言葉を使うのが怖くて
言葉を使うのが怖くて
使い慣れていない刃物が
無限に口から出ていく感じ
言ってもぼくだって他人を傷つけるのに
良い気持ちはしないし
ヘンなことを言って
相手を悲しませるのも面倒くさい
それにぼくの思いは無秩序で
どろどろとよどんでいて
筋道を鋳造するのが億劫で
せっかくがんばって組み立てた言説も
分かってもらえなかったら
がんばり損じゃん
だから喋るのをやめた
くすぐりあうのに適した
カドのない丸っこい言葉のみを除いて
でもそれだけじゃ人間関係っていうものは
やり過ごすことはできないようで
特にぼく自身を守るために
相手を説得なんかしなきゃならない時は
言葉を駆使するしかないみたい
怒鳴ったって泣いたって
感情の原型みたいなものは辛うじて伝えられても
深いところにある理屈は分からないだろう
相手は困惑ぼくは落胆
一人だけじゃなく
何かを二人以上で作り上げるのって
それが相互理解というやつであれ
なんであれ
難しいんだなって
ここまでは考えた