お泊まり会の準備。
今回少し短いです。待たせていたのにごめんなさい。一日クオリティなので、下手っぴでごめんなさい(元々下手だけど)。
杏梨は早速家に帰って、泊まりのことを母親に報告した。
すると、床に寝そべりながら本を読んでいた母親は、迷惑そうな顔をして、こう言った。
「はぁ? あんたまた友達の家に泊まりに行くの? しかも今日?」
そこで杏梨は、ついこの前、友達の家に泊まりに行くという名目で銀座に行ったことを思い出した。
(しまった。元はと言えば、あの時も言ってたんだった)
杏梨は以前の自分を、というかこんな案を考え出した東風谷を脳内で叱った。もし無事に泊まりに行けたら、以前のことを怒ってやろう。理不尽な怒り方だと自分でも思うが、今はそうして気を惑わすしかなかった。
実は杏梨、東風谷の家に泊まりに行くことを楽しみにしているのである。
東風谷は友達付き合いが、そんなに上手くは行ってはいないことも、杏梨は少しばかり知っていた。
家庭状況が滅茶苦茶な中、友達を家に誘えるはずもなく、きっと教室内での仲なのかもしれない、と思っていたのも事実だ。
「まぁいいわよ。行ってきなさい」
「ホント!? やったぁ」
杏梨は飛び跳ね、「ありがとう! お母さん、大好き!」と言いながら自室に飛び込んでいった。
「何だ杏梨。また家に泊まるとか言って大都会に行こうとしてんのか?」
杏梨が荷物の整理をしていると、兄の海翔が杏梨を見て言った。
「違うよ。今日は本当のお泊まり会!」
「本当か? ならいい」
良いのかよ、可愛い妹が一日いなくなるんだぞ、良いのかそれでも、と思ったが、よく考えたら日光移動教室のとき二泊いなくなってたんだ、と考え改めた。
「お前、人さまの食べ物食い散らかすんじゃねぇぞ」
「誰が食い散らかすだって!? 誰が!?」
杏梨は、海翔に牙を剥く。
「嘘嘘。行儀よくしろよってこと」
楽しんできな、と海翔は言いながら、シャーペンを握った。
この時まで勉強かよ、と杏梨は舌打ちしそうになったが、それを飲み込んだ。
最近、海翔は自分に優しくなったと感じていたから。
外へ出ると、びゅうっと冬の風が吹き荒れていた。
杏梨の大好きな秋が終わり、厳しく冷たい冬が近づいてきていた。




