1-①
どこかのギャルゲかと思うくらいの桜並木を進んで校門へ。
そして、ここでもオレは主人公フラグを見た!?
なんだ、このふつくしい可愛い生物は・・・
本当にここは、リアル3次元なのか・・・
こんな・・・
心がときめき、メモリアルってしまう。
そんな美少女を一瞬だけど・・・見かけた。
そんなありえない始まりからの幕開けは、
高校へ入学してもなおいじめの絶えない光景だった・・・
俺は、高校デビューを果たすべく・・
・いつもしかめ面(目が少し悪いだけ。めがねはしないw)
・なるべく目立たないようにする(経験からか波風を立てたくないw)
・無口を決め込む。(いじめられっこがよくやるw)
・声のトーンを低めに設定する(いじめら(ry)
ということを入学初日から、遂行してみていた
そこに、いきなり・・・
「おれ、堀島。マジ君だっけ・・・よろしくなっ!」
クラス表を手にした、背の高いひょろっとした男子が声をかけてきた。
・・・・・・・・・。
やはりいやがるか・・・このリアルに適応しているチャラ男め。
「あ、あぁ、よろしく。」
バレないよう口数を少なくしている。
このシミュレーション・・・完璧だな。
と思った俺を殴ってやりたい。
「マジ君って、マジカズオなんだ・・・フルネーム。・・・・え?
マジで、マジなん?真剣カズオなん?ククっ、すまん・・・、ちょっとツボったww」
あぁ、出たよ。恒例だよ。しょっちゅうだよっ!!
摩路和夫が本名だ。
これが、あだ名に困らなくてだな。
まじーお
まじお
まずお
まろ
かっちゃん
かつお
まっちゃん
etcなどなど
ネタ満載過ぎて、生きてるのがツライ・・・
小中学校は、ひどかったね・・・
・魔法は使えないのか?マージマジマジーロって言って教室に入って来いとか
・マジ?って言葉に反応しろとか(まぁ、反応するんだけどもw)
・マジかっちゃんなら、目を閉じてろ!
「綺麗だろ、死んでるんだぜ?」って、言われてる時にクシャミしたもんだから・・・
死んでねーじゃんかよっつって蹴りくらったりな。それなりに、顔立ちが整ってるからなおさらだった。
あえて、言わせていただくがそれなりにだから、モテる範囲ではないw
あぁ、思い出すだけで吐くわwww
そういえば、名前を初めて知ったやつって・・・
だいたい、「マジか・・・ずぉーー」とか訳分からんこと言ってたな・・・
ずぉーーーって何やねん。
そんなことを思い出しながら・・・堀島の様子を見てみると、堀島は涙目になりながら、ヒクヒクしてるじゃんよ。
笑ってる・・・笑い続けてる。
どうした??コレは、何フラグだ?
そして、笑いをこらえながら堀島はこう言った。
「な・・・なんかな・・名前聞いて、ふと。思ったこ・・・とあって、一人dsうけてた。
失礼なの・は分かってらけど言わせてくれ・・・
ま・・・マジか、、、ズォーーーwwwwくぅーーーっ・・・・wwwww」
てら言ってるぞ。テラw
ため息にまぜて、心の中でつぶやいた突っ込みはそこだった。
そして、きちんと日本語をしゃ・べ・れっ!!
キーンコーンカーンコーン♪
チャイムの音とともに、
また一つ、ガラスの玉に傷の入る音が聞こえた始業式の朝だった。
学校行事で一番酷な時間の始まりがきた
クラスの自己紹介なんですけど・・・
堀島とのやりとりを聞かれていたはずの、このクラスの中、、、
盛大に恥をさらさなければならないというストレスに、胃がキリキリ舞い踊ってる。
さぁ始まるぜ。
光と闇が交差するときが・・・
物語は・・・始まらず、
カオスの宴が・・・訪れる・・・
だろうな。はぁ~
堀島の自己紹介が終わって・・・名前を呼ばれる前に立ち上がる。
緊張してきた。
ザッザッザ・・・ゴキゴキっ!
口が開いたままの怖い3人娘で、どこぞのパン屋さんのこねこねEDみたいな乗りで、脳内の固有結界内では、誇りと勇気を持ったマジ連隊が行軍している。
「次!!」
知ってるだろうか?
事前に準備すればするほど・・・本番でこける事が多いことを。
「んまはぁじ、かずほです(はぁと)」
ほぉら、裏返ったぁーー!
当然こうなると運命付けられたが如く、裏返っタワーーwww
見てるか、おまいら。
きっちりフラグ回収しといたぞ!
せっかくの事前準備(@頭の中で)も、奇しくも徒労に終わった。
あぁ、俺は俺を殴りたい。
どうして、こうなった?
なぜにっ!?
なぜ・・に・・
俺は、心で泣いた。
担任から名前を呼ばれる前に立ち上がるとこまでは上手くいった!
当たり前だ、立つだけだからな。
さて、光を見にいこうか・・・
当初予定のデビュー計画は失敗に終わったわけだが・・・
光に満ちたキラキラ光線が、ザクザク刺さる中
「んっ!こほん!摩路和夫です。帝紅テイコウ中学から来ました。よろしくお願いします。」
・・・以上ぅ!!
こっち見んなっ!!
あぁ、俺を見るなっ!
埃と変な臭気だらけになったマジ連隊のライフはもう0よっ!
冷や汗をかきながら、着席する・・・
が・・・
もう分かってるだろう?こうなることは・・・
カオスがやって・・・・こなかった?
クスクスって笑い声は相変わらず聞こえてくるものの、大爆笑と罵倒の嵐となるであろう予測は、大ハズレに終わった。
担任も冷静に・・・
「よろしくだけじゃ、分からんだろう?俺もマジのことをもっと知りたいんだ。他に何かないのか、あぁ?」
「・・・・・・」
ないから座ったんじゃん!
既に、マジだってぇ~、マジ?アハハぁ!とか、小声で言われてる始末なんだが・・・
聞こえてるぞ、雌豚共。。
そして、先生・・・・「あぁ?」って睨まないでくださいwww
・・・・・・・・・・・・・・・・。
はあ~。
再び立ち上がりながら、、頭の中では、マジ連隊がマジレンジャーに変身して、話題探しに絶賛暗躍中だった!
コレといった特技もなく、部活は帰宅部だったし・・・・。
まぁ、特技ではないが・・・
「しょ、小学校の頃から剣道やっていました。け・・剣道初段で・・す。高校では違うこ・・・とやってみたいと思っ・・・ています・・・以上・・・です。」
あぁ、俺ナイス!!!
ナイス機転!
剣道の格好良さ(当時思ってた)とヒーローに憧れてやってみたものの、テンで上達せず、身長もなかったせいか弱いままだった。なんで、特技とまではいかない。
初段は、およそ取れるもんだそうだ。
相変わらず、人前で話すのは苦手だが・・・
ふっふっふ・・・
これで、ハッタリが効くな!!
「なんだ、剣道続けないのか。。もったいないな。他にはないのか?」
ちょっ!?ちょっと待て・・・オレは、「以上」って言っただろが!!
このライガーめっ!!
説明しよう。
ライガーとは、和夫が知ってる唯一のプロレスラーなのである。
なぜかといえば、同じ名前でアニメがあったからだwww
この先生は、体格が凄くいい。肌も浅黒い。
詳細はまた報告する。隠された秘密があったからだ。
「はい・・・。」
座ったまま、それだけを言った。
「まぁいい。じゃ、次は・・・・」
ライガーは諦めた様子で、次の生徒へ自己紹介を促した。
はぁ、やっと終わったか。自己紹介だけでこのHPの減りようでは、一日もたないな。
すでに、マジ連隊は壊滅的だしなw
リア友なんてウザいだけだし、他の奴の自己紹介なんか聞く気にならん。まぁ、これが次へのステップへの布石だとは分かってはいたんだがな・・・・コミュ症はツラいな。
ボーっと外を眺めてたんだが、教室が騒がしくなってきた。
あぁ、静かにしてくれよっ!!
と、特有の変ギレを起こしながら黒板を見ると、そこには・・・
「席替え」
と、でかでかと書かれていた。