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2つ目のスキル

達也とミクシー、フローライトは魔王城に戻っていた


ほぼミクシーとフローライトだけでディーレイを余裕で倒した


だから2つ目のスキルを身につけれれば無敵なんじゃないか?という期待で一杯だった


「達也君、よく戻って来た!」


「魔王、2つ目のスキルの準備が出来たのか?」


珍しいな俺、興奮している


それもそうか、俺の考える2つ目のスキルは最強だ


「ああ、着いて来い」


ん?魔王の雰囲気が違う


いつもふざけている魔王とは別人だ


まるで服部から助けてくれたあの時のように


少し嫌な予感がした


それと、ミクシーとフローライトは別室で待機させた


魔王が今回は連れてくる必要は無いと言ったからだ


また少し嫌な予感が・・・


「魔王の部屋」


相変わらず不気味な部屋、趣味が悪いというか異質な感じというか・・・


訳の分からない生物のホルマリン漬や標本、難しそうな本もびっしりある


「さあ、2つ目のスキルを言うといい」


魔王はすでにスキルの杖を持っている


準備は出来ているようだ


「2つ目のスキルはクリアアビリティ」「主人公の能力を無力化する力だ」


「ほぉ、また恐ろしい能力を考えたな」「しかしその能力」


何かリスクでもあるのか?


「膨大な魔力を消費するだろう」「そのスキルを身に付けた時からお前は魔力を有する事になる」


それくらい構わない


「だが、今の達也君では扱うことすらままならないだろう」


「なんだと?」


思わず達也は言葉を返した


そんなに魔力を消費するのか?


「主人公の能力を無力化するという反則的な能力に膨大な魔力を消費しない訳が無い」


確かにそれはそうだが・・・


「だから、ワシと戦う事で魔力を身につけてもらおうか!」「2つ目のスキルがどんなスキルであってもそうするつもりじゃったし!」


何!?


「だから、まずはクリアアビリティさっさと身につけるぞ」


魔王はスキルの杖を振りかざす


その姿はまさに圧巻


普段のふざけている魔王はどこに行ったんだよ!


「平岡竜也、2つ目の能力はクリアアビリティ!!その身に授けよ」


達也の体が光輝く


だがそれ以外変わった事はない


「さあ、達也君!」「クリアアビリティを使ってみたまえ」


「使い方だが、クリアアビリティに使う魔力を手に集め対象者に当てる感じでいい」


魔力を手に集める、か・・・


達也は手の先に魔力を集める


クリアアビリティを身に付けた事によって自身に魔力が注がれているのが感覚で分かる


「クリアアビリティ!!」


・・・

・・・・


何も起こらない


「やはりな・・・達也君、君にはそれを扱うほどの魔力や魔力をコントロールする能力が足りない」


だから、アンタと修業ってわけか?


「ワシと戦う事によって魔力の扱い方を身につけてもらう」


それだけで身に付くのか?


「もちろん普通に戦っても魔力の扱い方を身につけるのに膨大な時間がかかるから」


から?


「これを飲んでもらう」


「これは?」


「魔力を強制的に引き出させる薬だ」「リスクとしては何時間後に痛みが生じるがな」


そんな事を言っている場合ではない


それは良く分かっているから進めてくるんだな


「分かった!」


達也はその薬を飲む


味はしない・・・


ただ、もの凄く力がみなぎる


誰にも負ける気がしない感じだ


「あ、それとだが」「魔法を使いすぎて魔力が無くなった時の話をしようか」


空になったら動けなくなるとかか?


「基本的に魔力が空っぽになると死ぬからな!!」


マジかよ・・・


魔法ってリスク高いんだな


「いや、空っぽになる前に魔法が使えなくなるから、そうそう空になる事は無いが」


「無理をして空にしてしまうと最悪死に至る」


「まずは、精神から苦痛がきてその後、スタミナ切れのような疲れがきて死ぬ」


要するになぶり殺しのような感じで死ぬのか?


「例え体がピンピンでも死ぬからな」


それは不便だな


「さあそれを踏まえて、レッツバトルだ!!」「ワシも真面目にやるから、気を抜くと死ぬぞ」


くっ、久々のプレッシャー・・・


本当にあの時のようなプレッシャーだ


魔王城から少し出て行った草原に2人は来ていた


一応、レベルスコープが反応するか見てみるか


ピピ


反応した!!


魔王、どれほどのものか


「魔王 レベル90

 武器 無し             スキル 強力な覇気 デビルマインドジャック・・・その他

 防具 無し             魔法 ブラックホールテレポート 上級魔法全て・・・その他

 装飾品 禍々しい呪宝石の指輪                               」


!!!


なんて強さだ!!


改めて思う魔王の強さ


コイツだけで服部と戦えるんじゃないのか?


武器と防具をつければさらに強くなるのか・・・


しかもスキルと魔法の数が多すぎて全て見る事が出来ない


「さあて、達也君」「命を捨てる覚悟はいいか!!!!!」


ゴオッと強い風が吹いたかのような気迫


なん、なんだ?コイツの気迫は!?


脅しだと分かっていても、くそっ・・・!!


ペタンと尻もちを着く達也


こんなんに勝てる訳がねぇだろ!!と本能が言っている


ダッと魔王は駆け出しこちらに向かって来る


本気だ!!魔王は本気


俺を殺そうとしてきている!脅しなんかじゃない!!


だとしなければ、あのスピードにあの殺気の説明がつかないだろ!?


避けなければ!!


ズドォン!!!!


達也に向かって突進してきた


草原の大地は大きく抉れ砂埃をあげる


「はぁ、はぁ、はぁ」


馬鹿なんじゃねーの!?


こんなんマジで当たっていたら死んでいたぞ


「どうした?まさかこの程度で四天王に勝てると思っているのか?」


魔王、何なんだよ、くそっ


ん?


右手に力がこめられている


魔力?いや、多分魔力だ


これが魔力・・・


先程感じた微量な魔力とはあきらかに量が違う感じ


今ならクリアアビリティを使えそうだ


ダッとまた魔王が向かって来る


速い!!!目で追うのがやっとだ


こんなんに勝てる主人公とかいるのかよ!?マジで


RPGゲーム少し尊敬するわ!


ってかスキルの杖使って魔力を膨大に消費したのにこの速さかよ!


だが、今は使えそうだ


達也は向かって来る魔王に手を向ける


クリアアビリティ!!


魔王のパンチが寸前まで迫る


ダメか!!


くそっ、俺、死んだな


カッコわりー死に方


技名叫んで死ぬのかよ・・・


・・・

・・・・


達也は目を閉じていた


あれ?


スッと目を開ける


魔王の動きが止まっている


「くっ・・・なんて強力な力」


まさか、効いているのか?クリアアビリティが!!


ほんの数秒で魔王はまた動き出す


それを間一髪でかわす


危ねぇ、あと少しで当たっていた


「達也君!!!それが君の能力」「クリアアビリティだ!!」


「このワシでさえ数秒、全ての能力が無効化された」


レベル90の魔王ですら無力化できるのか!


だから、魔王の動きが一瞬止まった!!


「使いこなせれば無敵だな!そのスキル」


だが・・・


ガクッと達也は膝をついた


「はぁ、はぁ、はぁ・・・」


「やはり膨大な魔力を消費するか・・・」「決めにかかる時以外は使用を控えないと死ぬぞ?」


もう使えねーよ


体も動かねぇ


魔王の言っていた事が分かった


精神的に疲れ、スタミナが空になる感じ・・・


これ以上、いや、もう一回クリアアビリティを使うと確実に墓の中だな


「達也君、もう一度使ってみろ」


は?おいおい、マジかよ!?


冗談はよしてくれよ・・・


全身の力が入らねーよ!!


「はぁ、はぁ、はぁ、無理だ」「力が入らない・・・」


「じゃあ強制だ!!」


はい?


嘘だろ?そもそもどうやって強制的に使わせるんだよ


「魔女、コントロールメロメロキスをしてくれ」


側近の魔女・・・いつの間に


いや、そんな事より、コントロールメロメロキスを使われるのはマズい


本当に強制的に使わせられる


「分かりました、使わせてもらいますじゃ」


くそっ、止めろ!!!


「コントロールメロメロキス」


ババァのキスなんか喰らいたく、・・・じゃない、マジで死ぬから!!、おい待て!!!


チュポン


最悪だ・・・


「ぐっ・・・」


頭が支配されていくのが分かる


フローライトよりも強力な支配力


やべぇ!!


口が勝手に!!


「クリア・・・アビリティ!!」


だが、発動できないから大丈夫だろ!?魔力が絶対に足りていない


「魔力が足りないから大丈夫とか思っているだろ?達也君」


うっ・・・


「だが、こやつのコントロールメロメロキスの支配力は強力だ」


「逆らう事はできない、例え魔力が無くても、空になるまでクリアアビリティを使うだろう」


そもそもになんでそんな事をする必要があるんだよ・・・!?


「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ・・・」


息が苦しく・・・


クリアアビリティが強制的に発動したのか・・・・


本当に死ぬな・・・これは・・・・


達也はそのまま意識が無くなった


・・・

・・・・


ここは?


魔王の部屋か?


うっすらと意識が戻り天井が見えてくる


だが、突然激しい痛みに襲われる


心臓が縛りつけられるような痛み


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」


「うむ、薬の副作用が出たか・・・」


「はぁ、はぁ、はぁ」最悪の気分だ


精神的にも肉体的にもズタボロ


カルヴァンの時の精神攻撃とはまた違った感じだ


「まあ、すでに魔力を有するようになった時点で薬の効果はあったということだ」


「それに魔力の量がすでに半端ではないな・・・流石、達也君と言ったところだ」


「はぁ、はぁ、どうして魔力を全て使わせた?」


「身をもって知るためだ」


何をだ?


「いや、達也君、これからどうせ無理をすると思うからの」「魔力が空になる恐ろしさを身をもって体験させるためだよ」


・・・くそっ、あまり否定が出来ない


魔王め・・・なんやかんやで俺の性格分かっていやがるな


「さて、当分は魔力増大とコントロールのための修業じゃな」


「現時点でフローライトちゃんより多い魔力を有しているのにもかかわらず1発しかクリアアビリティが使えなかったからの」


そこまでの消費なのか・・・


逆に言えば相当なスキルなんだな、クリアアビリティって


まあ、主人公の能力無効化だからそうだろうが・・・


「せめて3発使えるくらいにはならないとな!」


まあ、確かにそうだが3発も今使えば死ぬな・・・


「だがらしばらくはワシと命懸けのしゅ・ぎょ・う・じゃな」


「ああ、分かったよ」


「とは言え今日はもう動けないだろうからゆっくり休むんじゃ」「薬の副作用もある事だし」


確かに指一本動かん


首から上が少し動く程度


そう言い魔王は部屋から出て行った


入れちがいにミクシーとフローライトが入って来る


「たつやーーー!!」


「達也、大丈夫なの?」


「ああ、なんとかな・・・」


ふぅ、コイツらにも心配かけるなんてな・・・


「キュアキス!!」


チュッと達也の頬にフローライトはキスをする


精神的にも回復するよな、その技(嫌みとかじゃねーよw)


指が動くようになってきた


「たつや、あんまりむりしないでね!!」


ミクシー・・・


・・・

・・・・


「魔王城、魔王の席」


魔王と魔女は話していた


「魔王様、達也君大丈夫でしょうか?」


「ん、何がじゃ?」


「クリアアビリティ、しっかりと身に付けられるでしょうか?」


「ああ、それについてだがワシは逆に驚いておる」


「魔力の量が尋常じゃないほど増えている」「あれはいくら薬を使ったとしても異常だ」


「確かに、初日から1発使えるとは私も驚きました」


「普通はありえないがな・・・」


「体はついていくのでしょうか?」


「まあ、フローライトちゃんのキュアキスもあるから大丈夫じゃろ」


「なんだったら私のキスもありますし・・・」


「いや、お前のキスは逆効果だと思うぞ」と心の中で思ったが言わなかった


「さあ、しばらくは忙しくなるな・・・」









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