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テイワズ7

よく考えたら、光の学校用のキャラがあまり話に出せていないような気がします(つд`)



気をつけます←

俺は今、ガラにもなくブルーになっている。



『ぃ・・・たくないです!!』



そりゃ、あの状態で「一緒にいたい」なんて言うヤツはそうそういない。よっぽどのマゾか、そういう関係なら話は別だが。それでもやっぱり、拒否されたという事実は俺の心に突き刺さる。


あ・・・れ?

そういえば俺達って、どういう関係?


クラスメイト。

隣の席。

家が近い。

・・・同じルーンのコンフォーマー。


俺の両目にあるテイワズ。林檎の右側の鎖骨にある灰色のテイワズ。それらは俺達が触れ合えば色を変え、俺のテイワズはブルーに。林檎のテイワズは少し薄目の水色になる。


実は光は、自分のルーンが蒼くなるのを見たことがない。林檎に触れている間しか見ることができないのだから、当然と言えば当然である。つい最近までは、自分が陸の人々(ランドピープル)なのか海の人々(シーピープル)なのかすら知らなかった。

美月が能力を使うとルーンも蒼く変わっていたので、光も使ってみようとしたことがある。しかし、まだコンフォーマーにも出逢っていない自分が能力を使えるはずもなく、結局わからなかった。林檎に出逢わなければ、何もわからなかったのだ。

自分はもう、コンフォーマーからエネルギーをもらわなければ動かない体になってしまった。エネルギーが切れれば、眠った状態になるらしい。

林檎がいなければいけないのだ。彼女がいなければ。


・・・いや、違うな。

俺は林檎がコンフォーマーでなくても、一緒にいたいと思うだろう。


お前は俺の事、どう思ってんのかな?


コンフォーマーはルーン所持者にエネルギー補給をさせるだけ。ルーン所持者はコンフォーマー達がいなければ生活出来ないが、コンフォーマーはルーン所持者が近くにいなくても不便はない。

林檎にしてみれば、俺は迷惑なヤツなのかもしれない。



「俺・・・嫌われてんのかも」



授業中、誰にも聞こえないように呟いた。教師が何か言っているが、起きる気にはなれなかった。


一人で勝手にはしゃいでたのか?

迷惑だったのか?


・・・まて。これは少女マンガで言えば女の立ち位置だろう。

なにを卑屈になっている?俺はこんなに気弱な人間じゃない。やっかい事だっていつも受け流していたじゃないか。


そうだ。受け流せ。



「光」



いつのまにか授業は終わっていたようだ。林檎が声をかけてきた。



「あの、さっきは・・・気を悪くしたのならごめんなさい。でも・・・」



なんだか謝られているな。

でも気にしない。何故なら“無駄な悩みは増やさない”が俺のモットーだから。



「ん・・・謝んなくていいよ。俺が勝手に盛り上がってただけだから」


「え?盛り上がってたの?」



クラスの何人かが不思議そうにこちらを見ている。

気は進まないがキャラを崩すわけにはいかないので、どうにか笑顔をつくった。



「あ、いや・・・そっか、林檎にこういう言い回しはいけないよね。・・・要するに、林檎は悪くないってことだよ」


あぁ。

テンション低いのにキャラ守って喋るとキモいな、俺。


自分で決めたことではあるが、1ヶ月もしないうちにやめておけば良かったと後悔し始めた。もう少し無理のないキャラにした方が良かったかもしれない。

せめてこの気色の悪い満面の笑みをしなくてすむようにしたかった。


そう考えると気が滅入ってきて、全身の力という力が抜けていった。額を机に打ち付けてしまったが、こんなもの、美月のヒザ蹴りに比べればなんてことない。



・・・ん?

まてよ。


まだ入学して半月くらいしか経っていないんだよな。

じゃあまだ間に合うんじゃないか?


もうちょっと落ち着いたキャラにできるかも・・・。



「林檎」


「―――――!?・・・・・・・・・なに?」


「ちょっと耳かして」


「う、うん」



周りには聞こえないように、しゃがんだ林檎の耳に向かって問う。



「あのさ、今からキャラの修正ってきくと思う?」


「・・・え?話が読めないんだけど・・・さっきの話はもういいの?」


「ん。いいの」



林檎は不服そうな表情だが、自分の中では一応解決しているのだ。いちいち傷を掘り起こす必要はない。



「俺が今おとなしめなキャラに方向転換したらおかしいか?」


「うん」



・・・即答か。



「今じゃクラス1のキャピキャピボーイだからね」


「・・・そんなに目立ってるか?」


「当たり前じゃん。・・・ていうか自覚がなかったことに驚きだよ」



マジか・・・。

完全にやりすぎたな。



「なんで?どうかしたの?」


「・・・意味もなく笑い続けることに限界を感じた」


「・・・・・・・ぷっ」


「あ゛?」


「ゴメンナサイ」



・・・あ、睨んじゃった。

昔から人を睨むとろくな事がない。というか睨まなくても元々そういう目つきなのだ。気をつけなくては。


なんとか表情を作ろうとしたその時、後ろから軽く肩をたたかれた。林檎ではない。その腕をたどっていくと、「まっつん」の顔があった。


デジャヴ。


確か前にもこんな表情を見た事がある。美月の留守中、誤って皿を割ってしまったときだ。皿を割ったのを渚に見られ、「黙っといてやるから一週間パシリやれ」と言ったヤツの顔は、確かこんなだった。

つまり、良いことが起こるはずがない。



「ふぅん?・・・で?どんなキャラにしたかったのかな?」



・・・。


え?こういう場合はどうすればいいの?

てか今のって聞かれてたパターン?

バレちゃったパターン?



「あぁ。大丈夫。私口は堅い方だから」



そういう問題じゃない!!!



「早恵・・・」


「なに。別にとって食いやしないさ」



喰わせるか!!


地獄耳だな。いや、最初から聞いていたのか?

どちらにせよ、このままではまずい。


どうする・・・?



混乱した頭で考えをめぐらせていると、林檎が耳打ちをしてきた。



「光。私、早恵には話してもいいと思うな」



話す?

それでコイツが誰かに話したりしたら、俺はまた不良グループの仲間入りだ。


結構めんどくさいんだからな?

特に呼び出しとか。何故わざわざこっちから出向いてやらなきゃならないんだ。他校のヤツは闇討ちとかするし。近所迷惑だっての。



「・・・やだ」


「え?」


「コイツだって、俺が毎日ケンカばっかりしてたって聞いたら引くに決まってる。せっかく作った“肴山光”が台無しだろ?」


「でも、ホントの性格には気づいてるみたいだよ?」


「それとこれとは話が別だ。性格がバレてようが、過去がバレるとは限らない。黙ってりゃ平気さ」



そうだ。

実はこんな性格でした。とか、そんなことだけ言っておけばいい。

そしてそれとなく口止めをしておこう。



「まっつん。放課後、五分ぐらい時間もらえるかな?☆」


「もちろん」



そう言ってヤツはニヤリと笑った。

もしかしたらこれをネタに脅してくる気かもしれない。


さすがの俺も女に手を挙げることはできないから、どうにか言葉で説得してみせる!!!






「今何話してたんだ?」



二人が去った後、コソコソと近寄ってきた新井慎二は何かに怯えているように見えた。



「ん〜?ちょっとイタズラされちゃっただけだよ☆」


「松下に?」


「うん」


「なんかお前の笑顔怖かったぞ?怒ってたのか?」



いつも通り笑っているつもりだったのだが・・・気をつけなければ。

改めて柔らかい笑顔を作ってみたが、今度はできているだろうか?



「ただのイタズラに怒ったりしないよぉ」


「う〜ん・・・だよなぁ?・・・あ、そういえば!!お前、金曜までは水野とケンカしてたよな!?」


「え?・・・あ」


「でも今日は最初の頃みたいに戻ってた!!もしかして金曜の放課後なんかあったのか?」


「そ・・・れは・・・」



これはまずいぞ。

コイツにルーンの事は話せない。なんとかごまかさないと!!



「野暮なこと聞くなや慎ちゃん・・・俺だって男だぜ・・・?」



一昔前の愁いを帯びたクサいセリフみたいな感じで言ってみた。

どうやら受けたようだ。



「ヒュー。モテる男はツラいねぇ!!」


「・・・モテてたら何の苦労もなかっただろうね」


「ん?やっぱお前、水野か?」


「え?」



慎二は妙ににやついた顔でこちらを見ている。



「とぼけたって無駄だぞ。あいつ、好きなんだろ?」



そう耳打ちされた瞬間、体温が一気に上昇していくのがわかった。特に顔が。


その所為か、大笑いされてしまった。



「正直なヤツだなぁ!!まぁ可愛さでいったら納得だな。・・・でもあいつ、どっちかって言ったら妹ッポイよな」


「あ・・・うん、そうかも。それがどうかしたの?」


「いや、お前と水野がくっついたらキャラ的な立場はどうなるのかと」


「キャラ的な立場って?」


「だから、光は弟キャラで水野も妹キャラだったらどっちが上になんのかな?ってこと」



そんなの気にすんなよ・・・。


というか実際、光はそんな人間ではないし、誰かの下につくなんてことは絶対にしないだろう。たとえ相手が渚であろうと、本気で従う気はさらさらない。



「・・・さぁ?考えたこともないなぁ」


「うん。考えてもわからん」


「ぷっ。なんだよそれぇ」



なんだか2人とも可笑しくなって、声を上げて笑ってしまった。

いつの間にか鳴っていたチャイムにも気づかず、教師に一括されるまで笑い転げていたのだった。

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