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夏らしい遊び

 小学生のとき。

 夏休みに入ることが、嬉しくて堪りませんでした。


 感情を表に出す子どもではなかったのですが。

 人知れず、喜んでおりました。


 金曜日の夜、に少し感覚が似ています。

 何をして遊ぼうかな、と考える時間が何よりも楽しいのです。


 もーう、いーくつ寝るとー夏休みー、と。

 歌っている、その瞬間。

 頭のなかが楽しいことでいっぱいになります。


 夏祭り、花火大会、チョコバナナ、海、スイカ割り、わらび餅、プール、かき氷、川、流しそうめん、うなぎ掴み、釣り、山、キャンプ、バーベキュー、セミ捕り、木登り。


 ところどころ、美味しいものが浮かんできてしまうのは野田らしいかもしれません。


 しかしながら。

 セミ捕りをしていたなんて、今となっては信じられませんね。


 ベランダでセミに遭遇しただけで、戦慄している野田。

 虫と触れあうことのできる時代もあったのですよ。


 ぴょんぴょん跳ねているカエルを手の平に乗せて持ち帰ったり、テントウ虫をペットボトルに入れて持ち帰ったりしていました。


 いや、大変ですね。

 そのようなことを、今。

 娘にされようものなら発狂しそうです。


 しかしながら。

「今度はやられる側と思うと、大変だね」と旦那に話したところ。

 奇異の目で見られてしまいました。


 なぜか、旦那はカエルが大の苦手なのですよ。

 カエルが触れる時代なんて、存在しなかったようです。


 そして。

 旦那は優等生だったっぽいのですよ。

 夜7時には眠っていたのだとか。


 毎週月曜日に、名探偵コナンがやるときだけ。

「お願い。観たらすぐ寝るから」と親に頼んでいたようです。


「もう寝なさい!」と親に怒られて、

「わかったー、寝るー」と言いながら。


 ひとりかくれんぼをして、親を驚かせるようなことはしなかったわけですね。 


 もちろん、冬の日に雪玉を冷凍庫に詰めることもしなかったようです。

 たくさん詰めて、野田は怒られましたよ。


 それ以来。

 ひとつだけ、雪玉を冷凍庫に保管していました。


 夏の終わりに。

 そっと裏庭に投げるためです。


 夏空の下。

 崩れる白い雪玉。

 すっかり溶けていくのを、眺めるのが好きでした。


 友だちが少なそうな遊びですけどね。

 季節外れなことが好きだったのです。


 冬には手持ち花火をやりたがっていました。

 すぐに風で火が消えるため、大変なのですが。


 季節の遊びを楽しんだあと。

 夏には冬が恋しくなり、冬には夏が恋しくなったものです。


 無いものねだりでしたが。

 季節の巡りを楽しめるのは、幸せなことかもしれませんね。

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