ひと握りの才能
突然ですが。
ギリシア神話のパンドラの箱の物語を、ご存知でしょうか?
あらゆる災厄の詰まった箱。
最高神のゼウスが、パンドラという女性に渡すのです。
「決して開けてはいけないよ」と。
決して開けてはいけない箱を渡してくる件。
ミニマリストの野田には、悪意しか感じられないのですが。
(決して開けてはいけない箱って、箱の意味あります? 燃えるゴミに出しますよ?)
天界から人間が火を盗んだことに、ゼウスは怒っていたそうなので仕方ないですね。
お約束ですが。
好奇心に負けたパンドラは、箱を開けてしまうのですよ。
地上に飛び出していく災厄。
箱のなかには、希望だけが残ったそうです。
今日も続く世界に、どれほどの災厄が満ちていても。
わたしたち人類には希望がありますよ、と解釈されることが多いようです。
わたしたちは、赤ちゃんのときに希望を持って生まれてくるのかもしれません。
そして、野田は思うのです。
赤ちゃんの小さな手に握られた希望とは、「ひと握りの才能」のことであると……。
彼、彼女たちは生まれて間もないゆえ。
努力をしていないとは言いませんが。
努力の差はまだ、少ないはずです。
うちの子も毎日、こっそり筋トレに励んでいるのですよ。
がんばっています。
でも、明後日には1歳の誕生日を迎える彼女。
まだ歩けません。
まだ立てません。
早い子は生まれてから8ヵ月で歩くそうです。
神経系の出来に違いがあるのではないでしょうか。
努力の差。
もしくは環境の差だけで、赤ちゃんが歩けるようになるまでの時間に4ヵ月以上の差が出るとは考えづらいです。
4ヵ月って、彼女たちが生きている総時間の3分の1ですからね。
早くから歩くことができるのも、ひとつの才能だと思うのですよ。
いえ、野田の運動音痴が遺伝していて娘がマジかわいそうな感じもしますけどね……。
性格的な面でも、娘は非常に怖がりです。
高い高いをすると怖がります。
顔は無表情で、小さな手が震えています。
これは、野田が絶叫マシンに乗ったときと同じ反応です。
でも、絶叫マシンを最初から楽しめる人もいるわけではないですか。
怖がりもまた、才能? 遺伝? のような気がします。
超怖がりの野田。
生まれた瞬間から、怖がりだったのかもしれません。
見事に、野田の良くないところが遺伝してしまっているようなのですが。
きっと、娘にも才能があると思うのですよね。
何でしょうね。
うーん、顔がかわいいところでしょうか?
親バカですね、すみません。




