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1-Ⅶ


 「今日は、散々だった・・・」


 今日のブログは、この一行だけ。

 もう、これ以上書く気力もない。

 『namennya』って所を使ってるのだが、当たり前のごとくニャメンバーがいる訳でもなく、敷居の高そうな『mexe』なんか無理って思って。

 俺の高校デヴューを、ひっそり残していこうかなって最近始めたのだが・・・

 ちなみにニャメンバーとは、『特定の人に、限定公開した記事、動画、写真などを見せることができる機能です。』ってことなんだけど・・・


 特定の人とか、いねぇーーー!!!見せるものでもねぇ!

 では、何故始めた?

 と、問われれば・・・根底では寂しいんだろうな!仲間が欲しいんだろうな!

 だが、断るっ!!

 と強がっては、何をやってるんだろ?とか思う、思春期真っ只中の俺ガイル。

 そんなに底辺仲間でも欲しいのかと思ったが、いろんな人のブログを見て回った時に気付いた・・・


 底辺な人って少ないじゃん!!みんなリアルを堪能してんじゃんっ。


 恋愛とか、友達がどーとか、ニャメンバー数の人数の多さとか・・・

 俺みたいな、友達もいなければ、恋愛経験も0(ゼロ)、ニャメンバーも集められない、クソつまんない人間は、ほとんどいないじゃないかっ!!!

 とりあえず、まだ始めたばかりだからってのもあるのかもしれない・・・いや、ないな。

 無駄に反語を使っては、やはり・・・俺の友はおまいらだけだっ!!って心の中の大群衆に向かって、むなしく高らかに叫んだのだった。


 「あぁ~~っ!!」


 ほんの数文字の記事を書いた後に、本当に今日は色々あったなって振り返ってみた。


 ライガーと名づけた先生がいたり、権三郎という漢に一目惚れし、艶のある声の「うふふふ」星人と遭遇し、イジメコントのオチ担当を請け負い、チャリオッツと叫んで街を走破した・・・

 そんな他愛も無い、平凡な一日・・・

 

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・とんだ非日常だわっ!


 そもそも、一目惚れなんかして・・・ぃゃ・・してない訳でもないんだからね・・・ってツンデレたくなるくらいの容姿を持ったアイツが悪い。アレは、男も女も掘れちまうだろうがよっ!!!どうしようも無いじゃん!!!

 アッーーーー!!

 オマエ・・・・ホレ違いだからな!惚れるだろがっ!!!

 つうか、今日一日突っ込みどころが満載過ぎだろうがよっ!

 「うふふふさん」には、フラグこそ立たなかったが、席が前後だから・・・何かあるあ・・・ないだろうけど。相変わらず、「うふふふ☆」を聞く羽目になるんだろう。

 そして、あのイジメコントも・・・・


 あの後が大変だったんだが・・・


 思い出したくも無い。

 今日もやられやく・・・の

 今日のヤラレ役の「菅田」の、鬱陶うっとおしさったら・・・




 最高にヒーローになりそこねた、ただのクシャミ野郎にいつまでもいつまでも「ありがとう!ありがとう!!」って鼻垂らしながら・・・そして一番嫌な言葉でな・・・


 「本当に、ありがとう!凄く助かったぁ~。ホントにもう・・・こんな優しい君がいたら、僕はもう・・・!!」


 「ぎゃっ!!」

 

 目や、鼻や、口から溢れてた水分を惜しみなく含むその手で、握手されたっ!!

 そして・・・・

 目が・・・輝いているよぉ~~~~♪

 キラキラって、星が見えるよぉ~~♪

 スポーツ刈りで、爽やか風だよぉ~♪

 メガネも、ギラついてるよぉ~~~♪

 そして~

 ・・・頬が、桜色に染まって、目を逸らした。



 をいっ!!


 ナゼ、ソコで頬を染めるかっ!!!


 いや、俺にその気は全くない・・・よなっ!!

 始業式前のアイツの事を、今は、今だけはっ!!頭の隅に追いやりながら尋ねた。


 「もう・・・の次はなんだ?」


 手を振りほどいて、なんで俺は関わってしまったのか。

 好奇心とは、常に最優先されてしまうのか。

 これが、神のいたずらか・・・

 そんな事を想いながら、言ったことを・・・

 すこぶる後悔したっ!!!どうした、俺!今日は、本気でオカシイぞw

動揺しまくってる俺を他所に、更に頬を染めたソイツは言った。


 「僕は、菅田すがた。この学校には中学時代の友達がいないから、良かったら・・・これからよろしく!!」


 見た目のスポーツ刈りくらい爽やかに、「これから、よろしく」をこれでもかってくらい強調して、また手を握ろうとして・・・きた!?


 「ぅああぁ!!」


 ビックリしたが、なんとか声を抑えてみたつもりだ。だってな・・・

 この反応は、拒否してるみたいだろ?そんなん、俺も通ってきた道だからな・・・なんとかなったか?と思いながら、本音では・・・

 (危うくまた、菅田菌を付けられるところだった・・・)ってな、コレは秘密だwww


・・・・・・


菅田が固まってた・・


 「え?えっと・・・・・・ぁ」

 「あ?」

 「ありがとーーーーーっ!!!もう、これで明日から楽しくなるね!(はぁと)」


 がっしり両手でシェイクハンドされながら、耳まで桜色にした菅田の姿がそこに・・・


 (き・・・きめぇーーーーっ!!!)

 

 って叫びたかった!!小1時間は叫びたかった!!!

 何を思ったか、「うあっ」て漏れた声が、「あぁっ!」って爽やかに肯定の意味で取られたみたいだ・・・←多分、勝手に脳内変換しやがったな!。

周りを見渡すと・・・

 あぁ、女子がドン引きし・・・てる・・・(涙)

 とっても静かになった教室では、ホモ疑惑が持ち上がった瞬間だった・・・



 いつの間にか、思い出したくない数刻前の過去を、振り返ってしまってた。

 流石に、チャリオッツ事件は振り返らないでおこう。調子に乗りすぎた・・・

 なので、ここは・・・


 「機会があれば、いつか語られるであろう」ってことにしておくか!

分かってくれ・・・これは、現時点で俺史上、最大の黒歴史となった事件となってしまったのだ。

 くっ。

 気付いたら・・・画面には新たに開かれたブログの書き込み画面に・・・

今、思い描いていたことが書き込まれていた・・・えっ!?

 まぁ、いいや!とりあえず困ったときの、下書き保存をっと・・・



 「おにぃちゃ~~~んっ!!ごはんできたよ、だってぇ!」


 「っ!?」


 いや、言い訳させてくれ!!

 2次元の妹と、リアル妹では・・・オレの左手に宿るシャープペンの芯と、アンドロメタ星雲の未知なるオーパーツくらい違いがあるんだよ!


「                 」


 反転しても、中には何もないですよw

 分かりづらいかww

 もう、沈黙を表す「・・・」すら使えないくらい変な沈黙が頭の中で交わされながら、見えない仇敵に語りかける。

 そう!!

 いない人は憧れるであろう「妹」という属性は、うい~♪とかねむ~☆とかの王道から、「みゃ~」と「みか~ん」というオレ的同着1位などなどを想像するんだろうけど・・・

 分かってくれとは、言わないが・・・

 生まれてからずっと一緒に生活していくとだな・・・本当に気分が悪くなるんだよ!

 ある意味、遺伝子操作とかDNAに刻み込まれた何かとでも言おうか・・・そんな自己では抗えない鎖で縛られているように、リアル妹にはハートがグラつかないのだ!

 萌えなんてないんだよ!恋愛感情なんて決して沸かないんだよ!ここは、リアル・・・3次元なんだぞ!分かったか、友よ!同志よ!!

 そんなどうでもいい言い訳を、脳内で繰り広げながらお熱を上げていると・・・



 「だん・・・だん・・・だんだ・・ダダダダダッ!!!」

 あぁ、ヤツがきた・・・


 バンッ!!!


 「いるのにへんじしないとか・・・・ぜつぼうてきにあたーーーっく!!!」

 「ぐぼっ!?」

 「もうっ!へんじくらいしてよね!ぐりぐり~♪」


 あぁーーっぁああぁぁぁあああ!!!


 ぎゅう!!


 「ごめんね、芽虞ぅ!ちょっと考え事しててな。許してくれるか?」


 と言いながら、あまりの可愛さにハグしているのである。

 先ほどの心の叫び@言い訳は、そういうことだ!!←どういうことだww


 「ママがおこってたよ?もうめぐをみならいなさいってゆっておきなさいって!」


 あぁ、芽虞は真面目だからな~。本当に名は体を成してるよww

 相変わらず、怒ったときにやる「絶望的ぐりぐりあたっく!」で俺を骨抜きにした!

 最初のあたっく攻撃は、上手いこと頭が鳩尾に来るから正直しんどいが・・・

 その後の、ぐりぐり~が溜まらなくご褒美的可愛さなのだっ!!

 もう、絶望的に可愛くてな。

 本当に、ある意味絶望的だよなwww

 リアル妹には、萌えないって俺の真理を捻じ曲げた存在なのだ。

 ちょっと前までは、その真理に歪みが生じることなどなかったのだっ!!

この可愛さは、異常だっww

 なので、つい怒ってもらえるよう行動してしまう。

 年が離れているからなんだが、子供っていいなって思える瞬間かもしれない・・・

 想像すると気持ち悪いが・・・・

 

 父さん、母さん・・・


 よく頑張ってくれたっ!!!


 ・・・・・


 「おぇーーー!」


 これが、これこそが・・・DNAに刻まれた呪印なのか・・・



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