12.もう一人の存在『奴』
不定期で月曜日に更新予定で進めていきます。どうぞ、ゆっくりご覧になっていってください。
〜前回のあらすじ〜
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体に馴染むのはまだまだ先なようです
ちょっと気を入れてしまうと表情が赤ちゃん界隈から離れてしまう。この違和感を大人たちは見逃さない
「なんかさ、人の言葉を理解してるようだよね。表情の話したら、すぐ治すじゃん」
うーん、今のオレの状態はバレないとは思うが、やっぱり気づくもんだな。だけど、まぁいっか!
それに、見るからに心配してないしな。うん、大丈夫そうだ。オレの体調は良いのだろう
だが気になるのは、それだけ長時間オレの意識は飛び続けていたのか、ということだ
あんまり頻発するようだと、これから自転車も乗るだろうし、そんな時に意識飛んだら危ないしな。なんとか原因を見つけないと
そんなことを考えていると
「それは僕の意識が優位だったからだよ」
なんか声が聞こえる。しかもオレの声にそっくりだ
「僕だよ僕。」
ん?!目の前にオレそっくりの赤ちゃんが突如出現する。ゲームみたいだぞ、なんだなんだ?!
「え?君は......」
「そう、僕だよ」
なんてことか、オレは赤ちゃん(肉体)モードのオレと会話しているのだ。しかも向こうからアクション起こしてくるとは
「アァ、どうも、はじめまして。」
「ふふ、よろしくね(笑)」
なんだなんだ、オレおかしくなったのかな、なんでオレがオレと対面して話しているんだろう
「それはね」
まるでオレの頭の中を見透かしているように、オレの僕は話しかけてくる
「僕らはスイッチヒッターみたいなものなんだよ。都合がいい時に僕と君で入れ変わるのさ」
ほぉ、なるほどね。それは便利だろうけど、でもなんでこうなったのだろう
「それはね、神様との約束なんだよ」
「約束?」
「そそ、君が前世で蓄えた経験のままに生きたなら、問題が起こるんだって。だからどうしようもなくなったら、僕が強制的にスイッチを入れ替える、つまり君には寝ていてもらって、僕が主導権を握るってこと」
「例えばね、子どもじゃわかりっこないことを理解しているわけだから、そのまんま生きたら親はどう思う?大抵は天才だと思うだろうね。でもね、天才とは得てして理解されにくいんだよ。共感は生むだろうけど、理解は難しい。」
「そしたらね、不本意ながら病院に行って検査させられるうちに、君の能力は使いづらくなるわけ。そりゃそうだよね、本来は必要ないものを食べたり飲んだりやらされたら、人の脳は変わって行く。思うように体も動かしにくくなるし、頭も混乱したりする。そんな中じゃ、君のスペックは活きないんだよ」
「だから僕は見守り兼お助けマンということさ」
誇らしげに腰に手を当てて鼻息ふんふんしてやがる。アニメに出てくるお調子者キャラみたいだ。だが本当だろう。オレの直感がそう言っている
「じゃあさ、困った時に助けてくれるってことでしょ?そういうことなら、頼りにするよ。よろしくね」
なんてことはない、僕の意識が飛んでいた時は、どうやら肉体側の僕が助けてくれているようだ。だからか、胎内にいるのって暇そうだったから、オレに退屈させないように切り替わってくれていたんだな。良いやつじゃないか。(笑)
でも、こうして考えていることも、おそらく筒抜だ。なんだか神様が扮装して擬態しているようだよ。
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