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FREAK  作者: PATACO
8/8

会話


1日目16時28分


俺達は相変わらず2列になって歩いていた。順番は変わっていない。


ハル・カナ

俺・エリ

ケン・マミ

ノリ・ユイ

エミ・シン


「エリ、大丈夫?お腹は空いてない?」

エリの後ろからマミが話しかける。

「…うん…」

「顔色、よくないな。また吐き気きたら、遠慮なく言えよ」

俺はエリの顔を覗き込みながら言った。

「…うん…」

エリは相変わらず呟くようにしか返事をしない。先ほどから、エリの左手の人差し指には、白色布切れのマスコットがついている。大きな頭に短い手。目はない。

「ねぇ、それ何のキャラクター?」

マミが聞いた。

「…ミイラ」

…怖ぇよ。

「…可愛いでしょ」

いやいや…怖ぇよ。


「ねぇ、あんたって、頭いいのね」

ユイがノリに話しかける。

「んぁ?そんなコトねぇよ」

「生徒手帳見りゃわかるって」

「そういうお前も賢いくせに」

「あたしの学校知らないじゃない」

「……まぁな」

へぇ、そうなんだ。B班は頭脳系とバカの差が激しいのな。


1日目も、半日が経とうとしている。まだ誰ひとり欠けてはいない。いや、これからも欠けないさ…。


「…ねぇ、これはゲームよね…」

突然エリが呟いた。

「主催者はそう言っていたな」

ハルが答える。

「…じゃ、これは…現実じゃない…」

「…?」

「…現実じゃない…」

「エリ…」

「…ふふっ」

エリは何を考えているんだ…?


ヘーックション!!


「うわぁ!」

変な空気の中、突然の大きなくしゃみにマミが声を上げた。

「やめてよケン!バカ!」

「え?そんなにびっくりした?ごめんごめん」

「も〜!」

このくしゃみには確かに驚いたが、変な空気は直った。

俺は隣のエリを見た。下を向いて、フリルで大きく広がったスカートで歩いている。せっかくのレースやリボンも、昨夜の野宿や今までの道などで汚れてしまっている。

「煙草吸いたいなぁ」

カナがそう言って欠伸をした。

前の二人は、どちらもスタイルがいい。ハルは俺より頭ひとつ分背が高く、カナは俺より頭ひとつ分背が低い。どちらも痩身で、足が長く、ふたりとも黒と赤を基調にしたロックな服を着ている。その背中はどことなく似ていて、初対面の二人とは思えないように見える。

それで俺の横のエリは、カナよりもずっと背が低く、今は下を向いて歩いているため、もっと小さく見える。その後ろには、一番背の低いマミが続く。


1日目16時49分


カナの鼻歌が聞こえる。

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