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FREAK  作者: PATACO
5/8

ウサギ

俺のグループをA班、ノリのグループをB班としよう。

A班の俺は、昔ボーイスカウトをやっていたからキャンプ生活は得意だったし、食べられる植物もある程度知っていた。B班では、ユイが独学で植物やキノコにも詳しかった。こういう人材を入れてきているゲーム主催者…何者か。


1日目11時15分


「なぁ、タカ。見てみろよ、あれ」

口数の少ないシンが俺に話しかけてきた。

「…野ウサギか」

「食えるだろ?あれ」

「ああ」

「ち…ちょっと待ってよ!ウサギなんて…そんな…」

俺とシンの間にエリが割って入る。エリは確かにフリフリな服を着て、虫も殺せないような顔をしている。

「森の出口を見つける頃にはお前は骨と皮しかないんだろうな」

俺がエリにそう言うと、エリは黙ってしまった。そこで俺はシンに作戦を説明した。


エリは使いものにならない。エミは…どうだ?よくわからないが、反対してこないのを見るとやってくれそうだ。聞き返してこないので、日本語もわかっているようだ。俺はエリには何か食べられそうなものを拾って来るように言い、ふたりには位置についてもらう。ウサギは呑気に草を食べたり、地面に穴を掘ってみたりしている。


1日目11時23分


ウサギのちょうど後方で、エミが草むらでザワザワと音を立てた。ウサギはビクッとして首を回してそちらを見ている。エミはさらに大きな音を立てる。するとウサギが、前に向き直って俺とシンがいる草むらに走ってきた。

俺達はまっすぐ走ってくるウサギを、押さえつけることに成功した。

ウサギは、俺達の4本の腕に押さえつけられジタバタ動いている。俺はその手をウサギの背中から徐々に首へと移動させる。

俺はウサギの首を締め上げた。

ウサギは

「キュッ」

と鳴くと、動かなくなった。口と鼻からは血を流している。

そこへエミが大きな葉を持ってきてくれた。シンはウサギの顔を葉で包んで抱えた。

「エリ、帰るぞ」

拾ってきた木の実などを両手で吊ったスカートの上に貯めて、木の後ろに隠れていたエリを呼んで、俺達は河辺へ戻った。



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