しの2人は、今日も一緒にいるようね。
なんだか楽しい雰囲気ではなく、真剣な表情でそらを眺めているわ。
「係長、宮園のペットが現れてから俺達の人生が大きく変わった気がします。」
「そうだな、係長と主任の私達があのオフィスでは、一番偉いはずなのに隅に追いやられ陰口をたたかれているな。」
「このままどうなるんでしょうね?」
「どうなるんだろうな。」
どうやら2人は、会社の待遇に不安があるようね。
そんな2人にサプライズを用意したのよ。
一旦それぞれの家へと帰った2人と家族にも、もちろん秘密にしてあるわ。
「ただいま。」
「あなた、これは、どういう事かしら?」
「ん? 何がだ?」
手渡された雑誌、週間フリャイデーには、『大手企業○○商事の社員、女性社員にせまる!』と書かれて、写真が掲載されてあったわ。
そう、これが2人へのサプライズよ。
「ち、違うんだ!」
「何が違うのよ?」
「この女性社員のペットが俺達をバカにしたんだ!」
「は? 何を言っているの?」
「信じてくれ!」
「パパ、サイテ~。」
マンネリ化した仕事へのサプライズに驚いた2人は、連絡を取り合い一目につかない場所でこの出来事をお互いに話あっているわ。
2人がいる格安ホテルの一室を覗いて見るわ。
「どんどんと大変な事になっていませんか?」
「そうだな、子供からも白い目で見られて、どうやって誤解を解いたものか。 ・・・・!?」
2人がいる部屋の何気なく付けていたテレビに釘付けになったようね。
『ニュースをお送りします。 フリャイデーで取り上げられている○○商事の社員に任意同行を求めようと警察が自宅にいくとすでに逃走していたとの速報がはいりました。』
「「・・・・。」」
「ハハハ、大事になってますよ?」
「年末年始に家にも帰れなくなってしまったな。 どうしたらいいんだ?」
「俺達は、悪い事してないんだからどうどうと警察に事情を話ますか?」
「いや、女性問題の冤罪は、立証が難しく時間がかかるからどちらにしろ社会的に不味い。」
『『あなた、大人しく自首して! 私達は信じているわ!!』 と新年を迎えようとしているさなか、必死に家族の方達も何処かで見ているであろう容疑者へメッセージを送っています。』
「「まったく信じてないじゃん!!?」」
仲良し2人の年越しは、サプライズの御陰で新鮮なモノになったようね。
年末年始も一緒だなんて本当になかよしね。