野田がハマっている漫画の話
7月にね、珠のようにかわいい女の子を産みました。待望の第1子です。それはもう世界一かわ……以下略。
今さらですが、出産って大変ですね!!!
野田の出産の兆候があったのは予定日より2週間も前で、38週の健診の日でした。初産だから予定日を超えるかもしれないな、なんて。野田は気楽に構えているところだったのですが……。
お医者さまに「今日かもしれないし、明日かもしれない。特別、今日という感じはしない」と言われました。
え? 今日……?
理解するのに時間がかかり、野田は何のこっちゃと思いました。でも、次の瞬間。心臓ばくんばくん。
え!? もう生まれんの!? いきなり!? え!? 心の準備がッ……! と胸の内ではパニックでした。
が、プライドの高さゆえに悟られたくない野田。
神妙な顔を作って静かに頷き、帰宅しました。
玄関の扉を開けると、ちょうど旦那が起きてきたところでした。今日は仕事が休みで、これから一緒に食材の買い出しへ行く予定だったのです。
しかし、出産が今日かもしれない旨を伝えると予定はキャンセルになりました。「今日は寝ていた方がいい」と言われまして、嬉しかったですね。
だって、家事がサボれる……! るんるんで寝室へ行き、パジャマに着替えてベッドへ横たわりました。そして。枕の下に隠してあったキン○ダム34巻を、読み始めたのです。
調子が悪いようなふりをして、数日前から本棚にあるキン○ダムを1巻から読み返しているところだったのですよ。とんでもねえな!
キン○ダムは面白くて面白くて、いつのまにか緊張も解けておりました。1冊を読み終えた頃には、「あー、今日かー。今日だったらキン○ダム読み返しきれないなー」なんて思っていたのです。
それから、結果的には丸々2日間。何も変わりはなく。起きていると心配されるので寝たふりをしながら、ずっとキン○ダムを読んで過ごしました。
出産の前日の夜中くらいから、眠れない程度にお腹が痛み始めました。もうすっかり心の準備はできていて、「そろそろかー。待ちくたびれたよー」と思った次第です。
眠ろうとしても眠れないので30分間隔の腹痛に耐えながら、ずっとキン○ダムを読んで過ごしました。
朝になり、義母が様子を見に来てくれました。「あまり眠れなかった」と伝えると、「病院に電話した方がいい」とのこと。
いやいや、まだだろー。野田、キン○ダム読んでたんだぜ……、と心の中で思いました。が、義母に気圧されて電話しました。
当然のごとく、まだまだでした。「本当に我慢できないくらい痛くなってからで大丈夫です」と電話越しに言われました。義母は「最近の病院は入院が遅いのね」なんて申しておりました。
しかし、ここから野田は本当に痛みを我慢できなくなるまでキン○ダムを読み続けていたのですよ……。はい、次の日の朝方までキン○ダムを読み続けておりました。
「あぁ、もう痛すぎて読めない。野田は病院に行く!!!」と、さすがに思い立ちましてね。日曜日の朝方、空が白み始めた頃。病院へ向かってから、3時間後に娘が生まれました。
え? 全然、出産が大変な方じゃない?
面白さって、ある程度の痛みを凌駕するのですね。野田が陣痛に堪えることができたのは、キン○ダムのおかげといっても過言ではありません。ありがとう、キン○ダム。合掌。