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4 驚き

「・・・それは・・・どこの神話?」



意味が分からなかった。いきなりそんな話をされてもどう反応してよいのだろう?



「どこのって・・・俺達に伝えられてきた話だよ。俺にもどっからどこまでがホントなのかはわからないけど」


「俺達?誰のこと?」


「俺のようにルーンを持つ人のこと」


「え!?今の話の兵士のこと?ホントにいるの?」


「変なこと言うなぁ。目の前にいるじゃんか」


「あ」



そうだ。今の話が全てホントかはわからないが、実際にルーン文字を体のどこかに持っている人は存在しているのだ。

ということは、自分は光のエネルギーと同じ波長を持つ人間なのか?



「適合者・・・?」



思わず自分を指差して呟いた。



「そう、コンフォーマー」


「コン・・・フォー・・・マー・・・」


ということは?光は兵士?神様の戦争の兵隊さん?じゃあなんでこんな所で学生をやっているんだろう?なんでこんなに平和に暮らしているんだろう?


なんだか考えすぎて頭がおかしくなりそうだ。

足元がふらついてきた。










私はそのまま倒れてしまった。










“チュンチュンチチチ”




鳥のさえずりが聞こえる。



朝か。起きなければ。



強い日光を浴びてなかなか目が開けられなかったが、ようやく部屋の天井が見え・・・ない?



「―――――!?」


「あ、起きた。おはよう。お嬢さん」



誰かが自分の顔をのぞき込んでいる。

私は思わずその人を両手で突き飛ばした。



「きゃあ!!??」


「のわ!!」



“ゴン”



鈍い音がして、誰かが痛みに呻く声が聞こえた。



「だだだだだだだ誰!?」


「ヒドいなぁ林檎。何するんだよ」


「え!?ウソッ!?光?なんでこんなとこに?」


「なんでって、自分の家だモン」


「は?」



驚いて部屋の中をよく見ると、見慣れぬモノがたくさんあった。

天井まで届きそうな背の高い本棚。こざっぱりしたシルバーの机。背の低い横長の洋服たんす。背もたれのない柔らかそうなソファー。

そして何より、キングサイズと思われるベッド。

部屋自体も広く、林檎の部屋が5つは優にに入ってしまうだろう。

部屋の半分にはほとんど何もない。扉に近い方には机やら何やらが並んでいるのに、奥側にはまるで生活感がなかった。スペースは広くても生活範囲は狭そうだ。それでも埃一つ見えないのは掃除が行き届いている証拠だろう。

全体を白い壁に覆われ、柱や扉は藍色で統一された清潔感のあるシンプルな部屋だった。


確かに自分の家ではなさそうだ。



「光の家?」


「そう」



なんて大きな部屋なんだろう。この部屋の大きさから考えると、家自体も相当な大きさだと思われた。



「へぇ・・・光って金持ちなんだ」


「そうでもないよ。家が無駄に大きいだけで」


「ふぅん・・・・・・・・・・・・・・・・・・って!!そうじゃなくて!!!なんで私が光の家で寝てたの?!」


「だぁってぇ。林檎、あのまま寝ちゃうんだもん。林檎の家知らないし、次の日休みだから大丈夫だろうと思って――――」


「大丈夫な訳ないでしょ!?」



私が大声で否定すると、光は全く分かっていない様子で首を傾げた。



「なんで?」


「なんでって、女の子が男の子の家に泊まるなんてそんなに気軽にする事じゃないでしょ!?」



光は尚も首を傾げる。



「っていうか光!!人の寝顔覗き込んで何してたの!?」


「いや、カワイイなぁって」


「なっ!!!!!!!!!」



よくもまぁそんな恥ずかしいことをいえるものだ。


林檎は自分の顔が真っ赤になるのがわかった。



「どした?」


「何でもない!!」


「だって、顔真っ赤だよ?」



そう言って光はニヤリと笑った。



「確信犯か!!」


「なにがぁ?」


「とぼけるな!!!」


「怒った顔もカワイイね」


「まだ言うか!!!」

まだまだ終わる気配はなさそうだ。

今回は更新が早かったですね。評価、感想をお待ちしております。

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