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正義ぶる奴を見ると吐き気がするんだよ!

「カルヴァン レベル21

 

 武器 ホーリーセーバー   スキル 連続斬り、見切り、ホワイトソード

 防具 白の聖服       魔法  聖属性魔法

 装飾品 祈りのペンダント                       」



カルヴァンの腰には細い剣がぶら下がっていた


首には雪の結晶のような形をしたペンダント


あの白い聖服はどの程度の硬度なのだろうか?


最初はフローライトに行かせて様子見だ


ミクシーには毒を塗って待機させる


教会の外から覗いていたが、いつの間にかフローライトの姿は無かった


スッとカルヴァンの背後に近付く


あの魔法をする気だ


球体の水魔法で、首から上をスッポリと覆い窒息させるあの技


この技は相手の魔力も奪う


音も気配もなくカルヴァンの後ろにフローライトは立つ


地面から現れることなど誰が想像しようか


一気にカルヴァンに目がけて球体の水を被せようとする


「!!!!!!!!」


瞬間、カルヴァンはフローライトの存在に気づき


ホーリーセーバーを後ろに振る


なんて反応スピードだ


フローライトは地面に潜ることで剣を回避した


しかし、あの剣のスピードは侮れない


背後から先手を取ろうとしたフローライトが危うく斬られかけたのだ


「何者かな?このボクの背後を取るとはやるね!」


コロコロとカルヴァンの足元に爆弾が転がる


「手榴弾!?」


カルヴァンは後ろに飛びのき回避する


ボカァンと大きな爆音と共に教会の床がえぐれる


イーピンの時よりも強化した爆弾だったがいい反応をしやがる


チリン、チリン


「また後ろ?」


振り返り剣を構えるカルヴァン


ボイン


顔面直撃、相変わらずこの技は上手くいく


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ミクシーに鈴をつけ振り向き際に顔に当たるように仕向ける


「スライム?こんな所に迷ったって訳じゃあるまい!」


顔から落ちて宙に浮いているミクシーを容赦なく斬りつける


ブン


「!?」


瞬間ミクシーは移動した


フローライトがミクシーを抱きかかえ一気に反対側の達也が居る所まで移動させた


もちろん地面に潜れるのはフローライト本人だけなので高速で移動したまでだ


「おねーさん、ありがとう」


「いーえ、全然いいのよ」


「あー・・・君、最近噂になっている勇者狩りの人?」


知られているのか・・・


「だったらどうした?」


「いーや、君も馬鹿だねぇ」「ボクの所に来るなんてさ」


余程の自信家みたいだな


「大体、このスライムに塗っている毒もボクには効かないよ?」「この程度の毒」


バレていたのか・・・しかも効かないとはな


「大方、ボクの使う魔法の属性もバレているだろうけど大丈夫なの?」「回避できないよ?ボクの魔法」


回避できない・・・


速すぎて避けれないという事か?


「ハハっ、まあ喰らえば分かるよ」


カルヴァンが動き出す前に達也は拡散型飛び道具(毒付き)を投げた


「無駄な事を」


カルヴァンは拡散した針を全て剣技ではじいた


キィン、キィン、キキキキキン


すばらしい・・・


だが、それも計算済み


もう一度達也は投げる


その間にフローライトは地面に潜る


ミクシーは次々と拡散型飛び道具を達也に渡す


「我慢比べってわけ?無駄な事を!」


キキキキキン、キン、キン、キン


全ての針をはじく


ここまで丁寧にはじき返す事が人間に可能なのか?


はじいている最中、フローライトは地面から手と顔だけを出しメロメロキスをする


ポン、とハート型のキスがカルヴァンに目がけて飛ぶ


針をはじいている最中なら当てられるかもしれない


パチン


カルヴァンの口元でメロメロキスが弾けた


「くっ、いつの間に!?」


カルヴァンは咄嗟に聖服をバサッと前に出し、針を防いだ


剣ではじけなくなったのだろう


聖服の硬度はそれなりに高く、いくらか針が刺さったがカルヴァン本人には届いていない


だが


「くそっ魔女の魔法か・・・」


レベル21の主人公にメロメロキスは有効のようだ


カルヴァンは頭を押さえ苦しそうにしている


効果が表れるまでもう少し、もう少しでフローライトの虜になる


だが、虜になる前に!!


達也は爆弾を投げる


さようなら、とまでは思っていない


多分死なないだろう


ボカァァン


カルヴァンの前で爆発


モクモクと煙を上げている


ボフッとカルヴァンは煙の中から飛び出す


やはり生きている


爆弾のダメージはせいぜい聖服に傷を付けただけか・・・


しかし、カルヴァンの足は血が付いていた


これは爆弾によるものではない


ホーリーセーバーに血が付いているからだ


恐らくメロメロになる寸前に自分の足を刺して防いだのか・・・


しかし、怪我をした足でよく爆弾を回避したものだ


「やるね!!だけどこの程度の策でボクを倒した気になっちゃ困るな」


分かっている、倒したなど微塵も思っていないさ


「しかしどうする?もうボクは魔女のキスには当たらないよ」


そうだろうな


ほらよ


達也はもう一度飛び道具を投げる


今度は一直線に飛んでいく威力のあるタイプの道具


「無駄!!」


ギィンとさっきよりも大きな音ではじき返す


その瞬間


ぼろっ


ホーリーセーバーは折れる


「何!?」「なぜだ?」


「最初からお前に投げていた拡散型の飛び道具には毒を塗っていたんだが」


「その毒は金属を腐らせる成分を含んでいてな・・・」


お前に飛び道具が効かないことなど誰でも想像できる


だから、先に武器を壊させてもらったわけさ


「ハハハハっ、キミ賢いな」「この足にせよ、まずはボクの周りから攻めようって感じ?」


その方が殺しやすくなるからな


「分かった、分かった・・・」「なら、聖属性の魔法を喰らえ!!!」


スッと達也に手を向け


「メンタルブレイク!!」とカルヴァンは叫ぶ


「ぐっ・・・」


達也は苦しみ出す


「たつや!!!」


「達也!!!!」


なんだこれは!?


精神攻撃か!!


「ぐあぁぁぁぁ!!!!!!」


昔の嫌な思い出やトラウマが!!!!


脳みそをしっちゃかめっちゃかかき混ぜられてグチャグチャにされているみたいだ


「はぁ、はぁ、はぁ」


「どうだった?ボクの聖魔法?」「精神を戒め罰を与える魔法なんだよ」


神様気取りか!・・・それで聖魔法


しかし、何度も喰らう訳にはいかない


「ハハっ、嫌な思い出がある奴には効果が倍増だね」


チッ、確かにこれは回避できねぇな


「喰らい続ければが精神崩壊しヘンテコ人形みたいになるんだよ」


「ほらっ、もう一度」


カルヴァンは達也に手を向けもう一度発動する


ピョン


「ミクシー!?」


瞬間、ミクシーが盾になりそれを喰らう


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「ミクシー!!!」フローライトと同時に叫ぶ


ミクシーの場合、主人公に倒された仲間たちの事を思い出させられているに違いない


「あああああぁぁぁぁぁ!!!!!」


「てめぇぇ!!!」


冷静さを欠いた達也にも聖魔法が襲う


「ぐあああぁぁぁぁ!!!!」


頭が割れそうだ


くそっ止めてくれ!!!


バシャァン


カルヴァンに中級水魔法が飛ばされるが壁に当たり外れる


だが、そのおかげでトラウマのフラッシュバックが治まった


高水圧の水は壁を崩しガレキに変える


「はー、はー、はー、」


思考がうまくまとまらない・・・


「君の魔法、あなどれないね!魔女」


しかし、少し息が荒いところを見るとあの聖魔法、あれだけでかなりの魔力を消費するみたいだ


「しっかしさぁ、君もしぶといね」「2回喰らってまだ立てるの?」


「・・・・・はぁ、はぁ」


「でも、言葉を返す精神力は残ってないみたいだね」


「大丈夫!?達也」


「・・・フローライト、耳を貸してくれ」


「何?」


これは一番やりたくなかった事だが仕方がない


「なんだよぉ、作戦会議?」


「コントロールメロメロキス」フローライトは達也に向かってメロメロキスを発動


チュ、と達也の顔にキスをする


やべぇ、理性を失いそうだ


「達也、任せたわよ!」


フローライトは地面に潜りこむ


ダッと達也はカルヴァンの元に駆け出す


「何?作戦って自暴自棄のことだったの?ハッハッハおっかしーー」


スッと達也に手を向ける


「メンタルブレイク!!!」カルヴァンは精神攻撃を使う


お構いなしに達也はカルヴァンに向かう


「何!?効いてないだと」


そりゃそうだ、今俺はフローライトのコントロールメロメロキスで支配され操られているから、精神支配など二の次に関係ない


今あるのはフローライトにコントロールされた精神のみ


カルヴァンを倒せとコントロールされたなぁ!!


ガシッとカルヴァンの聖服を掴む


離さない!!!


「くそっ離せよ!!」


始めに剣を壊しておいて良かった


これで終わりだ!!


カルヴァンの背後からフローライトが現れる


そしてそのまま球型の水で首をすっぽり覆う


「ごぼぼっ!?」


この水魔法は魔力も奪うからお前は終わりだ


体は俺が押さえつけているからお前は抵抗する事も魔法を使う事もできない!!


「フローライト!!まだ殺すなよ」


「分かったわ!」


5分ほど水で覆い魔法を解除する


達也はコントロールメロメロキスの効果が切れたと同時に効かなかった3発目の精神ダメージが襲って来る


「ぐぅぅあぁぁぁぁぁぁーーーーーはぁ、はぁ、はぁ」


頭が粉々になりそうだ


「達也!大丈夫!?」


フローライトはメロメロフェロモンを達也を抱きかかえて嗅がせる


「はぁ、はぁ、はぁ」


気持ちが落ち着いてきた


フローライトに包まれ精神が落ち着いてくる


「はぁ、はぁ、助かった・・・」


カルヴァンが目を覚ますまでミクシーの回復も行った


「ありがとうおねーさん」


「いいのよ・・・」


フローライトも攻撃魔法から、球型魔法から、治癒魔法から(精神回復だが)かなり魔力を消費しているみたいだ


「!!!くそっ、貴様ら」


目を覚ましたか・・・


激怒しているが、縄でカルヴァンを縛りつけているので暴れる心配はない


「はぁ、はぁ、カルヴァン」「俺はアンタみたいな正義ぶる奴を見ると吐き気がする」


「こんな事をしてどうなってもいいのか!?」


「アンタの話を聞く気はない」「それにアンタのせいで思い出したくもない過去を思い出した」


「覚悟しろよ・・・」達也はそう冷たく言いホーリーセーバーのかけらを拾う


「・・・・ハハっ、カーティスさんごめんなさい」


ザクッ


カルヴァンは二度と目覚めることは無かった























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