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図書室には当たり前だが、夥しい数の本が棚に並べられていた。
広さは教室の二倍くらい。
カウンターにバーコードを読み取る機械が有る。
部屋の中央には本を読むためのなが机があった。
机を囲むようにして椅子が有る。
「特に変わった様子はないか?」
サトシが言った。
「ちゃんと調べてみようよ」
サヤカが図書室に足に入った。
電気はついているが何本か蛍光灯が切れているので薄暗かった。
中には点滅をしている物も有り目障りだ。
サヤカの後に続いて皆、図書室に踏み入れる。
「なんか……埃臭いです
ね」
タイキが口と目を押さえた。
窓が有るが全て閉めきられている。
だが、風が吹く。
生暖かい風が吹く。
人を不快にさせる風が吹く。
「何で……風が?」
サヤカが言う。
二の腕を擦っていた。
「さあな」
サトシが言った。
ふと、横を見るとタイキが棚から分厚い本を取り出していた。
「面白そうな本でも見付けた?」
サヤカが除きこむ。
「僕はそう感じるけど」
タイキが言う。
「どんな本?」
サヤカが表紙を見る。
『2012年人類滅亡説』と、そこには書かれていた。
「よろしい趣味ね」
サヤカが顔をしかめた。
「君も読んでみるかい?」
タイキがサヤカの掌に本を乗せる。
「いや……よしとく、今はそんな気分になれない」
サヤカは本をタイキに押し戻した。
タイキは残念そうな顔をした。
サキはサヤカの件が有ってからめっきり影が薄くなってしまっているマサトシに話しかけた。
好意を持てる人物ではないが、むしろ嫌いだが、何となく話しかけてみたのだ。
マサトシは椅子に座り頭を抱え込んでいた。
ここに来てからよく見かける光景だった。
「大丈夫ですか?」
サキがマサトシに言う。
「大丈夫だ。すまんが今は話しかけないでくれ。考え事をしてるんだ」
「何か思い出しそうなんですか?」
「あぁ、何かを……な」
マサトシがそう言うのでサキは話すのを止めた。
マサトシから少し距離を置いて、椅子に座った。
改めて図書室を見渡すと、意外と汚れている事が分かった。
壁紙は所々剥がれ落ち、天井にはシミができていた。
管理の杜撰さが伺えた。
「う……っ」
サキは奇妙な声を上げた。
……まただ、頭痛が……。
サキは、顔を上げた。
脳裏に走馬灯の様に景色が浮かんだ。




