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マサトシは職員室を出て廊下を曲がった。
……何でこんなところに居るんだ?間に合わなくなるぞ!
心の中で叫ぶ。
トイレの前まで来たとき、立ち止まり後ろを見た。
声が聞こえた。
彼等だ。
再び走り出そうとしたとき、マサトシは何者かによって男子トイレに引きずり込まれた。
「マサトシさん!」
サトシが言った。
四人はマサトシの後を追っていた。
廊下を曲がる。
しかし、そこにはマサトシの姿は無かった。
「何で?」
サヤカが言った。
確かに、おかしかった。
マサトシは、ついさっきここを曲がったばかりなのだ。
「マサトシさん?」
タイキが言う。
返事はない。
どこにもいない。
「何で!?もう、どうなってんの!?」
サヤカが頭を抱える。
「探そう」
サトシがため息混じりで言う。
その時、廊下の電球が一気に点滅し始めた。
「何……」
サキが呟いた。
ふと、背後に人の気配を感じた。
そこには、髪をぼさぼさに乱した、制服姿の女の子が居た。
皆、それに気付き振り返る。
「誰だ、あれ?」
サトシが言う。
サキは目を凝らした。
女が左手に持っている物……あれは……鉈だ。
女が笑う。
「逃げるぞ……逃げるぞ!!」
サトシが叫んだ。
四人が一斉に走り出す。
サキが後ろを一瞬見ると、女が物凄い形相で追いかけてきていた。
四人は走った先の別れ道で二手に別れた。
サキとタイキは左に、サトシとサヤカは右に。
女は運悪くサキ達の方に来た。
階段を駆け上がり三階に逃げた。
サヤカは後ろを見た。
「ねぇ、待って。もう居ない」
二人は立ち止まる。
「どこに行った?」
サトシが辺りを見渡した。
「さあ……」
サヤカは首を傾げた。
サキとタイキは理科室に逃げ込んだ。
一番奥の机の下に二人で隠れる。
「どこに居るの?」
サキが言う。
タイキが自分の唇に人差し指を当てて「静かに」と促す。
サキは「うん、うん」と首を動かした。
その瞬間、理科室扉が勢いよく開いた。
サキは心臓が破裂しそうなほど驚いた。
タイキがサキに「頭を下げろ」のジェスチャーする。
サキはその通りに、頭を下げる。
女が中に入ってくる。
鉈を握りしめて。
女は部屋の中を見て回る。
サキは声が出ないように掌を自分の口に当てた。
女は二人が隠れている机の前に来た。
不気味な息づかいが聞こえる。
鉈が窓から射し込む月明かりに反射して光った。
女が机から離れていく。
その時、サキの頭が机にぶつかり音が出た。
小さい音だったが、静かな部屋の中には充分響いた。
女が勢いよく振り向いた。
……気付かれた……!
「逃げるぞ!」
タイキがサキの手を取った。
「出て!走れ!」
二人は部屋から弾ける様に飛び出た。




