表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スリル  作者: 会原 夏武
13/15

13

13


マサトシは職員室を出て廊下を曲がった。

……何でこんなところに居るんだ?間に合わなくなるぞ!

心の中で叫ぶ。

トイレの前まで来たとき、立ち止まり後ろを見た。

声が聞こえた。

彼等だ。

再び走り出そうとしたとき、マサトシは何者かによって男子トイレに引きずり込まれた。


「マサトシさん!」

サトシが言った。

四人はマサトシの後を追っていた。

廊下を曲がる。

しかし、そこにはマサトシの姿は無かった。

「何で?」

サヤカが言った。

確かに、おかしかった。

マサトシは、ついさっきここを曲がったばかりなのだ。

「マサトシさん?」

タイキが言う。

返事はない。

どこにもいない。

「何で!?もう、どうなってんの!?」

サヤカが頭を抱える。

「探そう」

サトシがため息混じりで言う。

その時、廊下の電球が一気に点滅し始めた。

「何……」

サキが呟いた。

ふと、背後に人の気配を感じた。

そこには、髪をぼさぼさに乱した、制服姿の女の子が居た。

皆、それに気付き振り返る。

「誰だ、あれ?」

サトシが言う。

サキは目を凝らした。

女が左手に持っている物……あれは……鉈だ。

女が笑う。

「逃げるぞ……逃げるぞ!!」

サトシが叫んだ。

四人が一斉に走り出す。

サキが後ろを一瞬見ると、女が物凄い形相で追いかけてきていた。

四人は走った先の別れ道で二手に別れた。

サキとタイキは左に、サトシとサヤカは右に。

女は運悪くサキ達の方に来た。

階段を駆け上がり三階に逃げた。


サヤカは後ろを見た。

「ねぇ、待って。もう居ない」

二人は立ち止まる。

「どこに行った?」

サトシが辺りを見渡した。

「さあ……」

サヤカは首を傾げた。


サキとタイキは理科室に逃げ込んだ。

一番奥の机の下に二人で隠れる。

「どこに居るの?」

サキが言う。

タイキが自分の唇に人差し指を当てて「静かに」と促す。

サキは「うん、うん」と首を動かした。

その瞬間、理科室扉が勢いよく開いた。

サキは心臓が破裂しそうなほど驚いた。

タイキがサキに「頭を下げろ」のジェスチャーする。

サキはその通りに、頭を下げる。

女が中に入ってくる。

鉈を握りしめて。

女は部屋の中を見て回る。

サキは声が出ないように掌を自分の口に当てた。

女は二人が隠れている机の前に来た。

不気味な息づかいが聞こえる。

鉈が窓から射し込む月明かりに反射して光った。

女が机から離れていく。

その時、サキの頭が机にぶつかり音が出た。

小さい音だったが、静かな部屋の中には充分響いた。

女が勢いよく振り向いた。

……気付かれた……!

「逃げるぞ!」

タイキがサキの手を取った。

「出て!走れ!」

二人は部屋から弾ける様に飛び出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ