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スリル  作者: 会原 夏武
15/15

15 最終回

15


誰かの叫び声が廊下を伝いサトシ達の耳にも入った。

「今のは……?」

サヤカが不安そうにサトシを見た。

「タイキ……」

サトシが静に呟く。

「もう嫌だ……」

サヤカが頭を抱えた。


サキは廊下を走って逃げていた。

さっきの叫び声……。

タイキはおそらく死んだ。

走ったまま、曲がり角を曲がると誰かに出会い頭にぶつかった。

その人物はサトシだった。

「サキちゃん?」

横に居たサヤカが驚いたような声をあげる。

「タイキはどうした?」

サトシがサキに訊いた。

「わからないけど……たぶん……」

サキはその先をどうしても言えなかった。

それが死を意味する言葉だから。

そのまま、俯き黙りこむサキを見て、サトシは

「そうか……」

と、言った。

「あの……」

そう言ってサキは顔を上げたが、そこにはサトシ達は居らず、壁が広がっていた。

……サトシとサヤカが消えた?

その時、背後でサキを呼ぶ声が聞こえた。

振り向くとそこには、チサトが居た。

「サキちゃん久しぶり~」

チサトは鎌を片手に待ったまま、サキに近づいてくる。

後ろは壁だ!

逃げられない。

「貴女……誰よ?」

サキが訊いた。

「チサト……」

チサトが簿そりと答える。

しかし、サキは首を傾げた。

「何にも覚えてないんだね」

チサトが不敵な笑みを口元にうっすらと浮かべた。

「良いよ。教えたげる」

チサトがそこから語ったのは余りにも残酷な事だった。

「私はね、貴女にいじめられてたの」

チサトが言う。

「えっ……」

サキの舌が凍ったように動かなくなった。

「ずっとね、ずぅーっといじめられてた。だけど、回りは知らんぷり、誰も庇ってくれなかった。誰にも相談できなかった。そして、私は自殺した。だけど、学校側はそれを隠蔽した。無かったことにしたの……あれは事故死だって……それをしたのが、この学校の校長のマサトシ。その事に激怒した私の父親、サトシは爆弾を抱えて今日やっていた卒業式に乗り込んで……爆発させた。それに、巻き込まれてあの世とこの世の間をさ迷っているのが貴方達五人、だけどマサトシは死んだわ。あっ、因みにタイキとサヤカは学校の教師ね」

チサトが一気に喋った。

もはや、サキは動けなかった。

「さ、もう分かったでしょ。死んでもらうから」

チサトが笑顔でそう言って、サキに鉈を降り下ろした。

サキの喉が裂けて真っ赤な血が白い廊下を染めた。


サトシとサヤカはいつの間にか体育館のステージの上に居た。

「あれ……どうして?」

サヤカが言う。

その時、体育館の中央にあった死体に光が降り注いだ。

スポットライトの様に。

「何だ……そういうことか」

サトシが簿そりと呟いた。

「あれは俺か……畜生」

サトシが拳を握り締めた。

「サヤカ……早く行け!君は……まだ間に合う」

サトシが突然、サヤカの手を握った。

「どういう……」

「良いから早く!」

サヤカが言い終える前にサトシはサヤカをステージの上から突き落としていた。

サヤカにはまるでスローモーションの様に感じた。

最後に一瞬見たサトシの顔は、笑っているようにも、泣いているようにも、怒っているようにも、驚いているようにも見えた。

そこで、サヤカの意識は途絶えた。



サヤカは目を覚ました。

ごほごほと咳き込み体を起こす。

途端に、強烈な痛みが右肩を襲った。

それに構わず辺りを見ると……体育館だった。

それもさっきまでいた。

違うのは、床が黒く焦げ、所々剥がれて、何かが爆発したようになっていること。

「こっちにも生存者が居るぞ!」

男がそう叫んで走ってきた。

「何だ……そういうことか……」

サヤカは口元に笑みを浮かべた。

きっと、サヤカのその表情は狂気に満ちていただろう。

しかし、それに気付くものは居なかった。

やっと終わりました。

つまり、何が言いたかったかと言うと

いじめは駄目ですよ

と、言うことです。

それでは次回作で会いましょう。

さようなら。


PS

改名するかもです。

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