10人
赤いライターの火。それを顔に近づける女。多分自分と同じような歳だと思う。
「…結構いるじゃん」
その女は言った。
「あたし、カナ」
カナと言ったその女は、ライターを消し、続けた。
「あたし、この状況全く意味わかんないんだけど」
確かにそうだ。
「あたし、マミ。…あたしも全然わかんないんだけど…」
「だよね」
カナにマミか…。晴れているから星もたくさんあるし、月があるため真っ暗ではないため、段々目が慣れてきて、周りが見えてきた。
「俺はタカ」
俺は言った。それから、今この場所にいる人数を確認させてほしかったため
「名前を聞かせてくれ」
と提案した。みんな俺の言うことを聞いてくれた。
全部で10人。全員17歳。
俺、タカ:高校生。クセのない短髪を明るい茶色に染めている。
カナ:黒いショートカットで、前髪以外の毛先にゆるいパーマをあてている。ライターを持っているところから、喫煙者らしい。中卒。フリーター。
マミ:背中まで伸ばした茶髪に、色白で童顔な丸顔。あまり利発そうではない。
ハル:一番の長身で、肩までの黒髪の長髪にストレートパーマをかけている。
エミ:赤みがかったカールした髪に、緑の目。あまり口数が多くない。
ユイ:金髪で、腰まである綺麗なストレートヘア。どこか知的な雰囲気がする。
ケン:クセのある短髪で、色白。すごく
「いい奴」
的な感じがする。
ノリ:メガネをかけた、ガリ勉タイプの奴だが、中身はそうでもないのかも知れない。
シン:綺麗な容姿だが、どこか挙動不審だ…。
エリ:ロリータファッションに身を包み、一際異彩のオーラを放っている。大きい目もストレートのロングヘアも、漆黒。
さて、この多種多様なメンバーで、一体何が始まるというのか…。
すると、突然、静まり返った夜の森で、エリの携帯電話がけたたましく鳴った。




