久しぶりの頭脳戦
あれから達也はウェザリアに戻って道具を調える
「ミクシー、また毒塗り戦法やってもらうからな?」
「はいはいさーーー」
返事はいいが、テトリスをしながら・・・・大丈夫か?
魔王がウェザリアの風船の説明の時に魔法の属性の事を言っていた
つまり、その属性全てに対抗できる物をそろえないと・・・
なにせレベルスコープがイーピンとやらに反応していないから属性が分からない
今のところ主人公はわんさかいるが平均的に見たレベルは9
最高でレベル11だった
こいつらに労力は使っていられない
どういった戦法をとろうか?
達也は花粉の粉(毒粉)と水、ゴム製の靴に爆弾、それに拡散型飛び道具をいくつか買っておいた
あ、マスクも忘れずに買っておかないと
イーピンは男と言う情報を得た
悪魔の泉を出る時に、魔女たちからメロメロフェロモンと言う薬(魔女たちの体から出る成分らしい)を貰っておいた
どうやらレベルの低い男主人公ならイチコロレベルの魅力を感じるらしい(男が塗っていても)
女主人公にもある程度効果があるそうだ
ピピ
ったく
さっきからレベルスコープが引っ切り無しに反応している
「!!」
「イーピン レベル13
武器 魔法の杖 スキル なし
防具 絹の魔法耐性服 魔法 エネルギー 各属性下級魔法
装飾品 マジカルピアス 」
居た!!!
あいつか
姿を確認して1発でイーピンだと分かった
レベル13
今までで服部の次に高い主人公か
しかも全属性の魔法を使えるだと!?
上等だ!!!!
達也は悪魔の泉で殺した主人公レオの胴鎧(ヒビが入っているが)を身に着けていた
まずは、ミクシー
ぴょいん、ぴょいん、ぴょいん
ヘンテコな音でイーピンに近づく
もちろん、体には毒が、しかも今回はメロメロフェロモンも塗ってある
つまりは、街中ではなく、目立たないところでこっそり殺すためにフェロモンで誘導するつもりだ
ボイン
よし、顔面にヒットだ
遠目から達也は確認する
なんども触れてきたが、ミクシーの感触はお○○いに匹敵するため、男性なら顔面に直撃しても嫌な気がしない、 ハズ・・・
「んあ!?なんだ??スライムか!?」「こんな街にスライムがいるとはぁぁぁ~~」
語尾がおかしい、さっそくフェロモンが効いているのか
ちなみに毒はレベル1主人公ゴンザレスを殺した時と同じ者
ストロングファイヤードラゴンタウンで複数の主人公を強力な毒で殺したが、流石にこれをミクシーに塗ると危ないと判断したため、1番最初の毒にした
イーピンを街の裏角まで誘導させるミクシー
指示はしてある
「ぐっ・・・」
毒が効いてきたか?
「毒か!?いつのまに・・・」
毒の苦しみのせいで我に返ったみたいだな
イーピンは自らに手をかざす
すると、スッと顔色の悪さが引いていった
チッ、治癒魔法まで覚えていやがったか!!!
「エネルギー!!!」イーピンはそう言って、ミクシーに魔法を飛ばす
もう少し堪えてくれミクシー
エネルギーとは要するに無属性の低コスト魔法か・・・
ミクシーはぴょんと飛びはねそれをかわす
「あぶないなーーーもう!!!」
のんきだな・・・
でも、まあ良くやってくれた
「ミクシー代われ!!!」
「はいよ!!」
ここで達也が姿を現す
「何者だ?お前は??」
「イーピン、アンタを殺させてもらうぜ」
このタイミングでミクシーに買っておいた水を渡す
「出来るだけイーピンの側にそれを置いて来い」と小さな声で指示する
「はいよ!!!」
達也はマスクをしながら(ミクシーにも付けてあげた)花粉の粉(毒粉)を袋から撒く
「これは毒粉か!!」
イーピン、流石だ
だが、気付かれることは前提で行動している
イーピンは杖をかざし、炎魔法を唱える
ボオッと花粉をかき消し無効化する
よし!!計算通り
花粉を炎で無力化、これでまた魔力を消費したハズだ
ミクシーがイーピンの足元に水を置いてきたのを確認
今だ!!
達也は爆弾を投げる
威力は低いが人1人殺すことくらいは容易
「ミクシー!!!こっちに来い」
「あいさーーー」
「ってコイツ、いつの間に!!」イーピンは足元にいたミクシーに驚く
ボカァァン
3つ投げた爆弾のうち1つはわざと外した
その外した爆弾をミクシーに気を取られ対処できなかったお前は命取りになる
2つ目3つ目は氷魔法で凍らせて爆発自体を不発にする
人間観察は俺の特技だ
最初の治癒魔法でかなりの魔力を消費しているみたいだな
それに加え、炎、氷魔法、もう少しだ
お前はこれ以上の魔力の消費を抑え、必ず足元の水を使う
「はぁはぁ、爆弾か・・・危なかった」「足元に置かれたのは水か??」
「おい、ミクシー!!俺が置けって言ったのは爆弾で水じゃねぇーー」(もちろん演技だ)
「ええ~そうなの!?ごめんなさい」(ミクシーには伝えてない為迫真の演技と言うか、本当に謝ってきていてリアルさが増す)
「やはり水か!!お前達のミスで俺の勝ちだ」
イーピンは水を辺りにぶちまける
そしてそのまま雷魔法を唱える
自身は魔法耐性服を着ているので平気みたいだ
だが、平気なのはお前だけじゃない
俺もゴム製の靴を2重に履いている(ミクシーも俺の頭の上に避難させた)
ゴロゴロゴロと雷の音が轟く
ドカァンと地面に雷が落ちる
「!?」イーピンは驚く
「効いてないだと!?」
「残念、ゴム質の靴を履いているもんでね、しかも2重に」
なにより感電死させようとしたお前の貧弱のおつむに俺は笑ったよ
普通に俺に落とせばいいものの
よし、イーピンが一気に弱っていくのが分かる
魔力の使いすぎだ
後はもうひと押し
達也は拡散型飛び道具を取り出す
それを一気にイーピンに向かって投げつける
ショットガンを撃ったかのように飛び道具から針が飛び出す
もちろん当たれば死ぬぞ?
お前はそれを防ぐために風魔法を使うよな?
「くそっ、魔力が心配だが仕方がない」
さあ使え!!
「風魔法!!!」
来た!!!!
イーピンは風魔法を唱えると体に風の衣を纏った
強力は風は肌が切れそうなほどの風圧を生み出す
「終わりだ、イーピン!!」
その瞬間、街裏の壁は崩れ出した
イーピンの風魔法にレンガで出来た壁は耐えきれなかった
ガラガラガラ、一気に崩れイーピンは下敷きになる
ククククク、最初に外した爆弾は、この壁を老朽させるためだったんだよ
命の危険を感じたお前は迷わず風魔法を使うと思った
上半身だけ潰れていないイーピンに達也は近づく
「残念だったな勇者さんよ」
「くっ、お前は一体何者だ?ハァハァハァ」
魔力を使い果たして苦しそうだな
「お前ら主人公を殺すものだよ」
冷たい目で達也はそう言う
「な、なんだと!?」
「まあいい、とりあえず」
「さようなら」
・・・
・・・・
イーピンを倒して再び悪魔の泉
さっきの3体の魔女に加え、ひと際美しい魔女(ほぼというか完全に人間だろ)がいた
「アンタがリーダの魔女か・・・」
「そうよ」
さあ交渉開始だ
おまけ
宿で食べる食事にスライムゼリーを混ぜてみよう
多分バレないだろう(ワクワク)
夜、食事の時間
ミクシーにバレないようにこっそりとスライムゼリーを入れる(もちろんショップで事前に買っておいた)
「いただきまーす」
ミクシーは気が付いてない
「あーん、ぱくん」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
・・・
・・・・
・・・・・
うん、部屋が凄い事になったよ・・・
ゼリーと言うか嘔吐物が出て来たよ・・・
うん、二度とやってはいけないな・・・
ごめんなミクシー
それ、俺が入れたんだ・・・許してくれ