大都市ウェザリア
平岡達也18歳 スキル モンスタースカウト(ただし達也の実力が伴っていないとスカウトできない)
仲間 ミクシー(スライム)テトリスが好き
達也が今来ている場所はストロングファイヤードラゴンタウンと真反対の大都市ウェザリア
理由は2つある
1つは服部から離れるため
次に出会ったら、流石に現時点では命を捨てることになるだろう
2つ目は強力な魔物の情報を得るため
少しでも頼りになる仲間がいないか、この大都会で情報を得る
「たつやーーすごいね、このまちーーー」
ミクシーのテンションが高い
「ねーねーねー」
珍しくテトリスをしていないところを見ると相当テンションが高い
「なにこのきれいなふうせん」
俺も思った
このウェザリアとかいう街、赤、青、黄、緑、水色、白、黒など様々な風船が飛んでいる
達也は通信機をつないだ
「魔王、この街について詳しく教えてくれ」
・・・
・・・・
・・・・・
「ズズゥー」と何か飲み物をすする音
「はぁ~」
・・・
・・・・
・・・・・
「ハーブティーって美味しいね」「なんかこうさ、心が落ち着くよね」
「お前から殺すよ、やっぱり」
魔王はハーブティーを吹き出した
「ブフゥ、ゴホっゴホっ、気管に入った!!」「って何回やれば気が済むのよ!このやり取り!!」
それはこっちのセリフだ、ハーブ爺
「魔王様、あ、間違えた」「まもう様気をつけて下され」
「・・・・ねえ、開き直っているよね、この魔女は」「もう魔王だった!って言うのが面倒でまもうになっているよね・・・」「あれ?目が熱いや・・・なんでかな?」
「早くしてくれ」と達也
「はやくしてくれーーー」とミクシー
「ミクシーまでワシをいじめるか・・・とほほ」あれ以来ミクシーを孫のように可愛がる魔王
「ミクシーちゃーん、魔王ですよーーー」
「死ね」
「・・・ワシやっていけるかな、この先」
「とまあ冗談はここまでじゃ」とキリっとした顔で言う
「最初からアンタだけだよ、ボケなのは」
「ボケている、じゃなくて、ボケなのね・・・」
「ああ、風船の事か」「それは魔力の塊じゃな」
「魔力?」
「ああ、この街にいる魔力を持ったものの風船じゃ」「主人公とか関係なしに、少しでも魔力を持っている者は風船が出来て空に浮く」
「つまり、この風船の数イコール能力者の数とみていいのか?」
「まあ、そうなるの」
「色はどういう意味だ?」
「炎属性なら赤、雷属性なら黄、風属性なら緑、水属性なら青、氷属性なら水色、聖属性なら白、闇属性なら黒といったとこかの」
「白や黒はそうそうないがの・・・」
「確かにな・・・今のところ1つずつしか見えない」
「そ!だから天気みたいに風船の色が変わることからウェザリアって名前が付いているわけ!!」
うん、納得はしたが、しゃべり方ムカつくね
「やっぱりお前後で殺す」
「えぇ!?なんで?あっつぅ、またはーぶてーこぼれた」
ブツン
達也は通信機を切った
「たつやーーおなかすいたーーー」
「酒場に行ってみるか?お前は袋詰めだけど・・・」
ってそろそろ何か着させて街を歩かせてもいいかもな
という訳で先に服を売っている店に行く
「いらっしゃいませーー」
「子供用の服、ないか?」
・・・
・・・・
ハロウィンでかぶるような帽子に可愛めの服
スライムのくせに中々似合っているな
これなら魔物だと気付くものはいないだろう
なんせテトリスが出来る魔物などそうそういないからな
「たつやーーーはーやーくーたーべーーたーーいーーー!!」
「はいはい・・・」
こいつも3歳児と大差ないな・・・
通信機の地図を頼りに人が集まりそうな酒場へ向かう
・・・
・・・・
「ここだな!」
かなり大きめの酒場だ
看板には色々な料理の写真が貼ってある
ガランとガラスのドアを開ける
意外と綺麗な場所だな
もっとごみごみしていて、酔っ払いがたくさんいると思ったのに
「いらっしゃいませー」
情報を持っているのは誰だ?
辺りを見渡し物静かな女性の隣に座る
なんか彼女に似ていたから・・・(いや、嫌みじゃねーよw)
「こんにちは」
なんか向こうから声をかけてきて意外だと思った
「こんにちは」「ちょっと聞きたい事があるんだけど」
「何かしら?」
達也は適当に食べ物と飲み物を頼む
この女性にも酒を頼む
「がつがつがつ、うまいねたつや」「すごくおいしい!!」
おい、人前であまりしゃべるなよ・・・
「あら、お子さん?」「可愛いわね」
お子さんて・・・
「ん、ああ、そんなとこ」
「と、何が聞きたいのでしたか?」
「この辺で有名と言うか、手ごわい魔物、知らないか?」
「あら、あなた勇者?」
違うけど、魔物の話をすると勇者だと思われるのか?
「まあね、ちょっと情報を得たくて・・・」
「う~ん、この辺で・・・」
中々いないもんか?
「マスター、この辺で手ごわい魔物って何かしら?」
助かる
「そうだな・・・魔女じゃないか?ダントツで!」
魔女?あのくそじじぃの側近でもある魔女の事か??
「魔女ですか?あまり聞きませんわね」
確かにな
「魔女は手ごわいぞ」「スキルや魔法をたくさん使ってくる」
「例えばなんだ?」
「メロメロキスとかは一定時間行動不能にさせたりとか、中級魔法も使ってくるな」
メロメロ・・・魔王ならイチコロだな
だが、アシスト系は確かに役に立つ
「あと、魔女自体頭の良い魔物でな」「人間に姿が似ている、というかほどんど同じで、よく男性が金を取られる事もあるそうだ」
魔王・・・
頭が良い、か・・・・
「場所はどこだ?」
「場所はここから数キロ離れた「悪魔の泉」って場所だ」「っておい兄ちゃん、まさかそこへ向かう気!?」
「ああ、ぜひ確かめたいからな」
「止めときなって!!命を落とすぞ」
「無理はしないさ」
さて、決まりだな
「ありがとう!お金は置いていく」「釣りはいらない」
「あ、まってよ~たつや~」
「あ、ああ」「ありがとうございましたーー」マスターは多めの金額に驚く
それは情報料だ
悪魔の泉、ね・・・
おまけ
大都市ウェザリアでは魔力を所有している者なら一般人でも風船が飛ぶ
どんなに微々たる魔力でもその人の魔力が風船と言う形となって飛んでいく
例えば、焚き火に火をつける程度の弱い魔法でも赤い風船が飛ぶという訳だ
ちなみに、風船と言っても割ったりすることはできない
魔力で出来ているため石を投げようが(そもそも石が届くような距離には浮いてはいないが)透けてしまう
風船を無くす方法は2つ
1つは本人がウェザリアから出る事、2つは死んでしまった場合が存在する
達也は現時点で魔力を有していない為風船は飛ばなかった(ミクシーも同様)
お知らせ
8月11日、12日の土日は2話ずつ掲載しようと思っています
8月13日の月曜から1話ずつに戻しますのでそのつもりでお願いします