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月夜の狂騒

人里から博麗神社に向かう道で、夜更けに爆音が響くことがある。

様子を見に行くと、夜雀と山彦の妖怪がコンビを結成して、髪を振り乱しながら歌っている。パンクロックという音楽で、若い妖精や妖怪に熱狂的なファンがいるらしい。名前は鳥獣伎楽といった。


演奏と叫び声は里まで響き、眠りを妨げられた者も多い。

ある満月の夜、寺子屋教師の上白沢慧音が、頭を振り回して舞台に突進する珍事があった。満月の彼女は白沢に変身し、夜を徹して歴史書を編纂しているため、騒音に業を煮やしたらしい。


彼女は私室を飛び出して里を走り抜け、ライブに乱入して「静かにせんか」「愚か者」と声を上げ、演者を捕まえて角で突こうとした。以前から夜更けの騒ぎを問題視しており、騒音に悩む里の民から署名を集めていたという。


大きな怪我人は出なかったが、翌朝には事の次第が天狗の新聞に載り、里の民の話題となった。


結局、満月の夜は音の妖力が強まりすぎて喧嘩沙汰のおそれがあること、慧音も半獣になって気性が荒くなることから「満月の夜は演奏を控える」という取り決めがなされた。


寺子屋では希望者に耳栓を配っている。

夜更けの騒音に悩んでいる者は、相談してみるとよいだろう。耳を傷めずにロックを聴きたい者にも役立つようである。

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