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1-③


 ・自己紹介で笑われない。


 ・リア充握手をする。


 という2つの初体験を経験した、我らが摩路和夫ご一行なのだが・・・未だに、リアルに戻れないでいた。前より一層、背景と同化してしまっているボーっと星人は・・・


「はぁ~・・・」


 す・・・すげぇ、体験をした!

 リアルにマニメ(マンガやアニメみたいな・・・の略w)体験をした・・・

 「説明しよう!」も省略してしまうくらい、ビックリドッキリ発進だよ!

 校長先生の長い話も、始業式の活気に満ちた?雰囲気も、何もかも分からないまま式が終わった。

 覚えているのは・・・・

 ぼ~っと眺めてた、体育館の眩しい明かりとパイプで組まれた天井だけだった。


 その帰り道・・・


 ここまでフラグが乱立してるなら、何かあってもおかしくない・・・。と思っていた俺を殴ってやりたい。

 

 本当に、何にもないとは。


 少しだけ・・・フラグが立ってると思ってたのに(泣)

 まぁ、こんなもんだよな・・・リアルは。


 だが、しかしっ!!


 主人公なら・・・席替えでは、窓際+後ろの方!っていうフラグが立つはずだ!!

 せめて、一番後ろとかなっ!!

 コレは、楽しみだ!!この席替えで、俺の人生が決まると言っても過言ではないなw

 さぁ、高校での夜明けが待ってるのか、それとも・・・



 「「コキュートス、キターーーーーっ!!!」」



 一番前だとwwそして、6列ある中の廊下側から2番目という・・・

 なんだ、この半端な位置はっ!!

 これは、第3階層アンティノラ級だな。もう最下層と言ってもいいのに、でも違う。

 そんな歯がゆい?位置にある微妙な場所。


 あぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 なんだ、このくじ運の無さは・・・・

 これで、高校生活に終わりを告げられたな。

 さらば、わが人生。さらば、栄光への架け橋。さらば、もう生きてく強さもない俺。

 どんだけ、落ちてんだよ・・・と、自分で突っ込む自分も鬱に入って体育座りしてる。

 周りでは、ウザいくらいに「きゃっきゃ、うふふっ」してる奴らばっか。

 そんな席替えが、始業式後のフラグの立たなかった、平穏な夜明けの来ない昼時前だった。


 こんな時エロゲでは、幼馴染が突然突撃攻撃をしながら元気いっぱいに笑顔で手を握ってきて微笑んできては名前を連呼されながらウザいと思いながら内心嬉しがったりしつつ肘に当たるその柔らかく弾力のあるソレにちょっと頬を染めて自分キモイなぁとか思いながらもヤメロよっていいながら嬉しがっているのに気付かれてさらに辱めをうけつつもうry・・・・はぁはぁ。

 

い・・・息継ぎなしで妄想しても息は切れないはずなのに、俺の灰色の脳細胞はもーれつに酸素を欲している!

 顔を真っ青にしながら妄想してるバカを、他人から見ると・・・こう映るらしい。

 

 「大丈夫?えっと、マジ君だっけ?うふふふw」



 ・・・・・・・・・・・・

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 うん。ちょっと待て。


 俺は今、何を耳にした?ありえない声を聞いたぞ!!

 この、2次元しか愛せない神聖な心を持ち、将来魔法使い確定の、この俺へ?

 いや、聞き間違いだろ?


 だって・・・・・・・・・


 「うふふふっ(はぁと)」


 だぞっ!?


 リアル3次元で、こんな笑い方するホモサピエンスが存在するものか!いや、否っ!

 つうか、流石オレ、目の付け処がチガウなw←ただ、逃げてるだけ。

 うふふふっの後ろに「はぁと」を見たのは、ゲーム脳だからだ←もはや動揺の域を超えている

 そして、先ほどの反語も反語になってない。否定して、否定してるwww

 そんな珍しい者を目の当たりにしながら、妄想世界に旅立っていたオレに、その謎の生物は・・・


 「本当に大丈夫?目も虚ろになってるよ?うふふふっ!!」


 だから、何故「うふふふっ(はぁと)」って笑うんだ???


 もう声を大にして言い・・・言えないので心の中で盛大に叫んだ。

 このままでは、「うふふふっ(はぁと)病という奇妙な病気にかかりそうなんで、あえて突っ込まずに、簡潔に答えた。


 「大丈夫だ、問題ない・・・。」


 あぁ、俺的には問題大有りなセリフを吐いてしまい、何やってんだって思いながら彼女を見た。

 そう、めっさお待たせした女性第一号なのだw

 つうか、リアル女子に話しかけられてるんだが!?


 「そう?良かった!後ろの席のオダカナリよ?よろしくね、うふふふっw」

 

 ・・・・・


 「お、おだか・・・さん?俺は、知っての通り摩路和夫。よろしく・・・」

 「え~、違うよ?そうなったら、私の名前「なり」になるよね~うふふふ♪そんな名前ないナリよ~♪私、小田。『小田 加奈莉』なりよ?うふふふっw」


 ・・・・・・・・・・・・・ちょっ!!

 何?何なの!?この可愛い生き物はっ!!!

 

 うふふって来たら、「あらあら、うふふ(はぁと)」が王道で正義と思っていた俺の真理は・・・

 この、「うふふふっ♪」に上書きされてしまいそうだという危機に陥っていた。

 そんな、目が泳ぎまくっている俺を見て、小田さんは・・・


 「私も名前がこんなだから大変っ!って思っていたけど、摩路君の方が凄いね♪うふふふっw」


 あぁぁあああああっ!!!


 思考も突っ込みも追いつかんっ!!

 こやつらは、何て・・・はぁ。

 最初の「堀島チャラ雄」は、あぁだったが・・・その後に続いた2人が、こうも名前関係で繋がってしまうとは・・・。あぁ、流石リアルだな。何が起きてもおかしくない。つうか、こうも偶然が続くってのもないんじゃないかと思った。そして、また暖かさも感じてしまった。

 もう、泣いていいですか?←俺、弱いなぁ~www

 しかも、容姿がありえないくらい少女マンガちっくな感じで、目は星を携えたようにキラキラして、髪は三つ編みのおさげを二つこしらえてる。

 だから、なおさら動揺した俺は、どもりながら返事したw


 「ごめん、お、俺も自分がこんなだから。名前間違ってゴメン。でも、凄くなんかない。小田さん・・・改めて、よろしく。」

 「ん~んーーーっ!全然気にしてないから♪もう、慣れたし!自分の名前好きだから、うふふふっ♪」


 もう、(はぁと)って毎回やるのが疲れてきたんだなwっと俺の中の俺がほくそ笑む中、確かに加奈莉って・・・良い名前だな~っと・・・・


 「加奈莉って、良い名前だな~。何か可愛いし・・・。」

 「でしょ?摩路君よく分かってる~、素直に嬉しいナリよ!うふふふふっ♪」


 小田さんは、キラキラ光線を纏った目を細めて嬉しそうにそう言った。


 「っ・・・・・・・・!!!!」


 ぐはっ、声に出てたぁー!?俺の心の声が、リアル配信されてもーた!!

(あぁ、これは恥ずかしい!!ですがっ。これは、これでいいんです!!) ・・・某カ○ラさんみたいな実況が頭の中で響く中、全く良くないわっ!!って突っ込みを入れつつ、本当にキラキラを纏った目を向けられているこの状況に耐えられなくなった。

 しかも、ナリって言った。「ふ」も一個増えたし。←動揺してるのに冷静だなw

 ・・・さっさと、この茶番を終わらせよう。俺の心が持たないwww


 「小田さぁ~ん、一緒のクラスになって良かったねぇ~」


 ・・・・・・・

 コレは、決して俺の発言ではない。


 フラグがボッキリと折れて、他のクラスメイトに呼ばれた小田さんは逝ってしまった。←おいっ

 まぁ、元から主人公フラグを立てられない俺は、深くため息をついたのだった。


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