表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/78

花を持たせる

 花を持たせる、という言葉が野田の辞書にはないのですよ……。


 ゲームをするとき。

 いつでも全力投球。

 手を抜くなんて相手に失礼だ、と思ってまいりました。


 その結果。

 得意なゲームでは遊んでもらえなくなることも、しばしばでしたが。


 歯牙にもかけなかったのです。

 シューティングゲームが大の苦手ですから、逆に野田もシューティングゲームは避けさせていただいておりました。


 しかしながら。

「ゲームをするときは全体を見る」

「ずっと誰かが負け続けていないか気にする」

「みんなが楽しめるようにわざと負けることもある」

 というような意見に出会ったとき。

 

 接待ゴルフか……! とは思ってしまったのですが。

 衝撃を受けました。


 基本的に、野田は自己中心的な人間でしてね。

 いつも自分のことしか考えていないのです。


 ゲームは勝ったほうが楽しいですから。

 いかに自分が勝つかしか考えておりませんでした。


 どうしたら周りのお友だちと楽しい時間を共有できるか、ということが抜け落ちていたのです。

 道理で、お友だちが少ないわけであります。


 たまには、相手に花を持たせることも大切ですね。

 わざと負けることが必要なときもあるのですよ、と。


 今となっては、頭では理解しているのですが。

 冒頭で申しましたように、花を持たせるという言葉は野田の辞書にないままです。


 プライドが高すぎて、わざと負けられないのですよ。

 つまらないプライドなんて、さっさと捨てちまうべきなのですけどね。 


 そして。

 正々堂々、真っ向勝負。

 逃げも隠れもしないという暑苦しさが、野田にはあることも自覚しております。


 別に、誰からも暑苦しさは求められていないのですけどね。

 なかなか変えられません。


 それに加えて。

 わざと負けるのって難しすぎませんか? という問題もあります。


 ギリギリで自然に負けるためには、器用さが必要不可欠でしてね。

 わざとらしくならないように、わざと負けるなんてことはできないのです。


 しかしながら。

 子どもが大きくなったら、たぶん一緒にゲームで遊ぶこともあると思うのですが。


 正々堂々、真っ向勝負!

 逃げも隠れもしない、野田は負けない! というスタンスでは、いろいろ問題がありますよね。


 そういうのを「大人げない」と人は言うのだと思います。

 娘や息子に嫌われたくはないのですが。


 わざと負けるなんて高度な芸当はできなそうですよ。

「子どもだからって容赦しないよ」というのが、野田の基本的なスタンスになってしまうのかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ