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ミクシーとフローライトの強化合宿

フローライトに精神回復をしてもらったとは言え、万全ではなかったので宿でしばらく休むことにした


まだうつ病のような(なった事はないが)なんのやる気も起きない感はある


相当精神ダメージを負ったのだろう


それに、思い出したくもない事を思いだしてイライラする


「次の行き先は主人公の集まる都市「エリア」か・・・」


だが、すぐにそこへ向かっていいのだろうか?


レベル21の主人公と戦い自分たちのレベルが分かった気がする


これ以上強い主人公と戦えば、こちら側が命を落とすことになるかもしれない


もちろん聖属性という特殊な主人公だったから、もう少し高い主人公とも戦えるだろう


しかし、無理は禁物、命を失えば元も子もない


それが分かった


通信をつなぐ


「魔王、少し寄り道をするがいいか?」


「って達也君!?心配したんだぞ」「聖属性の主人公はどうなった?」


「殺した」


「そうか・・・」魔王は達也に少し違和感を感じた


「しかし、聖属性の主人公を退けるとは恐れ入ったよ」


「まあ、ギリギリだったがな・・・」


「無理だと思ったらワシを呼ぶ事も考えておくのだぞ」


「ああ、で、寄り道の件だが・・」


「いいぞ!構わん」「それと達也君とその仲間たちに朗報」


朗報?


「ミクシーちゃんは「スライムの神殿」、フローライトちゃんは「マジックビーチ」に行くとよい」


「丁度寄り道を考えているならその2つの場所に向かうとよい」


「どういった場所なんだ?」


「種類別強化ができる」「スライム系なら「スライムの神殿」、魔女なら「マジックビーチ」と言った具合にな、地図も送っておくから行ってみるといいぞ」


なるほどな


「すまないな、じゃあ通信を切る」


そう言って達也は通信を切った


・・・

・・・・


「達也君・・・・」


「どうかしました?まもっ・・・ゴホン、魔王様」


「いや、まもうってまたかよ!?」「直らないの?その言い方?どうしてもまもうってなるの?」


「申し訳ありませんまもう様」


「・・・・もういいよ、うん、まもうでいいよ」


「で、どうかしましたか?」


「ああ、達也君」「初めは聖属性の主人公を倒せて感心していたが」


「いたが?」


「なんだかな・・・あの「殺した」って言う短い報告、引っ掛かる言い方でな」


「と言いますと?」


「ワシにもよく分からんが、悪い方向に達也君が進んでいる気がしてならんのだ」


「あちしにはよく分かりませんが・・・」


「うむ、ワシもあくまで予感だから絶対とは言えんがの・・・」


魔王は達也を心配していた


何を?


それはまだ本人も分からないようだ


・・・

・・・・


さて


達也はベッドから起き上がる


「あら、もういいの?」


「ああ、だいぶ良くなった」「この街から早めに出ようと思う」


ミクシーとフローライトの強化の事もあるが、それよりもこの街で一番強いカルヴァンを殺した


多分、街中で騒ぎになっているハズだ


しかも、前日に有名な酒場のマスターにカルヴァンに会いに行くと言ってしまった


疑われる可能性もある


本当はまだ気分が優れないし、頭痛もするがそんな事は言ってられない


宿の外に出ると白の風船と黒の風船は飛んでいなかった


ここ数日で風船の数も減っている


大半が俺が殺したからだ


「行こうか」


達也はミクシーを頭に乗せアイテムショップに寄ってから街を後にした


ミクシーもフローライトの精神回復で昨日意識を取り戻したが、今は元気がない


精神ダメージがまだ残っているせいだろう


「ミクシー、気分はどうだ?」


「うん、まだあたまがぐるぐるしてきもちわるい」


ミクシーの精神的ダメージも相当だったようだな


アイテムショップで買った薬をいくつか飲ませた


今は草原を歩いている


・・・

・・・・


ウェザリア「酒場」


バーのマスターは考え事をしていた


「先日寄った青年がカルヴァンさんの元に行くと言った後死んでいる」


これはおかしい・・・


あの青年がカルヴァンさんを?


この街で一番強い人を殺せるのか?


だが、あの内に秘める何かに恐怖を感じたのも事実だ


いや、あの青年が殺したとは限らない


変に疑うのは止めておこうか・・・


「いらっしゃいませーー」


・・・

・・・・


「スライム神殿」


そこまで遠くはないが一体どんな所なんだ?


道具を揃え万全な準備はしたが油断は禁物だ


それにミクシーや俺の精神状態も良くない


カルヴァンとか言う男、死んでなお気に食わない奴だ


フローライトだって魔力が全回復とは限らない


今日は野宿でもしようか・・・


達也達は「スライムの神殿」の目の前にたどり着いた


だが、入ろうとはせずそのまま草原で一夜を過ごすことにした


もちろん岩の陰で安全を十分に確認したうえで


気分が優れないが、寝ることは出来そうだ


「達也、気分はどう?」「メロメロフェロモンで一応精神状態を良くしておきましょうか?」


「ああ、頼む」


フローライトはスッと達也を抱きしめた


魔女の成分からメロメロフェロモンは生成される


だが、魔女に直接接触することでもフェロモンの効果は得られる


抱きしめられると、憂うつな気分が少し晴れた気がした


その分フローライトは魔力を消費する


「助かった、俺はもういいからミクシーにもやってあげてくれ」


「もちろん言われなくても分かってるわ」


ミクシーもそっと抱きしめフェロモンを嗅がせる


嗅がせると言ってもフェロモンだから無臭だ、それ以前にミクシーは寝てしまっているから匂いは関係ない


だが、ミクシーの顔がどこか安らかになった


「悪いな、フローライト」


「いいえ、お安いご用よ」「添い寝してあげましょうか?」


まあ、見た目が人間と変わらない美女にそんな事を言われるとこっちもあれだな


「いや、1人で寝るからいい」


本当に気分はそう言う気にはなれない


聖魔法の「メンタルブレイク」を2発喰らって倒れないとは!とカルヴァンは言っていた


それを3発喰らった俺の精神はズタボロだ


早く休もう


達也は眠りについた


・・・

・・・・


これは・・・


夢?


何年か前に夢を見て以来見てないから驚いたな


手を見る


赤いものが手に付いている


ドロリとした感触


血?


!!!!


これはあの時の!!!


「母さんを頼んだぞ・・・・」


この声は


父さん!!!


やっぱりあの時の


はぁ、はぁ、はぁ、止めてくれ


思い出したくない、思い出したくもない!!


なんでまた思い出すんだ!!!


カルヴァン、アイツのせいで3回も思い出した


もう止めてくれ!!!


「お父さんは勇敢だった!多くの人の安全を守った」


お前は!!!!


くそっ止めてくれ!!!!!!


「!!!!!!!!!!!」


「はぁ、はぁ、はぁ・・・・夢か・・・・・」


ちくしょう、また思い出したか・・・


達也は拳を強く握り、舌打ちをした


まだ夜中で綺麗な星がたくさんあった・・・














おまけ


魔王の所持しているスキルの杖は世界三大武器と呼ばれる代物でレア度は相当高い


それよりも注目すべきなのが「何でも好きな技が3つまでなら手に入れられる」という点だ


だが、そのスキルの杖のスキルを発動するのに膨大な魔力を消費して雑魚主人公などでは触れることすら不可能である


魔王がどういった形跡で手に入れたのかは分からないが、扱える所を見ても相当な実力者である事がうかがえるだろう


ただ、いくら魔王でも発動後しばらくはスキルの杖に触れられなくなり、自身の魔法も大きなものが使えなくなる



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