1-⑥
「ぱぁ~~~~っ!!!」
って、言葉で発しても良いくらいに、眩しい程の表情筋の緩め方をした!
「えぇ!!カレーって誰でも好きなんだと思ってたのに!何で?何で何でぇ?」
「ちょっ!!唾飛んでる×2!!」
ちょっとっ。ちょっとちょっと!盛大に唾が富んでます。
もう、上から降り注ぐもんだから、どしゃぶりと一緒だ!勘弁してくれっ。
「あぁ、ごめんなさい。僕、気持ちが乗ると調子もうなぎ上がりになってしまうんだぁ・・・」
えっ!?
あの目映い笑顔から一転。かなり落ちてた。もう、奈落への底なし沼に嵌ってしまったかの如く。
こ・・・これ、テンションの上げ下げが激しすぎるだろっ!!
しかも、ボクっ子!!
「ごめん、とりあえず一緒に帰ろう?せっかくだし・・・」
ボソボソっと話すその仕草は、うん!ぬりかべって感じ。ぬりかべって言うよりも、ヌボっとしてるグールかな?・・・・そういえば!
『ぬ~ぼ~』ってお菓子があったのを思い出した!!!
俺は、なぜか『YOUTUBE』にあった・・・『懐かしのCM』ってのにハマっていまして!特に昭和のカラーテレビが出だした辺りから~現代まで。
これが古臭くて、もう大っ!大大好き!!なのだよ、諸君!!
あぁ、もうソレに見えてきた。
・説明しよう!
『ぬ~ぼ~』とは、モナカ生地にエアインチョコが挟まっているチョコレート菓子なのだ。で、そのお菓子のパッケージに描かれている、黄色のふくよかな「ぬ~」っとして、「ぼ~」っとしてる、この商品のキャラクターだったのだっ!!(ミwiki3より一部抜粋)
そう考えると、まさしく「ぬ~ぼ~」だな!
そんなことを考えていたら、徒歩15分があっという間に、駅に辿りついた。
あぁ、この煩わしい15分を、感じることなく駅に行けたことには感謝せねばw
「・・・あぁ、ありがとな・・・とりあえず。」
「ん?・・・うんっ!!!あっと、降りる駅どこなの?」
「はっ?」
???
あれ?・・・・・・・・
また、やっちまったぁーーーっ!!
何か、今日こんなんばっかじゃんね?何で心の声が出るかな?言うつもりじゃなかったんだ!思っただけだったんだよ・・・俺の中では!
俺の中に、俺の中の人がいて、アテレコされてるのか?もう、カオスってるよw
考え事してたお陰で、話の流れが全く分からないが。「降りる駅どこ?」っていうその質問をされたってことは・・・・
『一緒に帰ることを、「ありがとう」って肯定してしまった』・・・ってことだよな?
いやいや、だから一人がいいんだって。どうしよっか?
「えっ?降りる駅分からないの?アレだったら送ろうか?」
ちょっ!!!舐めてんのかぁああっ!降りる駅くらい分かってるっての!
つうか、送るってなんだよ?アレだったらとか、アレって何だよwww
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっと待て。これ、フラグ立った?
送るっていったら、『車で』だよなっ!ほら、多くの主人公には、『何故か』裕福な家庭のお坊ちゃまや、お嬢様がもれなく付いてくる。・・・たまに、漏れはあるかもしれないけどw
これは、あまりにもウハウハな主人公フラグかもと、車で?って聞こうとしたら・・
「2ケツは禁止されてるけど、ボクのは後ろに籠のついた買い物用の3輪車だから!多分大丈夫だと思うよ?凄いでしょ、格好いいよ!!」
「・・・・・・ぷっ!」
格好いいと思うのもオカシイが、何??
その後ろの籠に荷物さながらに搭乗して・・・
『チャリオッ!!!』っとか叫びながら、ベン・・・うっほん、うぉほん!を舐めなければならなくなるのかっ!!舐めてんのは、オマエだろっ!そんな事を思いながら、ちょっと吹いてしまった。
「笑ったな!マジで、格好いいから見て驚かないでね?って、あぁ!電車来たよ!」
「やべっ!!」
これを逃すと、30分は待たなくちゃいけないんだった。
ピッ!
ICカードの定期券で改札をくぐる・・・
「はぁ~~~(はぁと)」
これ、憧れてたんだよな~!ピッ!ってするの!!最初にした時・・・今日の登校時なんだけど、もう・・・ちょっとアッチの世界に逝ってしまって、危うく遅刻するところだったwまぁ、慣れるって言われるだろうけど、逆に言えば、この快感は今しか味わえないかけがえのない物じゃん?こういう快感は、おまいらも大切にしろよwww
ピロピロピロ・・・
ゴーウィ♪ゴーウィ♪って違うわっ!!俺は、なんて訓練されてるんだっ!別に、訓練されてるんじゃないわっ!!強いられてるんだっwww←えー
この音は、ち・・・違うんだっ!ただの、発車音なだけ。こう、音楽なんか流れないんだよ、田舎だし。
「摩路くんっ、急がないと間に合わないよ?」
電車の中から平然と、大声で俺に叫んでる。
既に、電車の中にいるのが・・・オレ的には、かなり幸いしてる・・・
ちょっとだけ、小走りで電車に近寄るふりをして・・・
こちらを見てた車掌さんに「どうぞ」って目線を送りながら、小走りから歩みに変える。
ここの駅は、出入り口が1つだけで、入り口付近が電車の最後尾あたりに位置する。
「扉が閉まります、ご注意ください・・・プシュ~」
俺は、怪しまれないように手を振りながら、小坪くんを見送った。
・・・・・・・・・・勝った。
何に勝ったかは、よく分からないが勝利した!
一緒に帰るウザさを考えれば、30分なんか屁でもないよな・・・
ここの電車は、30分置きにしか来ないんで。都会は沢山本数があるみたいだけど、田舎は大体こんなものじゃないかな?
30分後・・・
この開放感だよな!やっぱ、一人は自由でいいよなっ!!フリーーダム最高っ!!運命でも主役はフリーダムだったしなっ!ガンガンやらスパロボでも、もはやチートだしなw
もう、およそ計画通りに事が進んでニヤニヤしてる俺きめぇww
だが、良かっ・・・た・・・・。
次の駅に止まるため、電車のスピードが緩む。俺の顔も、作戦成功で緩んでいたのだが・・・
今、嫌な者を見た。
決して、動体視力が優れているわけではない。このスピードなら誰でも気付くだろう。
あの、ぬりかべっぽい容姿を。
つうか・・・
は・・・走ってきたぁーーーーっ!!!!怖ぁーーーーーっ!!!!!!
「ひっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
プシュ~
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
2人ともだんまりだったのだが、小坪が、耐えきれず?に・・・
「も・・・」
「藻?」
「も・・・もう!!、大丈夫なの?何か、調子悪かったりするの?」
「は?」
何を言ってるんだ?理解不能なんだが。そして、俺は、『ありがとう』以来5文字以上話していないのに今気付いていた。
「心配したんだよ?でも、見つけられて良かったぁ!」
「・・・・えっと。」
どーーーーしてこうなったっ!!!
なぜ、そこにいるっ!?
まぁ、心配して待ってたのは分かった。だが、旧知の友でもないのに。今日ほとんど初めて話した仲なのに、コイツは何て・・・・キモいヤツなんだっ!!
「はぁ~・・・」
ため息も出るっつうもんだよ・・・
「帰りにどっか寄る?まだ早いし、ちょっと話でもして行こうよ!他の帝紅の人達は、知り合いがいたみたいだし・・・良かった!!これからも、一緒に帰ろう!!」
「な・・・なん・・・だと・・・」
断っても、仕方がないんだろうな・・・・これを回避しようとしても、『逃げるものは、追いたくなる』の法則にしたがって、このウザク並みのキモい小坪は、ストーカーと化すかもしれない。
・・・・逆もまた然りなんだけどな。
未だに、勝手に会話を進めまくるこの巨人兵を、ある意味強者と認識しつつ・・・
車窓から空を眺めつつ、星もまだ出ない昼過ぎから、虚空と握手をしてみたのだった。
そして、神に問う。
俺は、自意識過剰なのか・・・とw