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11. うちのペットがマッチョに!?

今日の職場での私。

上司にどう説明したものかと悩み、仕事は、慣れた両手に任せて、思考は、言い訳をひたすら考えていました。

正直に話した所でバカにされ相手にされないでしょう。

一身上の都合でと言っても辞めさせてもらえないのは、目に見えてます。

そして、言いだせないまま帰宅する事になったのです。


「はぁ、ただいま。」

「お帰りなさい。 ナオ見て! これがフロントダブルバイセップス(両腕を上げて筋肉モキッ!)よ。」

「は?」


精神的に疲労して帰って来た私の目に飛び込んで来たのは、変なポージングを決めているピョニッコでした。


「・・・・どうしたの?」

「はぁ~、ナオは、全然分かっていないわ。」


何故か非常にがっかりされ、変なポーズからヤレヤレと言った感じのポーズに変わりました。


「私決めたのよ。 ミオと一緒に世界一のボディービルダーになるって。 その為に練習しているのよ。」


私の疲れた脳には、この子が何を言っているのか全く理解できません。


「と、とりあえず、ミオちゃんを変な世界に巻き込まない様にね?」

「何を言っているの? ミオは、やる気よ。 サンタさんへのクリスマスプレゼントにトレーニングジムをお願いしたって言っていたわ。」

「止めてあげて! サンタさんのお財布は、0よ!」


私は、疲れている場合じゃないと急速に頭を回転させて、ツッコミを入れました。

このままじゃ、ミオちゃんのご実家が大変な事に。


「ナオもこっち来て、一緒に練習するのよ。 今日のお散歩トレーニングは、これにするわ。」

「私は、ボディービルダー目指してないから!」


拒否する私の袖を引っ張り、リビングへと連れて行くピョニッコ。

そこには、DVDで再生されているボディービルダーショーと兄貴や姐御と呼びたくなるような人達が載っている雑誌が散乱しています。


「あれがサイドチェスト(腕を腰の前で掴みキュイ!)よ。 さぁ、一緒にやるわよ。」

「だから私は・・・・」


それからみっちりとポージングの指導を受けました。

この前までボディービルダーの存在すら知らなかったピョニッコ先生がすでに玄人ばりな知識を得ていました。


「これがモストマスキュラー(両腕を前傾姿勢で出しムキ!)よ。」

「こ、こうかな?」

「ごめんなさい、夕食作るの遅くなっちゃ・・・・何しているの?」

「ち、違うんです! こ、これは、その・・・・」


なんたる羞恥、ピョニッコ先生に言われるがままにやっていたマッスルポーズを大家さんに見られてしまいました。

恥ずかしさに悶えながら突っ伏する私。


「ふふふ、分かっているわよ。 気にしないでご飯にしましょう。」

「そうよ、恥ずかしがる必要はないわ。 今日始めたばかりなんだから練習すれば、もっと上手になるわ。」


違う!そこじゃない!! そこで恥ずかしがっているんじゃない!!

とツッコミたいけど今の私には、突っ伏するしか出来ませんでした。


ご飯を食べ、お風呂にも入り、さっぱりしたところで思いだしました。

上司に何て言えば良いのか考えてなかったー!!

ボディービルダー事件の事で頭一杯になっていました。

というか、あのDVDや雑誌は、何処から出て来たんだろう?

もう、いろいろ混乱しすぎて考えがまとまるはずも無く。


「もう、いいや寝よう・・・・。」


私は、ふて寝する事で問題を先延ばしにしたのでした。

先の事など知る由もなく。


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