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弾あそびについて

人里の幼子が、路地裏で手製の紙札を投げたり、竹箒に跨って走ったりすることがある。

人間と妖怪の戦いを模した遊びで、里の大人からは(たま)あそびと呼ばれている。無論、本当に空を駆けるわけではないが、巫女と魔法使いはごっこ遊びの定番だ。


弾あそびにもいくつかの型があり、子供たちの年代や興味によって差が現れる。

お札や小道具の意匠に凝ったり、技の名前を考えて宣言したり、石段を跳んだり軽い組み合いをしたりと、様々である。お絵描きとお遊戯と戦いごっこが混ざった遊び、と言えば近いだろう。


里人の中で、この遊びは女子(おなご)のものだと云われている。

姉や子守に連れられた男児が交ざっていることはあるが、分別がつく年になると、一様に距離を置きたがる。浮ついた遊びより、相撲やちゃんばらをしたり、家業を手伝ったりするほうが格好いいという。最近ではサッカーという球蹴りも流行した。


また、半霊の剣士を真似した二刀流の構えが人気で、弾あそびではなく「ちゃんばらの亜種」として扱われている。


子供の間では、男が弾を撃つと金玉を取られるとか、ユカリサマに攫われて暗闇に送られるとかいう噂が伝わっている。碁会所の翁の話では、かつては「魂を抜かれる」だったという。口伝えに広まるうちに、子供に受けやすい形に変わったのかもしれない。下世話な話ほどよく広まるものだ。


一部ではこれらが混ざってしまい、ユカリサマに攫われて暗闇で金玉を取られる、という話まである。

本物の八雲紫がそのような真似をするとは思えない。神出鬼没で得体のしれない妖怪として、名前だけが独り歩きしている様子である。


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