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14 追跡の末に

次話投稿遅れまして申し訳ございませんm(_ _)m


言い訳をさせていただきますと・・・まぁ一言で言えば修正です。今まで投稿したお話を少し手直ししていました。

物語の進行にはあまり変わりないようにしたつもりですが、なにぶん初心者なもので、書き始めた頃の文章にまとまりがなかったのに最近気づきました(^^;) 少し直すつもりが、登場人物の口調などを結構直したり・・・;


読み直していただくほどではございませんが、今後のお話をスムーズに読み進んでいただくためには一度読み返す事をお勧めします。

嫌がる兄を帰宅させ、自分も下校しようと早恵に電話をかけた。しかし彼女もまだ校内にいるというではないか。

訳を聞くと、今まで足止めをしていたので、光もたった今門をくぐったところなのだという。もう遅いだろうと諦めていたが、大丈夫そうだ。


早恵のおかげですぐに追いつくことができた。光は少し早足になっていたが、ついていけないほどではない。

そこからは忍者になった気分で追跡していった。


しばらく後ろから見ていると、新しそうなスニーカーが砂だらけになっていることに気がついた。制服は綺麗なのに、足元は走り回った後のようだ。

光はいつも斜め掛けのリュックで登校している。かろうじて教科書が入る大きさだ。お弁当は二段の長細いものを使っているので一応入りはするのだが、大抵は中身がぐちゃぐちゃになってしまう。


本当に毎朝ケンカをしているのだろうか?

確かに暴れ回った形跡はたくさんあるのだが、怪我一つせずに登校するなんて可能なんだろうか。

そんなに強くなってしまうまでに日常的な事だったんだろうか。

睨まれたと勘違いされたことが発端でも、そういう世界に迷い込んでしまうものなんだろうか。

抜け出せなくなってしまうものなんだろうか。


数分後。

500メートル程進み、コンビニの前で信号待ちをしていた。

落ち着かないのか足首を回したり肩を伸ばしたりしていたが、信号の色が変わりそうになるとしゃがみ込んでしまった。

不審に思いコンビニの角から身を乗り出すと、片膝をつき、前傾姿勢になっているように見える。



「あ、ヤバいかも」



早恵が一言呟くと同時に信号がGOサインを出し、光がものすごいスピードで走り始めた。



「あ!!!!!!」



すぐに追いかけようとしたのが、運動というものをまともにしたことのない2人には到底無理な話である。

ものの数秒で撒かれてしまった。



「どぉしてバレたのかなぁ???」


「・・・」



野生の勘だろうか?なんて便利なんだ。

せっかく早恵に足止めしてもらったのに失敗してしまうとは・・・。



「ゴメンね、早恵。次までに脚力鍛えとくから」


「次があるんだね」



さて、これからどうしよう。


思いのほか早く用事が終わってしまったので唐揚げでも食べに行こうか。確か近くに商店街があったはずだ。最近はなかなか行く機会がなかったので久々に行ってみよう。

早恵も小腹がすいたらしく、二人で向かうことにした。



「中学校は商店街と反対側にあったからしばらく遊びに行ってなかったんだ。でも下町ってかんじで、いいところだよ」


「へぇ。いいねぇ、そういうの。こっちはビルばっかりだよ」


「隣町のマンション街だもんね」



早恵は電車で隣町から登校している。親元を離れて一人暮らしなんだそうだ。



「スーパーはすぐ近くにあるけど、買い物しに行くだけさ。おもしろい事なんて起こりそうにないな」


「そっかぁ・・・じゃあきっと気に入るよ!!いろんな人がいるから!!」



早く早恵にも見せてあげたくてウキウキしながら、いつもより速めに歩いていた。

子供のイタズラだろうか。途中、コンクリートに石で大きく書かれた「光」の文字を見つけたが立ち止まったのは数秒で、笑い合うのも歩きながらだった。



「ほぅ。確かに賑やかなところだね。顔見知りとかいたりするの?」


「生まれる前から来てたからね。お母さんのお腹の中にいた頃から。だからほとんどの人は私の事知ってるよ。でも最後に来たのが中学2年生の時だからなぁ・・・みんな覚えてないかも」


「じゃあ唐揚げ買いに行ってみよう。そこの人も知り合いなんだろ?」


「惣菜屋さんには何かとお世話になってたからね」



というわけで、まずは惣菜屋まで行ってみることになった。

商店街は最後に見た時と何も変わっていない。多少新しい店員が増えているところもあるのだが、それでも独特の暖かい空気は懐かしいばかりだ。



「すみませ〜ん、唐揚げ2つくださ〜い」


「あいよ。ちょっと待ってねぇ」



店の奥から聞こえる高い声。姿は見えなくても人物を特定するのはたやすかった。



「はい、唐揚げ2つ―――――――」


「山根のおばちゃん!!」



突然林檎が叫んだことに驚いたのか、揚げたての唐揚げが入った包みを持って立ち止まってしまった。しばらく口を開けてこちらを見つめていたが、段々とこちらに近づいてきてつぶやく。



「・・・林檎ちゃんかい?」



やった!!

覚えててくれたんだ!!



「うん!!林檎だよ!!」


「まぁ!!まぁまぁまぁまぁまぁ!!!久しぶりじゃないかい!!もう来てくれないんじゃないかと思ってたよ!!まぁぁああ!!べっぴんさんになってぇ!!そっちはお友達かい?」


「早恵っていうの。高校で一番仲良しなんだよ!!」


「こんにちは」


「あらこんにちは!!しっかりした子だねぇ。この子たまに素直すぎるとこがあるから気をつけてやってね?」


「あ、それは大丈夫です。既に何回かやらかしてるんで注意してますから」


「あははは!!そうかいそうかい!!」


「え?私なんかした?」


「コンビニで100円ぼったくられそうになったりね」



以前と変わらずに接してくれる安心感。

やっぱり私は、この町が大好きだ。


そのまま立ち話をしながら惣菜屋の軒先で唐揚げをほうばっていると、向かいの氷屋に人だかりが出来始めた。

見たところ輪の中心で何か勝負をしているようで、皆口々に「いいぞ」だの「負けるな」だのと叫んでいた。



「またやってるのかい?こりないねぇあの子も」


「あの子?」


「最近毎日のように力試しに来る男の子がいるのさ。氷屋の竹蔵に勝てる訳ないってのにねぇ」


「あの竹蔵さんに力で勝とうなんて無茶な人もいるんだね」



そんなことできるわけがないと笑っていると、静かに人だかりを眺めていた早恵が突然目を丸くした。



「あ・・・れ?」


「どうしたの?」


「山根さん。その男の子ってもしかして・・・金髪の長身だったりする?」


「そうね、竹蔵よりゃだいぶ高いよ。つんつん頭の金髪だったし。見た目はだらしないけど優しくていい子みたいだねぇ」


「・・・」



今度は真顔で最後の唐揚げを口に詰め込んだ。



「早恵?」


「・・・林檎。たぶんあの中にいると思うよ」


「何が?」


「肴山」


「!?」



まさか。

そんな偶然があるとは思えない。


それでも、目線は人の群の中へと移動してしまう。

そして見つけた。群の中心で竹蔵と腕相撲をしている金髪頭を。それを見つめる一人の少年を。

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