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ナイト・チルドレン  作者: けふまろ
杏梨達、東風谷家に泊まる。
12/40

杏梨達、女子会を開く。1

「これより、第一回、女子会を始めます!」

「「「うぇ~いっっっっ」」」

 

 友実の号令に、杏梨、里桜、咲希は、片手を空高く突き上げた。

 東風谷の家で、夜ご飯を食べる時間まで、あと三十分。東風谷の父親が、人数分のハンバーグを作ってくれることになり、その間、東風谷の部屋を使って、杏梨達女子四人は、女子会を開くことにしたのだ。

 一方男子達は、隣の祐真の部屋で、男子会をやるのだそうだ。

「まずは、好きな人暴露大会~っっ」

「うぇーい」

 友実がいきなりの発言をすると、咲希がパチパチと拍手をした。

「ちょっとぉ、いきなりすぎない? まずはもっとさ、好きな人当てっことかにしようよ」

「杏梨は好きな人バレてるからパスね。まずは里桜から」

 冗談混じりの杏梨の提案は、思いっきり咲希にスルーされる。

「うぅ……」

「えぇ~? 私?」

 天然少女、里桜が首をかしげる。杏梨は少しだけため息をつく。彼女から放たれる健気天然少女ぶりに、到底勝ち目はない。

「じゃあ、当てっこで良い?」

「おっ、私の提案採用された!」

 里桜の優しさに頬を赤らめる杏梨。


「……私の好きな人は」

「おぉ!」

「……同い年です!」

「おぉっっ」

 随分食い込むのは、杏梨だった。

 杏梨も、実は恋バナ好きなのだ。

「マジですか!?」

「えぇっと……」

「他にもヒントは!?」

 咲希は身を乗り出し、友実はヒントを聞き出している。

「……その、私、その子のこと、結構よく知ってるんだけど……。すごい、家が問題を抱えてて……。支えたいって思う気持ちが……いつの、間にか……」

(えっ、それってつまり……)

 杏梨の脳裏には、上原雅弥と雅樹の顔しか思い浮かばなかった。

「どっちか……」

「は? 何言ってるの? 杏梨」

 友実が、杏梨に尋ねた。「『どっちか……』って言ってたじゃん」と咲希が言う。

「どっちかって、まぁ、予想と大体合ってるけどね」

 里桜がクスリと笑う。

「えってことは!?」

 杏梨は飛び跳ねる。もしかして。予想が当たっているかもしれないのだ。


「……私の好きな人はね、雅弥なんだ」


 少しだけ小さな声で、里桜が答えた。

「マジで~!?」

 学年一のモテ美少女は、何と肩身の狭い思いをしている、上原兄弟が好きなのだ。

(うっそ、両想いじゃん)

 ニヤニヤが隠しきれない友実と杏梨。

「ちょっとぉ、何笑ってるの杏梨に友実」

 咲希が噴き出した。「何でもないよ」と杏梨は否定する。

「じゃあ、今度は咲希ちゃんじゃない?」

「えぇ? 私ぃ?」

 咲希は自分を指差した。双子のように動作が似ている。彼女達は美人なだけではなく、可愛さにも定評があるのだろう。女子にとって、顔立ちの良さと可愛さは完全なる武器である。

「じゃあ、言いますね。私は、里桜のようにもったいぶるのではなく、直球で言ってしまいます」

「おぉっ!」

 杏梨は思わず咲希に乗っかる。今のは決して里桜を否定したわけではないのだろう。


「私の好きな人は、雅樹です!」


「きゃ~っ!」

 杏梨は、頬を両手で押さえて、首を横に振った。

 二人の綺麗な美少女は、上原兄弟が好き。まさしく二人とも両想いだ。

 だが、その事実を知っている友実は、ひどく落ち着いていた。

「ちょっとぉ、友実ちゃん、全然驚かないね! 普通こういうときは、もっと驚くものでしょ!」

「う~ん、前々からそんな気はしてたから、今言われても、あんまりピンと来ないね~」

 杏梨は友実を前にして頷いた。

(友実ちゃんって、結構勘が鋭いんだね)

 初めて知った。と杏梨は考えながら、咲希と里桜を見つめた。

「何で好きになったの!? ねぇねぇ何で好きになったの!?」

「杏梨、しつこい」

 友実が冷めた目つきで杏梨を見つめる。

「ごめんなさい。でも、教えてほしい!」

 杏梨は謝ったが、まだ懲りず、二人に尋ねている。

 二人は少しだけ戸惑いながら、黙り込んでしまう。そして、沈黙を破ったのは、天然美少女、里桜だった。

「えっとね。……私は、何か、すっごい相談してくれる雅弥が、好きになっちゃったの」

「あぁ~、分かる。私もそうだもん」

 咲希が思わずといった調子で頷く。

「ってことは、雅樹もそんな理由で好きになっちゃったの?」

「杏梨、声がデカイ」

 友実がツッコミをする。


「……へぇ。じゃあ杏梨は、何で東風谷が好きになったの?」

 仕返しとでも言うように、咲希は聞いた。

「え? 私ですか? 聞きたい?」

 杏梨は最初から狙っていたかのように、もじもじとし出した。

「聞きたくない、って言ったらどうする?」

 里桜が、もったいぶったように、上から目線で言った。

「嘘です嘘です、聞いてください」

「宜しい杏梨」

 咲希はふふんと笑い、「はい、聞かして」と杏梨を喋らせた。

 そこで杏梨は、口を開く。

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