幕開け
「ここは…どこだ?」
起きあがろうとして地面に手をつくと、土の感触がした。
そこは夜の森だった。
俺は何故、こんな所にいるんだ…?
時計を見ると、×月×日午前0時。
「…誰かいるの?」
女の子の声がした。独り言のつもりだったが、どうやら俺一人じゃないらしい。
暗闇に目を凝らすと、確かに何人かの人間が確認できた。
「ああ…いる」
俺がそう言うと、少し離れた場所にライターの火が灯った。
俺は何故、こんな所に…ーああ、そうだー
俺はいつになくしつこい携帯電話の振動音で目が覚めた。時計を見ると、もうすぐ日付が変わろうとしている時刻だった。そんな時間に叩き起こされて苛立ちながら、俺はベッドから降りる。俺がそうすると、枕元で寝ていた飼い猫もベッドから降りて欠伸をした。
机の上で未だに振動を続ける携帯電話を手に取ると、ちょうど振動が止まった。俺は液晶画面を覗く。
メールが1件。
…見知らぬアドレスからだ。
『これからあなたにはゲームに参加していただきます』
「ー…は?」
俺はまだ寝ぼけた頭でもう一度その文章を見る。
「何だ…?」
1階のリビングで午前0時を告げる鳩時計の音が聞こえた。
その時、俺は意識を失ったんだー…。