13. うちのペットのクリスマスレクチャー?
退職?したことにより仕事から解放され、気が緩んだのかもしれませんね。
お昼までぐっすりと寝てしまいました。
「う~~~ん、良く寝た~。」
頭が覚めて来るのと同時におかしな事に気づきました。
いつも騒がしいピョニッコとお世話をしてくれる大家さんがいません。
あ、ラップされたご飯の横に書置きがありました。
大家さんは、気をきかせて起こさなかったようです。
大家さんの書置きの横にもう一枚書置きが置いてあります。
ピョニッコは、気をきかせて起こさなかったようです。
『今日は、ゆっくりしてください。 ご飯は暖めて食べてください。 フフフ。 by大家』
『寝ている今がチャンスだわ。 お弁当持って遊びに行って来るわ。 グフフ。 by大家』
あの兎、一人で遊びに行ったようです。
早く準備済ませて、ピョニッコを探しに行かないと。
※兎を外で飼っていたりすると柵をしていても穴を掘り、逃げ出したりするそうです。
※家の中でも野生の習慣で畳を掘ったりするそうです。
いつもは、職場にいる時間帯にご近所を歩くのは、新鮮な感じがします。
ピョニッコ探しが無ければもう少し、素直に喜べるところでしたが。
公園に近づくと聞き慣れた声が聞こえてきました。
ピョニッコが子供達と話をしているようです。
「サンタなんているわけないよ!」
「サンタさんは、いるってお母さんが言っていたもん!」
「サンタさんは、居るもん!」
「嘘だ~! 去年ず~っと起きてたけど来なかったもん!」
「サンタさんは、良い子にしてないと来ないのよ! ねぇ、ピョニッコ先生?」
「そうよ、サンタさんは、寝ている良い子の所にしかこないのよ。」
「「「「なんで~??」」」」
「皆は、サンタさんに会ったらお話したくなるわよね?」
「「「「うん」」」」
「でもサンタさんは、皆にプレゼントを配らなくてわいけないわ。 お話していたら次の子の所に行けなくなっちゃうのよ。」
おお、ピョニッコが子供達に夢を与える話をしています。
というか、子供達に先生って呼ばれていたんだ・・・・。
「でも、お話しなくても皆の家を一日じゃ回れないよ?」
「「そうだ!そうだ!」」
「フフフ、サンタさんの相棒のトナカイさんをなめてはいけないわ。 流れ星の速度で移動できるのよ!」
「「「「!!?」」」」
「で、でもそんなに早く動いたら危ないよ?」
「大丈夫よ、あの真っ赤なお鼻は、ライト機能だけじゃなく、バリア機能も付いているのよ!!」
「「「「トナカイすげ~!!」」」」
うん、途中から話がどんどん変な方向に進んでいますね。
「さらにサンタさんには、部下もいるのよ。 ミオがお願いしていたトレーニングジムも商店街の中に建設中よ。」
「「「「サンタさんすげ~!!」」」」
何やってんの、サンタさん!!?
「でもサンタさんは悪い子は、誘拐し、その家の財産を奪っていくのよ。」
「「「「ゴクリ。」」」」
「ジングルベルがジングルヘル変わった時、刑が執行されるのよ。」
ガクガクブルブル
ああ、とうとうサンタさんが魔界の王と合体しちゃいました。
って、そろそろ止めないと。
「ピョニッコ、怖い事教えないの。」
「出たわね! 魔王!」
「誰が魔王か!!」
「おば、・・・・お姉ちゃん、僕達食べても美味しくないよ;;」
コクコク
「いや、食べたりしないから。」
子供達の誤解を解く事に小一時間かかり、最後は、お菓子を上げたら納得してくれました。
そして
「ピョニッコちゃん、何処に行くのかな?」
「チッ、見つかってしまったようね。」
こそ~っとフェイドアウトしていこうとしたピョニッコを見逃すわけにはいきません。
ピョニッコを捕まえて、子供達に見送られながら公園を後にします。
この後、家に帰って説教タイムが待っているのだから。
私は、知ることはなかったのですが『悪い子には、ナオさんがくるぞ~。』という、躾けがご近所さんで語り継がれたとかなんとか。