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厄年

 今年、31歳になった野田。

 前厄に当たるのですが。


 厄年に関しては、いろいろなことを言われてきました。

 見事に、意見が真っ二つなのです。


「絶対にお祓いをしたほうが良い」派。

「気持ちの問題。厄年なんて関係ない」派。

 いつものごとく、野田は板挟みになっておりました。


 しかしながら。

 昨年に、第一子を授かりましてね。


「良かったねー」

「良いときに妊娠したねー」

「子どもは厄を落としてくれるから」と。


 周りの方の口が揃い始めたのです。

 丸く収まったかのように思えました。


「厄を落としてくれるのは男の子だけだから」と。

 義母が口にするまでは……。


 え。

 男女差別では? と。

 正直なところ、思ってしまいました。


 もちろん、真実はわからないのですが。

 神さまがいるとしたら、すごくお優しい方に違いないと野田は思うのですよ。


「子どもが厄を落としてくれる」ことにした理由。

 小さな子どもがいる人は大変だから、境内に訪れなくても良いようにしたのだと思うのです。


「男の子は育てるのが大変だけど、女の子は何とかなるだろう、来なさい」という意見もあるかもしれませんが。


 きっと、神さまは「来なくても良いですよ」と言ってくださる気がします。


 ちなみに、実母は信じているのだか信じていないのだか。

「お祓いに行かないくらいで、祟るような神さまは神さまじゃねえ」と言います。

 身も蓋もありません。


 野田は信じるか信じないかを聞かれると、よくわからないのですが。


 神さまというのは、きっとご先祖さまのことでもある気がします。

 神さまがいらっしゃる(いらっしゃった?)からこそ、今の自分がいるのだとは思っております。


 そして。

 魂というものが、現世に一欠片でも残るとしたら。

 誰も自分のことを想ってくれる人がいなかったら、気の毒だなと思うわけです。


 コロナで長いこと、三重県にあるお墓のお参りもしておりませんしね。

「いつも見守ってくださって、ありがとうございます。娘が産まれましたよ」とご報告に伺いたい気持ちはありました。


 別に、神さまがいないなら良いのですけどね。

 もし、神さまがいたら気にかけないのも失礼ではないですか。


 だから、結局。

 お祓いには行ってきたのですが。


 やはり欲は出るものですね。

 どうか第二子も授かりますように、とお願いもしてきてしまいました。


 そうしたら。

 本当に第二子を妊娠しましてね。

 現在、妊娠2ヵ月であります。


 たまたまなのか、何なのか。

 神社とは、すごく不思議なところですね。

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