第1章 1話
プロローグを読まれた方はわかるでしょうが一応・・・えっとですね。
プロローグで妹死にます。
ザックリですけど・・死にます。
導かれるままに
それから数ヶ月が過ぎ僕の人生は大きく変わった。
妹がいない日々がこんなにも辛いことだとは思ってもいなかった。
ニュースの報道は減り犯人は逃走しいまだに見つからないしまつ。
こんな地獄のような現実を突きつけられて僕の心は完全に崩壊の道を歩んでいた。
『ピンポーン』
インターホンが押され呼び音が鳴った。こんな朝早くに迷惑極まりないが用があってインターホンを押したのだろうと思い出ることにした。
「はい。どちらさまですか?」
「あ、すみません。朝早くにごめんなさい。大越優くんのクラスメイトの花待楓といいます。優さんが最近学校に来ていないので心配で迎えに来てしまいました。」
「あぁ、楓か。ごめんね。僕は今学校にはちょっと・・・」
そう言うと僕の幼なじみは心配そうな顔でインターホンのカメラを見た。彼女の家と僕の家は名家であり、昔から親しげな仲であることで有名だ。彼女と知り合ったのは父に長男としての挨拶をしに行った時・・・だったかな。
「そっか、でも。優くん、ちゃんと学校に来てね。私心配でしかたなくて・・・」
「うん。わかってるよ。ちゃんと行くよ。ただ、今は心に余裕がないんだよ。」
彼女はすごく心配症だ。だが、その優しさに助けられることも昔はよくあったかな。
「うん。わかってるけど・・・・・。ねぇ、優くん。今日学校が終わったら優くんのお家行くから、お話くらい聞かせてくれないかな。」
「・・・・・・・・・わかった。夕方の予定はあけておくよ。」
「うん!わかった。じゃあ、学校が終わったらすぐ向かうね。」
そう言うと彼女の顔は少し安心したようで笑顔になり彼女なりの優しさのこもった返事をしてくれた。
それから僕はやることも無いので少し仮眠を取ることにした。普段は眠るのには時間がかかるのだがここ最近心が休まらず落ち着いて睡眠を取れていなかったっためすぐに深い眠りにつくことが出来た。
「ここは・・・どこだろ。」
僕は寝たはずなのになぜか知らないモニタールームに居た。
そのモニターを一つ一つ目で確認するかのように見ているとある一つの画面が目に止まった。
「・・・・・・・・・これは、なんなんだ。」
僕はそれを見た時言葉を失った。なぜかと言うとそこにはもう居ないはずの日向が眠るように横たわっていたからだった。彼女の周りには数人の人間が立っており1人1人の顔を確認しようとしたがある1人の人物を除いて顔をモヤがかかっていた。モヤがかかっていることに普通は疑問を覚えるのかもしれない。だが、そんなことはどうでも良くなるくらい信じられないものを優は見てしまったのだ。 ただ、その人物は見覚えのある顔の人間だった。
「・・・嘘だろこれ。・・・なんでこの人が僕の夢に出てくるんだ。」
そこに居たのは僕に電話をかけた医者だったのだ。
「大越優さま。お待ちしておりました。」
「・・・誰だ?」
僕がモニターを見ているとある女性が声をかけてきた。
「私は、境界の巫女。羽島美鈴ともうします。」
彼女は律儀にも自己紹介をしてきた。ただ、疑問になる点があった。
「・・・巫女?どういうことだ?それと境界ってなんのことなんだ?」
「はい。私は巫女でございます。この境界を見守り守ることを目的としてここで永遠の時を生きながらえる巫女でございます。」
永遠?守る?どういうことなんだ?境界とはなんなんだ?とりあえず聞いて見なければわからないか。
「いろいろと質問したいんですが・・・とりあえず一番聞きたいことをきいてもいいですか?」
「はい。もちろんです。」
「美鈴さんが言っている境界とはなんなんでしょうか?」
「境界とは、夢を渡って行くことが出来る死界と生界の狭間のことでございます。皆様が普段眠った時に見る夢は記憶の整理を行っている時に見ますが、眠りについた後ここの世界に来れる者はなんとおっしゃいましょうか。そうですね、選ばれた者達とでも言いましょうか。恨みや憎しみ、そして悲しみを強く持ち死を恐れないものがこの狭間に来れます。優さまは妹ぎみを亡くされてその犯人に対する恨み、憎しみ、そしてそれを叶えるのならば死をも恐れない覚悟がございます。ですのでこの世界に選ばれたのだと思います。」
「・・・なるほど。境界についてはだいたい理解できました。じゃあ、このモニターはなんですか?」
「はい。このモニターに映っているものは、あなたが恨むべき者達でございます。顔にモヤのかかっていない者は1度はどこかで出会っている者達でございます。彼らはあなたの妹ぎみを計画的に殺害した者達なのです。」
・・・何を言ってるんだこいつは・・そんなことあるはずがない。だって、僕にわざわざ連絡を入れ来てた医者が映っているんだぞ?んな事があるのか?
「・・・優さま。現実を受け入れるのには時間がかかってしまうかもしれません。ですが、あなたには時間が無い。あなたはここの世界に来てしまった。ですので選ばなければいけない。『力を手に入れるか。』それとも『すべてを忘れ、恨み憎しみを消すか』です。どうされますか?」
僕はなにも理解してはいなかった。だが、美鈴さんが出した選択に僕は考える必要はなかった。
「美鈴さん。僕にこいつらを殺せる、妹をたすけられる力を下さい。」
「・・・わかりました。優さんの恨み憎しみを受入れましょう。優さんが起きればもう力は目覚めています。どんな力かは解放してみないとわかりませんのでそちらはご了承ください。」
「わかりました。美鈴さん。ありがとう。」
「いえいえ。これから共に時間をすごす者です。当然の事ですよ。」
共に・・・時間をすごす?僕はその言葉に疑問を覚えながら境界の世界での意識が薄れ始め僕は生界へ戻ったのだった。
※※※※
「んっ・・・もうこんな時間か」
目覚めて時計を見て見ると、時計の針は13:30を回ろうとしていた。
「・・・とりあえず昼食を取らないと。」
そう思い立ち上がろうとした時膝に重みを感じ僕は毛布をまくり上げた。するとそこには夢の世界で出会った美鈴さんが寝ていた。
「え。どうしてここにいるんですか?それよりもなぜ僕の膝で寝てるんですか?」
「んっ・・・もう、朝か?」
そう言い寝ぼけながら美鈴さんは目を覚ました。
「いや、もうお昼ですよ。それよりも、なぜ美鈴さんがここに居るんですか!?」
「どうしてと聞かれても・・・君は私と契約を交わしたではないですか。」
契約・・・?思い当たる節が・・・あぁ、あったな。いや、でも。契約をしたからって何故ここに??
「あの時、君に力を貸す代わりに私は君と生きなければならない契約を交わしたのだよ。」
「・・・もし、仮にその契約が事実だったとしても生界に来る必要はあったんですか?」
「あぁ。あったさ。君に力を貸すことによって私達は命を共有する必要があったんだよ。」
「それってつまり・・・」
「御察しの通りだが、君が死ねば僕も死ぬ。その逆もしかりだ。だから私は君を守らなければならない。」
その意見は間違いではない。だが、死ぬような自体なんてそんな、大げさなことが有るのだろうか・・・。僕が今、大事件に巻き込まれてるわけでもないのに。
「君は私との契約で能力を手にいれた。だが、この能力を持ったことによって君にはいくつかの縛りがもうけられた。」
「・・・縛り?」
「あぁ、縛り。まず一つ目の縛りだが、先程も話したようにお互いの命の共有だ。これは先ほど話したから説明は省く。二つ目は私がそばにいなければ能力を発揮できないこと。」
「・・・美鈴さんがそばにいないと発揮できない?」
「そういうこと。まぁと言っても境界の人間が近くに居るのならある儀式さえおこなえば能力を使えるんだけどね。」
「え・・・美鈴さん以外にも境界の人っているんですか?」
「いるよ。私と同じような巫女が何十人かね。」
美鈴さんのように特殊な力を与えてくれる人がいるのか・・・みんな恨みを持っているんだろうか。
「まぁ、ともかく話を戻すけど三つ目の縛りは、強い恨みを必要とするということ。これは、能力の・・・なんと言うか・・動力源みたいなものね。」
そんな適当な感じでいいのだろうか・・・美鈴さんも理解してないようだけど・・・
「優さん。なんか、失礼なこと考えてない?」
「い、いえ。大丈夫です。真面目に考えてただけですよ。」
心読まれてた・・・美鈴さんこんなに怖い顔するのか。。
「・・・わかった。とりあえず、優さん。手を貸してくれる?」
「あ、はい。わかりました。」
「ありがとう。は〜んっ・・・ふっ、はっはぁ・・・んむ。」
「っっっ!!!」
え・・・そう思った時には美鈴さんが手のひらを甘噛みしながら舐めていた。
「・・・みっ美鈴さん!!何してるんですか!!」
「もうしゅこし・・・んちゅ・・はぁはぁ待って・・ちゅ・・・はむ・・・ちゅ・・・んっ・・・・・・はい、終わった。」
「・・・終わったって・・何がですか!!?さんざん手・・・舐めてただけじゃないですか」
「何を言ってるの。これが儀式よ?」
美鈴さんは平然とした顔でとんでもない事を言った。これが儀式って・・・手を舐めるのが?あれが毎回とか・・・絶対慣れないな。
「優さん。とりあえず、手を前に出して手の甲から何かを出すことをイメージ下さい。」
美鈴さんが何を言ってるのか考える余裕は僕にはなく、僕は美鈴さんの言うとうり手を前に出してイメージするため目を閉じた。すると・・・
『ドンドン』っと鼓動が変に動くのを感じて僕は慌てて目を開けた。するとそこには広辞苑のような分厚い1冊の本があった。
「・・・これはなんなんでしょうか美鈴さん?」
驚きもせず普通に美鈴さんに聞こうと美鈴さんの方に顔を向けた時美鈴さんの顔は驚いていた。
「美鈴さん?どうかしました?」
「い、いえ。どうかしたというか・・・なんと言うか。信じられません。あなたがこれを元から持っていたなんて」
「この本ってなんかすごいんですか?」
「すごいと言うか・・・災難・・ですかね。この本はオリバリウスの予言書。すべてを予言書してくれる神が持つ予言書です。」
「神が持っていた予言書だから災難なんですかね。」
「いいえ。あなたが付けてる指輪・・・それはその本をしまうためのものなのですが・・3つも・・・・・・それが災難なんですよ。」
「・・・え。3つ・・・・・・能力って一つじゃ・・・」
「普通は一つですよ・・・ただ、稀に恨みが強い人が2つ所持することがあるんですよ。」
「・・・なるほど。意味がわかりました。」
「あなたは・・・恨みが強すぎです・・・・・・災難なんて言葉では片付かないほどに。」
「・・・そうですね。・・・・・・妹を亡くしたのが事故で無かったと知ってしまったらなぜか・・・すごく彼らを殺したい衝動に陥ってしまって・・・」
「そうですか・・・・・・・・・。」
「・・・・・・そ、それより。あと2つ見ていきましょ。せっかく美鈴さんがくれた能力なんですから。」
「そうですね。とりあえず・・・あと2つ出してみてください。」
「わかりました。」
僕はそう答えると先ほどと同じように手の甲から出すイメージをした。
「・・・2つ出てきましたね。とりあえず見ていきましょうか。えっと・・・一つ目は・・・創造の書・・最後が・・・・・・知恵の鍵・・・錬金術書ですか・・・・・・優さん。あなたはとんでもない化け物なのかも知れませんね。」
「え・・・」
僕は、美鈴さんの顔を見た時言葉がでなかった。なぜかと言うと・・・美鈴さんは怪物を見るかのように僕の顔を見ていたからだった。
主「ふぅ、とりあえず1話描けた!!」
美鈴「主さんは、あなたはっていう人は・・・1話書けたからって何満足してるんですか?」
主「いや、だって・・・ね?わかるでしょ?」
美鈴「いえ、わかりませんよ。何当たり前のように首かしげてるんですか?」
主「いや、あの・・・美鈴さん怖いです。お願いします。ごめんなさい。もうちょっと気合入れて書きますから!!」
優「主さん・・・前回のあの後あんなに説教したのに反省していないんですね・・・・・・。わかりました。じゃあ、お話しましょっか」
主「いや!!!優くんやめて!!!もうほんと嫌だぁ!!!!美鈴さん助けてぇ!!!!」
美鈴「・・・とまぁ。こんな主ですが時には暖かい目をして頂けたらと思います。普段は『なんだこいつ・・・キモ』くらいでかまいませんので」
主「美鈴さんのバカぁぁぁぁああああ!!!!!」